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逆光(2021) ポスター

逆光(2021)

5.0 62分 2021/7/17(土) 公開
恋愛日本
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あらすじ

『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』の渡辺あや脚本作。三島由紀夫を媒介とした青年たちの愛憎のラブストーリー。1970年代、真夏の尾道。22歳の晃は大学の先輩である吉岡を連れて帰郷する。晃は好意を抱く吉岡のために実家を提供し、夏休みを共に過ごそうと提案をしたのだった。先輩を退屈させないために晃は女の子を誘って遊びに出かけることを思いつく。幼馴染の文江に誰か暇な女子を見つけてくれと依頼して、少し変わった性格のみーこが加わり、四人でつるむようになる。 やがて吉岡は、みーこへの眼差しを熱くしていき、晃を悩ませるようになるが……。

場面写真

予告動画

逆光(2021)の予告編を再生

キャスト・スタッフ

監督
須藤蓮
キャスト
須藤蓮/中崎敏/富山えり子/木越明
配給
FOL
公式サイト
https://gyakkofilm.com/

クチコミ

ハル ネタバレ

記憶に刻まれる作品

- 4年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む

最初の景色で気付きました。光を向いて前を進む人が気まぐれにこちらを向く時、必ず逆光で表情は見えないんですね。どんなに必死に相手を後追いしても相手の事がよく分からない訳だ。分からないからこそ、いつか光の中の自分を見てくれた時、そんな事があれば、相手の表情が望むものであるのではないかと期待して縋ってしまうのかもしれない、と感じました。 映像は美しいです。光と影、間接光の色がありありと登場人物の立場と感情を表しています。尾道の美しい風景と純文学のような台詞運びに無心で世界観に惹き込まれました。 青年期の不器用で切実でざらりとした感情表現が素晴らしかったです。明言されない抑圧された感情を一つ一つ読んでいく感覚がありました。 夏の暑苦しさとリンクする焦がれる熱情に胸の詰まる苦しさ。それを抱え込んで努めて涼しい顔をしてみせる青さが堪りませんでした。 物語が進むにつれて時代背景が少しずつ分かっていきました。 晃の恋は社会の光の中に入れない日陰の恋なのですね。だからいつも逆光なんだ。でも三島由紀夫はそんな恋こそ文化であって、文化になるくらいの恋こそ本当の恋だと言ってくれた。彼が当時の青年たちの心を掴んだ理由が少し分かった気がします。 エンドロールには胸がいっぱいになりました。散った恋を文化になったと昇華したフリをしてみせて、気取っていただけだった三島由紀夫を初めて消化した晃に、それが慰めで良い訳がないでしょ、と思わず声をかけたくなりました。 それでもせめて何かが残った、あれは恋だった、社会に抗って傷付いた、間違いなく文化だった、刻まれた心の傷跡がその存在を証明していて、だからこれで良いんだ、そういう思想をふかして精一杯背伸びして恋だと認めてくれる言葉に縋る在り方は青年そのもので、眩しいくらいでした。 逆光で人を映す時、人の表情はほとんど暗く潰れてしまって分からず、人を映そうとすると背景は飛んでしまってその人だけがくっきりと浮かび上がって見える。 こちらから光を当てれば解決するのですが、晃は光が当たらない時代に生きているから吉岡を好きでいる限り逆光にしかならない。 吉岡はなぜ光側にいられるかって、女性が好きで、社会の中にいる人間だからなんですね。光側からは晃の表情がよく見えるでしょうね。分かっているからこそ顔を見ずに隙だけ寄越すのだろうか。 「逆光」は彼らの恋をよく映した題だと思いました。

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