多様性という病理
starstarstarstarstar - 2年前
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原作未読
面白かった。
現代社会の歪みを巧く切り取ってた。
3つの人間関係が取り上げられ対立し交差し溶け合う。
桐生さんは学生の頃の佐々木くんが唯一の繋がりで、それを失うくらいなら死のうと思った。そして佐々木くんも同じく命の形を探していた。
2人が再会して独りだった2人は社会に存在を許されるように、居場所を2人でつくりあっていく。
ダンサーの諸橋は他者に理解されない指向性に孤独感を持っていて、神戸からの性的な視線に嫌悪感があったが、同じように男性に恐怖心を持つはずの彼女が自分に対しては嫌悪感を持たない奇跡を打ち明けてくれたことで、同じ苦しみを持っていることに気付く。
混じり合うことはないけど、お互いが理解を示す。
どんな見方をして、どんな感情を持つかは自由だから。
検事の寺井は家族のために仕事をして妻や我が子を思ってるからこそ、当たり前に学校へ行くことを諭す。当たり前だった世界との繋がり方以外もあることに驚きと戸惑いと疑念を持ちながらも受け入れようとする。それでも想いはすれ違い家族の形は崩れ調停にまで辿り着く。
理解して欲しい子どもと妻を理解することができない。
社会を知ってるから、知ってしまってるからこそ、レールを外れることがどうしても許容できない。
たとえ夫が逮捕されてもいなくならないという思いは
決して普通であって普通じゃない。
普通と異常が視点によって姿を変える。
必要なことは他者を想い理解を示すことだけなのに。
ステレオタイプな認識が理解を遠ざける。
多様性というバグだらけの世の中に嫌気がさす気持ちもわかる。でも、果たしてそれはバグなのか。バグと認識してデバックしようとすると形自体が崩れていく。
ジェンダーとかポリコレとか何でも受け入れられやすい、生きやすい社会になっていくはずなのに、何でも受け入れられないといけない、理解しないといけない息苦しさのある社会になっていってる。
異性を好きになったり、結婚して子どもができたり、
学校に通って就職したり、一般化された普通の生き方が見直される今はある人にとっては生きやすいく、ある人にとっては異物が混じったような違和感がある。
今作は水がフェチとして扱われていただけで対物性愛に限りはない。異性ではなく同性ですらない、乗り物や建造物などの人間以外に魅力を感じることはさして特別な指向性ではない。
何かに対して愛情や嫌悪感を持つことは誰にでもある。
小児性愛者が殊更問題視されるのは被害者がその行為を被害と認識できないからであって、犯罪としては罪深いと思う。でも小児性愛を持つこと自体は誰にも否定できない。思想信条までは誰にも縛れない。
性的指向だけが特別視されるが、それも人が持つ一つの属性でしかない。性別年齢趣味指向、何が普通で何が異常かなんて本当は決められるものじゃない。それを一般論として規定して維持されている社会の形が変容している。画一化された社会の規格が歪み始めてる。
何が正しい欲なのか
何が誤った欲なのか
多様性という病理を今一度問い直す作品だった。
検事に相対した時の睨みつけるような蔑み返すような
3人の眼光は鋭く、悲しかった。
それと同時に、
誰かと繋がって生きていくことの希望も確かにあった。
原作読むのが楽しみ。
みなさんの世界とお前らの世界
starstarstarstarstar - 2年前
きっと何でもよかった。
この性癖はひとつの比喩である。
そこに自分の何かを入れ替える。
この空白を埋めなさい。
人は誰でも人に言えない秘密を持っている。
そしてそれが同じ秘密とわかった時。
共感。
圧倒的共感。
100人と広く繋がるより1人… 続きを読む
きっと何でもよかった。
この性癖はひとつの比喩である。
そこに自分の何かを入れ替える。
この空白を埋めなさい。
人は誰でも人に言えない秘密を持っている。
そしてそれが同じ秘密とわかった時。
共感。
圧倒的共感。
100人と広く繋がるより1人と深く繋がりたい。
「みなさんの世界」という表現が好きだ。
利己主義で他人を何とも思わないヤツらなら「お前らの世界」と言うだろう(そしてこの検事もおそらく今までならば。この先の世界では変わるだろう)。
周りに迷惑をかけないように遠慮して生きていく。
たぶん本当はそんな人たちのおかげでこの世界は成り立っている。だから居場所はある。ずっと。
誇らしく生きてほしいと思う。
前に出る人と後ろに下がる人。
何かわからずに疎外感だけを感じている人がいるかもしれない。自分はコレとひとつの性癖を完全に理解できている人はいい。なんとなく周りと違う。この「なんとなく」はしんどい。はっきりさせるのがすっきりするかもしれない。だいぶ痛みを伴うかもしれないけど。
目が死んでる。
明らかに目が死んでる演技をしている。すごい。本当に存在するかのような。本当にいますよこの人たちは。
群像劇。どう繋がっていくのかと思ったこの人たちが。感覚が集約していく感じ。簡単に浅く繋がるような感じではなくがっちりと絡みつくような。
すみませんなんとなく思ったことを書いてしまいました。物凄く抽象的なイメージで。
自分の中の見ない振りをしているところに触れてくる映画でした。でも嫌な気はしない。
この世界に必要な映画だと思いました。
明日を生きたい
starstarstarstarstar - 2年前
原作未読につき原作世界観はわからないが、マイノリティ志向の人々が世の中に受け入れられて、明日を生きたいと思えると良いなと噛み締められる作品。
少々気持ちは重くなるが、是非観て世の中の多様性について考えたい作品。
誰かの救いになる映画
starstarstarstarstar - 2年前
見入っていたので、エンドロールになってから涙が出た。いつまで経ってもこの世界の普通にはまらず、仕事をしてバレないように無事に死ぬ為に生きている感覚がわかる人にとっては少しの救いになるはず。ラストの言葉は作り手が最も伝えたい、僕のような人間が最もかけて欲しい言葉じゃないかな。
呼吸のように
starstarstarstarstar - 2年前
普通って何。私の普通とあなたの普通はどのくらい重なってる?
