混沌と崩壊のカタルシス
starstarstarstarstar - 2年前
すぐれた芸術作品は、作家のものである以上に観客のものなのだと感じました。
よく創作の過程を“産みの苦しみ”なんて言いますが、産んだ後も含めて本当にピッタリの表現だと思います。
産みの苦しみを経てこの世に生を受けた作品は、作家の手を離れ観客の… 続きを読む
すぐれた芸術作品は、作家のものである以上に観客のものなのだと感じました。
よく創作の過程を“産みの苦しみ”なんて言いますが、産んだ後も含めて本当にピッタリの表現だと思います。
産みの苦しみを経てこの世に生を受けた作品は、作家の手を離れ観客のもとで成長していく。
まるで子育てと一緒。
自分が生み出したものではあるけれど、自分のものではない。
先天的に生まれ持った個性や素質があり、後天的に環境や出会いによって形成されていく。
自分の意図しなかったものへ成長して
観客のものになっていく。
それでいて、全く作家と別物かと言うとそうでもなく…
生みの親が無自覚に内包していたエロティシズムまで観客によって暴かれ、作家は丸裸にされてしまう。
そう考えると作家って踏んだり蹴ったりだなぁ。
でも…それでも生み出さずにはいられない。
序盤で、実際に聴こえている音楽なのかBGMなのかわからないシーンがあるのですが、これこそ彼の感覚だったのだと思います。
作曲家の頭の中には、次にスコアに書き写すべき音楽が奏でられている。
映画『アマデウス』では、一番の理解者であるサリエリによって書き留められましたが、ラヴェルの場合は…
素晴らしい芸術には人生の全ての要素が含まれている。
クライマックスの、混沌から崩壊へのカタルシス!
『ボレロ』はラヴェルの過去であり、未来だったのだ。
決して曲に引きずられたのではなく、誰もが迎える未来が含まれているから、こんなにも惹きつけられるのか。
崩壊の後には再生が待っていると信じられる画面作りが素晴らしい。
柔らかい光を帯びたドアップの美しさ!
背中に回した指先。首すじ。手袋。
プラトニックだから余計に官能的。
どうやら私は、監督アンヌ・フォンテーヌ×撮影クリストフ・ボーカルヌの映画が好きみたいです。
しかし、それにしてもラヴェルの頑ななことよ。ものすごい自制心。
むしろそうなる事を恐れていた気配すら感じます。
ともかく、その思いの全てが創作へ注がれたお陰で、名曲の数々が生まれたのだと思える説得力がありました。
環境音として随所に入れられた小鳥の囀りも印象的。
時代が前後するので、ザックリとしたラベルの生涯を知っていた方が良いかも?
フランス語って美しい
starstarstarstarstar - 2年前
そんなにフランス映画を見ることがないので他と比べるのも母数が少なすぎてアレなのだがフランス語をこんなに美しいと感じたのは初めてだった
作曲家ラヴェルの半生を描いた作品で映像も綺麗
ラヴェルの死因が今ならあの病気だとわかるのだろうにとても残念だ
バレエシーンも圧巻
上級者向けなのかな
starstarstarstarstar - 2年前
みんなが知ってるラヴェルのボレロ。その制作秘話を知ってみたい人は多いはず。なんですが、ラヴェルについて一通りの知識がないと難しいですね。最初にローマ賞の落選があって、ボレロの産みの苦しみがあって、認知症があって、辛いことしかないみたい。アメ… 続きを読む
みんなが知ってるラヴェルのボレロ。その制作秘話を知ってみたい人は多いはず。なんですが、ラヴェルについて一通りの知識がないと難しいですね。最初にローマ賞の落選があって、ボレロの産みの苦しみがあって、認知症があって、辛いことしかないみたい。アメリカ演奏旅行の大成功も描かれてはいるけれど。ボレロに至るまでの輝かしいところがあれば、その対比としての苦しみがより強調されたと思うし、普通の人には分かりやすかったように思う。結構長くてしんどかった。ロシア人の占い師のロシア語はイマイチ。
どうしても比べてしまう
starstarstarstarstar - 2年前
クロードルルーシュの「愛と哀しみのボレロ」
しかし、こちらはラヴェルの物語
そういえば、ルルーシュは、
パリオリンピック開閉会式に
に出て来てしまっても良かった人
ラベルの音楽が好きで
starstarstarstarstar - 2年前
モーリス・ラベルがボレロを作曲する過程とその後の物語
ラペル大好きと言いながら30年
いろいろ文献を読んできたつもりだったけど、知らなかったことが多くイメージが大分変わった!
