モザイクの無いドキュメンタリー!
この人権侵害を一人でも多くの方に知ってもらいたい。 映画の持つ力を信じてつくられた映画なので、同じく映画の力を信じている映画ファンの端くれとして、一人でも多くの方にこの映画が届くよう…。つぶやくのは苦手なので長文失礼します。 鑑賞中「これ… 続きを読む
この人権侵害を一人でも多くの方に知ってもらいたい。 映画の持つ力を信じてつくられた映画なので、同じく映画の力を信じている映画ファンの端くれとして、一人でも多くの方にこの映画が届くよう…。つぶやくのは苦手なので長文失礼します。 鑑賞中「これ、今現在も進行形の話よね?」と、何度も自分に問いかけてしまいました。 だって、あたかもスターリンの時代に戻ったかのような、拉致、拷問、密告。 家族や支援者までターゲットになる… はい。わたくし『チャイルド44』シリーズの愛読者です。 小説の中で「ソビエト連邦には犯罪は無い」との建前で事件自体を無かったことにする展開に驚いたのですが… この映画でも「チェチェンにはゲイなど存在しない。もしいるなら血を清めるために遠く離れたカナダへ連れて行ってほしい。」と言い切るシーンがあって 「あれ?これフィクションじゃなくて、本当にカディロフ本人が言ってるのよね?」 【チェチェンの血統浄化】を掲げた政府主導の取り組みだそうです。 あまりにも時代錯誤でフィクションのような展開に頭が混乱しました。 民族や宗教的な問題は文化やアイデンティティにも関わることなので、他国にとやかく言われる筋合いはないと思っていますが、 それと人権や尊厳を守るのは別問題! 何人たりとも命を脅かされることがあってはならないと思っています。 存在を無いものにされてしまう…なんと恐ろしい。 “チェチェンにゲイはいない” ホモフォビアによる暴行も、いない筈の者に対する暴行なので罪には問われない。 また、いない筈の者がいることは一族の恥…血縁者による、脅迫、監禁、虐待によって、文字通り亡き者にされてしまうケースもある。 その一方で、逃亡に関与した支援者は一族の財産(人)を奪った者として罪に問われる。 都合の良い時だけ存在を認めるのね。 独自に入手したという画像がエグイのだけど… 顔とか出してて大丈夫??と心配になりました。 ↓↓↓ ◾️個人を特定できない技術! 映画の最初にテロップで説明があるのですが、何の事だか全くピンときていませんでした。 “フェイスダブル技術”で身元の特定が不可能に! 簡単に言うと、当事者の顔の上に別の顔の映像を被せるイメージです。 もちろん“ボイスダブル技術”で声も加工済み。 詳しくは読み応えのある公式サイトで https://www.madegood.com/welcome-to-chechnya/ 今まで当事者を守るために、映像にはモザイクがかけられ、声も機械的な音声に変換されるのが当たり前でしたが、 この技術によって、当事者の苦悩が目の前にいる生身の人間の苦悩として伝わります。 これでこそ、映画にする意味がある! ↓↓↓ ◾️映画の持つ力 昨年公開された『トゥルーノース』とも重なりました。 北朝鮮の強制収容所を描いたアニメですが、北朝鮮は強制収容所の存在自体を認めていません。 清水ハン栄治監督も、デビッド・フランス監督も国によって“無いものとされている人々”を救う為に戦っている。 それがどれだけ困難で危険を孕むことか…。 まずは多くの人に今現在起こっている事実として知ってもらうところから始めなければならない。 そして、その最善の方法として“映画”を選ばれました。 映画には人の心を動かす力がある。 それはスクリーンを通しての半擬似体験であり、主人公の目線を追うことによって、初めて私達は当事者の感情に寄り添うことが出来るのではないでしょうか? ニュースとして知っただけでは、なかなか心は動かない。「お気の毒に」「可哀想に」と思いはするものの、どこか遠い国の出来事だと思ってしまいがち。 ニュースの犠牲者には、一人一人の顔があり、その人その人の人生がある。 そのひと個人の喜びや悲しみを目の前に感じた時に、初めて身近な出来事として心が動く気がします。 情報としてではなく自分の感情と結びついた経験として心に残る。 これこそ映画が持つ力ではないでしょうか? ◾️最後に。 本来、個人が有料で鑑賞する範囲におさめてはいけない映画だと思います。 よっぽど問題意識を持たないと“お金と時間をかけて見る”は、なかなかハードルが高い。 誰もが見るべき映画なので、無料のプラットフォームで拡散されるのが理想でしょうが…いかんせん映画を作るのにはお金がかかる。(しかも最新技術を使っている!) もしこの映画の収益が、勇気を持ってこの映画を作った制作者サイドへ渡り、次の映画の資金になるのなら意味がある。 配給会社の取り分もあるだろうけど、少しは活動資金に回ることを祈って。 娘を誘って観に行きます。 ----ここからネタバレあり---- ホモフォーブによる暴力も許せないが、ホモフォーブによるレイプがどうにも理解出来ない。 だって、ゲイを否定しているんですよね? 嫌いなんですよね?? 「悪事を成敗してやる!」って正義の鉄拳きどりで、なんで男が男をレイプ??? 観賞後、娘に質問したところ(環境問題にしても、人権問題にしても娘の方が詳しい) 内面に支配欲や潜在意識をはらんでいることもあるとのこと。 なるほど! 相手を屈服させたい願望があったり 実は気づいていないだけで自分自身も潜在的なゲイだったり、認めたくない同族嫌悪だったり。 「だってノンケなら男では立たないよ」ぐう正論