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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け ポスター

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け

4.0 129分 2023/1/13 (金) 公開
サスペンスアメリカ
チケット予約

あらすじ

世界中で社会現象となった”性犯罪告発運動“=#MeToo 運動を爆発させ、正に社会を動かした記者と女性たちの実話であり、真実を追求したジャーナリストの物語。 ニューヨーク・タイムズの記者ミーガン・トゥーイー (キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)がハリウッドに君臨する映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの何十年にもわたる性的暴行についての取材を進める中で、ワインスタインが過去に何度も記事をもみ消してきたことが判明。さらに、被害にあった女性たちはそのほとんどが示談を受けており、証言すると訴えられるという恐怖や、当時のトラウマによって声をあげられないままでいた――。問題の本質は業界の隠蔽構造だと知ったミーガンとジョディは、調査を妨害されながらも信念を曲げず、証言を決意した勇気ある女性たちと共に突き進む。

場面写真

予告動画

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キャスト・スタッフ

監督
マリア・シュラーダー
キャスト
キャリー・マリガン/ゾーイ・カザン/パトリシア・クラークソン/アンドレ・ブラウアー/ジェニファー・イーリー/サマンサ・モートン ほか
配給
東宝東和

クチコミ

☆4.9

- 3年前
『私はこの世界にこれ以上レイプシーンを増やすことに興味はなかった。もう十分。』 (マリア・シュラーダー監督) 当然で基本的な事だが、作中の暴行は被害者自身の証言のみで映像描写は一切見せない。 それでも被害者の口から語られる被害の内容、録音… 続きを読む

『私はこの世界にこれ以上レイプシーンを増やすことに興味はなかった。もう十分。』 (マリア・シュラーダー監督) 当然で基本的な事だが、作中の暴行は被害者自身の証言のみで映像描写は一切見せない。 それでも被害者の口から語られる被害の内容、録音による加害者との会話、示談で結ばされた沈黙条項のため目に涙を浮かべながら「言えない」としか答えられず苦しむ被害者の姿、弁護士から示談を勧められ加害者である有力者が罰されない制度と社会構造の瑕疵、世界中でクラウド共有してんのかと思うほどお約束の二次加害フレーズに悲しみと怒りで震えが起きた。 しかし最も胸に迫ったのは、終盤で友人と波打ち際で裸足ではしゃぎ、カーテンを開けて日の光を浴びる、日常の被害者たちの姿だった。ただ日々を生き将来に希望を持ったこの女性たちを、この後何十年も苦しめる残酷な世界が待ち受けている事に、“それ”は既に起きたのだという事実に涙が止まらなかった。 冒頭の街行く女性たちの姿が思い起こされた。 なお、本作に登場する人物は全て実名。FOXニュースのCEOロジャー・エイルズによる性加害事件を描いた映画『スキャンダル』も全て実名。20年以上前に被害を告発したが当時誰も相手にせず、ハリウッド界を追放されたアシュレイ・ジャッドは本人役として登場している 。 2022年話題になったドラマ『エルピス』は、政府に非常に近い人物が起こしたレイプ事件を政権の有力者がもみ消した事実を暴いていく傑作だが、全て名前はフィクション。いつか日本も… ここでアメリカは大変だったんだなあ、で終わってはいけない。これは対岸の火事でもなければ過去でもないからだ。 日本の痴漢被害は暗数が9割、つまり実際の被害件数は10倍以上ある[2019年法務省調査]。 映画監督の園子温や榊英雄、劇作家の谷賢一、自衛隊で性暴力が告発された。 ストライプインターナショナルの社長は複数のセクハラで社内厳重注意(内閣府男女共同参画会議議員でもあったというから笑わせる)。龍角散の社長はセクハラを訴えた女性社員を解雇した事を告発され多額の解決金で和解。 泥酔して抵抗できない女性をレイプした男に無罪判決。実の娘をレイプした父親に無罪判決(高裁で逆転有罪)。12〜13歳の娘を強姦した父親に出た判決は僅か懲役4年。ドラマ『エルピス』の元となった性被害を訴えた女性は過酷なバッシングを受け続けている。性犯罪の裁判の傍聴席に群がる男たちがいる(アダルトコンテンツじゃねえんだよクソ共が)。「セクハラ罪はない」と言った政治家は未だ現役。セクハラを告発された衆議院議長は口を閉ざしたまま議長席に座る。 性被害を「言えない」環境がある国で“#MeToo”と言える被害者が、被害者に“#WithYou”と言える人が何人いるだろう。 作中の「世の中には何人のハーヴェイがいると思う?」があまりにも重い。 『本作は非常に異例な調査についての映画であると同時に、ハーヴェイ・ワインスタイン事件についての映画というわけではないと思います。そしてまた、ハリウッドやハリウッドの権力者についての映画というわけでも。 この映画のテーマはそれをはるかに超えて、世界のどこにでも起こりえることについて触れています。男性支配の世界で、女性として生まれ、この世界で女性として育ち、女性として仕事することがどんなことか、ということについての映画なのです。ハリウッドであろうが、ヨーロッパであろうが日本であろうが、女性として働く場合、同様の脅威に直面します。 記者の仕事を追うことを通して、母親でいることがどういうことか、職場においてワーキングマザーでいることがどういうことか。この世界において女性でいることがどんなことであるかを語ることができると思ったのです。』(監督) 《パンフレット》 記事掲載後の世の中の変化、マリア・シュラーダー監督の数々の膝を打つ言葉、キャストと共にジョディとミーガン本人へのインタビュー、原作翻訳者らの寄稿文など文字びっしりで情報盛りだくさん。購入推奨。 《余談》 プロパガンダだとアレルギー反応を示す人は、実際に被害者のいる性犯罪という問題の本質より党派性を優先して考える思考の歪みと、ワインスタインの弁護士にクリントン元大統領の顧問弁護士という民主党の大物がいる事実を無視した二元的で単純な捉え方に疑問を感じてみては。