どのくらいの違いまで受け止められる?
普通にやってる呼吸だってみんな同じリズムじゃない。違ってて当たり前、をどのくらい許せるか、考えさせられます。
新垣結衣さんの最後の一言、強烈なインパクト。
何か腑に落ちない
starstarstarstarstar - 2年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
原作は未読、あらすじも全く知らずに鑑賞。
映画としての出来は正直微妙な印象で、登場人物の感情がほぼ会話上で表現されており、映画ならでは表現ができないものかと感じました。
タイトルシーンの映像はおおっ!?と惹きつけられるものがあったので、そこは残念です。
話としては考えさせられる点はあるものの、最後の展開にモヤモヤしてます。
主人公達が検事から無理解を突きつけられるきっかけとなった人物については特に掘り下げられず、主人公達の悲劇性を際立たせる展開のための存在になっているのが気になりました。
彼には主人公達と似た苦しみがなかったのか…?
生きづらさ
starstarstarstarstar - 2年前
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生きづらいと思いながら生きてきた。
そして今も、生きづらさがずっとある。
数年前に初版で買った「正欲」だったが、ずっと読まずに本棚にしまっていた。やがて文庫本が出て、書店に平積みされているのを見たがそれでも読まなかった。昨日、書店で好きなアーティストであるVaundyの「呼吸のように」が聞こえて立ち止まった。平積みされた文庫本の上にモニターがあり、映画「正欲」のプロモーションビデオが流れていて見入った。そして主題歌に、「呼吸のように」が起用されていることを知った。そこで初めて、観たいと思った。曲が好きだが、過去の私が書籍を買うほど関心を示していた作品に興味を持った。すぐにスマホで上映館を調べると、明日で上映終了と分かり、上映終了前に観れられて良かったと思った。
主人公の桐生や、佐々木のように性的嗜好がマイノリティの人間ではないが、生きづらさを感じているという点で、とても共感できた。桐生が言った「地球に留学してるみたい」という言葉が印象的だった。漠然と感じる世の中との相容れなさ、正しいとされる人生の行程に明らかに遅れているもどかしさ。理解したい、楽しみたいのにそれができないやるせ無さ。あぁ、そう感じている人は私一人ではなく、居るのだということが分かって嬉しかった。佐々木が「どんな人でもひとりではなくふたりがいい」といったことを言っていたと思うが、私は今、一人で生きているからそう言い合える相手がいたらどんなに良いだろうか、生きやすくなるのだろうかと考えてしまった。
もう一つの物語、神戸と大也は神戸役の女優(東野絢香さん)の演技に涙した。
また、ラストシーンは考えさせられるものだった。普通って何だろう。性的マイノリティの人も普通と称される人々も、それぞれに生きづらさや悩みがある。自分を肯定できるか、合う環境に身を置けるかが生きにくさを緩和する手段の一つなのかもしれない、と、この映画を観終えて感じた。生きることがままならない私にとっても、観て良かったと思う作品だった。
多様性という偽善
starstarstarstarstar - 2年前
何かに囚われる事で、そこに身を委ねる事で、自身を開放できることがある。それは、何かと一体になるという感覚。人間の誰しもある根底の孤独感からの解放。
一瞬でも、その寂しさを忘れるために。
多様性という薄っぺらい熟語に、現代の物事の本質からの逃避が見え隠れする。
ひとりじゃない
starstarstarstarstar - 2年前
想いがつたわる演技
素晴らしかった
対岸の人 あなたはどちら。
starstarstarstarstar - 2年前
只今、観終わりました。原作を読んでから観に行きました。大筋は原作どおりですが、やや変えられています。「あれっ?」と思うシーンもありますが、ギリギリ許容範囲です。
内容は書きづらいですが、桐生(新垣結衣さん)と佐々木(磯村勇斗さん)の枠で進ん… 続きを読む
只今、観終わりました。原作を読んでから観に行きました。大筋は原作どおりですが、やや変えられています。「あれっ?」と思うシーンもありますが、ギリギリ許容範囲です。
内容は書きづらいですが、桐生(新垣結衣さん)と佐々木(磯村勇斗さん)の枠で進んでいく感じが濃いです。寺井、神戸、諸橋の枠はやや物足りない感じです。映画の時間の都合上、原作のようにはいきませんね、それは理解しますが…惜しい…
キャスティング、演技とも原作と合っています。観やすかったです。皆さんの演技も自然で、文句はないです。新垣結衣さんは安定していますし、磯村勇斗さんも自然体ででした。もちろん、稲垣吾郎さんも申し分ないです。ただ、稲垣吾郎さんの見せ場はなかったように思います。仕方ないですね、あの脚本ならそうなりますね。
さて、欲の多様性をどう捉えるか、そこがこの映画のテーマですが、「多様性」という言葉が蔓延る現代社会、どこまでを多様性という文言で片付けられるか、考えましょうか。。。