素晴らしい映画
ラベルの人間らしさがすごく出ていた
ラストのボレロのシーンは圧巻で、余韻がすごかった
ラベルの家を使用しての撮影など、ラベルが実際に見たであろう景色を見られたことにも感動
また見返したい映画
引き込まれました!
starstarstarstarstar - 2年前
ボレロが聴きたくて見に行きました。
フランス語が心地よく、映像も美しい。
すっかり魅了された2時間でした。
ボレロ以外のピアノ曲も美しい。
胸が震えるボレロ
starstarstarstarstar - 2年前
いつ聞いても胸が熱くなるボレロという楽曲についてもう少し知りたい、というだけでの鑑賞だったが、終始流れるさまざまな音楽と、ラヴェルの苦悩やその人生に十分浸れた。
時系列のいじりは必要かな?とは思ったが、大きな起伏のないこの作品、思いの他退屈することなく、堪能できた。
素晴らしい音楽は経年劣化はしないのだな、とつくづく思う。
新しい音色を求めて
starstarstarstarstar - 2年前
映画最初の1903年のローマ賞一次選考の演奏曲をはじめ、『ボレロ』以外の曲も本当に素晴らしく、後に親友シパ(ヴァンサン・ペレーズ好演!)が言う「ローマ賞に5回も落ちたモーリスに乾杯!」には全く同感!だと思いました(ローマ賞審査員一同の、革新… 続きを読む
映画最初の1903年のローマ賞一次選考の演奏曲をはじめ、『ボレロ』以外の曲も本当に素晴らしく、後に親友シパ(ヴァンサン・ペレーズ好演!)が言う「ローマ賞に5回も落ちたモーリスに乾杯!」には全く同感!だと思いました(ローマ賞審査員一同の、革新的なものを理解できないこと明白な凡庸愚鈍な壁のような顔!)。
ベジャール振付のジョルジュ・ドンの舞台を眼にするずっと前から、ラヴェルの『ボレロ』は大好きだったものの、ラヴェルそのひとのことは全然知らなかった。この映画を観て、その人柄と自らの音楽に捧げた生涯を知り、妙に合点がいくと同時に、ますます彼の音楽が好きになりました。
個人的に一番驚いたのは、『ボレロ』のリズムの着想源が○○の○○音(←ネタバレになるので○○)だったこと。彼は「近代」についての音楽を意図していたということ。
『ボレロ』や彼の音楽が好きな方にはオススメ!
ボレロ以外の曲も素晴らしい
starstarstarstarstar - 2年前
ボレロ 永遠の旋律、1930年代のデカダンスな装飾、建物、ドレスが豪奢で素晴らしい。よくある変わり者の天才の苦悩の話かと思いきや、対話の面白さ、意味深さ、オシャレで大人なところに悩殺されました。べネディクトカンバーバッチ主演のルイス ウェイ… 続きを読む
ボレロ 永遠の旋律、1930年代のデカダンスな装飾、建物、ドレスが豪奢で素晴らしい。よくある変わり者の天才の苦悩の話かと思いきや、対話の面白さ、意味深さ、オシャレで大人なところに悩殺されました。べネディクトカンバーバッチ主演のルイス ウェイン 博士が愛した妻と猫 が好きだった方はハマると思います。ボレロ以外にも旋律の美しいピアノ曲がたくさん出てきます。海岸や湖のそばに立地する絵画のような美しい邸宅も映画ならではの夢の世界です。
こだわりの天才の病いと苦悩
starstarstarstarstar - 2年前
映画鑑賞後、1週間は頭の中で『ボレロ』が鳴っていた。この中毒性?はどこからくるのだろう...。
ラヴェルのエナメル靴は、こだわりが強く完璧主義だった主人を象徴する存在として登場する。終盤、ラヴェルはその靴を残して病院へ向かう...自分らし… 続きを読む
映画鑑賞後、1週間は頭の中で『ボレロ』が鳴っていた。この中毒性?はどこからくるのだろう...。
ラヴェルのエナメル靴は、こだわりが強く完璧主義だった主人を象徴する存在として登場する。終盤、ラヴェルはその靴を残して病院へ向かう...自分らしさを失いつつある、病いの深さを覚えるシーンだ。
楽曲からしかラヴェルを知らない者にとって、本作の流れは掴みにくい。それは2人の人物の描き方が、どこか足りないからではないだろうか...。
一人はマルグリット・ロン、後半の演奏シーンまで、その立ち位置は見えにくい。ピアニストの彼女は、ラヴェルから『ピアノ協奏曲ト長調』を献呈され、共にヨーロッパ中を演奏旅行した仲だ。
もう一人はラヴェルの3歳下の弟、エドゥアール。ラヴェル闘病のキーパーソンのはずだが、本作では登場しない。
なお、ミシアとシパは異母姉弟、シパはラヴェルと同い年で、その妻アイダと住む家は、当時の若いアーティストたちのたまり場だったという。