どするん ネタバレ

沈黙を破る声

- 3年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む

空気が重く、息がしにくい もどかしい思いがつきまとい 最後に大きく息を吸う #Metoo運動の火付け役となったハーヴェイ・ワインスタインの性加害事件を描いた物語。 映画の中では渦中のハーヴェイは後ろ姿のみで、記者が被害者の声や事実をもとに事件の輪郭を浮かび上がらせていく過程がわかる。 多くの人が長い間、沈黙してきた事実は重く、今になって声を上げることの難しさが伝わってくる。 それでも、被害者に起こった事実は変えられない。 変えられるのは未来の被害者を救うこと。 多くの人が沈黙を強いられていたからこそ 一度その沈黙が破られれば声は大きくなっていく。 映画の中では、記者の家族も特徴的に映し出される。 "妻と子どもに誓って"が口癖のハーヴェイとは対照的に、我が子へレイプという言葉の重さを伝えたり、自分の信条に従って告発を決意したり、母としての女性が強い存在として描かれる。 そして、 声を上げられない被害者も 示談金を担当してた財務担当も ワインスタインを守るべき弁護士も みな己の良心に従って最後は真実を語る。 この事件のように事実が明るみに出る場合はまだいいが、性被害は表に出づらく被害者が泣き寝入りする場合もまだまだ多いと思う。 地道に証言と物的証拠を集め、信頼を得て、正しいと信じることを貫く記者の姿はすごくかっこよかった。 恐ろしいことにこの物語はフィクションじゃない。 告発を行おうとしても権力者に対して個人の力はとても弱く、真実の告白をしてもそれが虚偽や名誉毀損だと逆に訴えられる可能性もあるし、裁判になれば時間もお金もかかる。 騒動を起こすだけで社会的信用を失う恐れもあるし、親告罪は特に立件されにくい。 ワインスタイン事件では、本来お互いの権利を守るための秘密保持契約が加害者を守る法として強く作用し立ち塞がる。 示談が成立している以上、問題は解決したとみなされるのは当然ではあるが、その交渉が行われるテーブルには有能な弁護士を携えた権力者といち個人が対峙する。 この時点で対等な交渉にはなり得ないがこの現状が司法の限界なのだと思う。 もし虚偽告発が横行すれば推定無罪の原則は形骸化し、行き過ぎた断罪が行われてしまう懸念も当然ある。 ただ、映画終盤にワインスタイン陣営が行う抗議を聞き流す姿勢にもあるように、被害者側のハニートラップだったとか合意のもと行われたとか、それは法廷で争われることで権力を傘に事象を矮小化して丸め込んでいい理屈にはならない。 日本の映画界でも声明が出たように映画業界は構造的に力関係がはっきりとしていてこういった問題が起こりやすいんだと思う。 性的問題はセンシティブに扱われるべき問題だが、それを利用して沈黙を強いるのはあまりに卑劣で、性別問わず、個人の尊厳は最大限守られなければならない。 性的暴行やセクシャルハラスメントは 今もどこかで繰り返されている。 沈黙が新たな被害を再生産してしまう。 誰もが声を上げやすく守られる社会に 権力が法をコントロールできない社会に この映画が多くの人の目に留まるように。

直面した日本の関心のなさ

- 3年前
映画の作りは地味な裏取り作業を淡々と。 過剰な演出はなく、詳しくは知らないがおそらく事実通りかなあと思えるリアリティがあった。 なるほどこうやって地道にやっているのか。 他の件でも、フォーカスされるトピックのデカさで派手さが前面に出ると地道… 続きを読む

映画の作りは地味な裏取り作業を淡々と。 過剰な演出はなく、詳しくは知らないがおそらく事実通りかなあと思えるリアリティがあった。 なるほどこうやって地道にやっているのか。 他の件でも、フォーカスされるトピックのデカさで派手さが前面に出ると地道さが薄れるが皆さん苦労されてるのねと感じました。 動機が自分の功名心だけでなく誰かのためであればそれは感動に変わる(それにしてももしも功名心でやっていたとしても苦労は苦労なのでそれはそれで飽くなき功名心の塊と違う感動を覚える。大した欲だ笑)。 本人出演アシュレイジャッドさん。勇気ある方だ。 そのまま地で出演なので真に迫る演技だった。 思えば「ダブルジョバティー」にて冤罪で刑務所に入れられてその後復讐する妻役。ここできれいな人と見てからあまりで大きな役なかったかも。 これは許されてはいけない。 嫌な思いをして勇気を出して告白してまた被害を受ける。マイナスのマイナス。二重に被害をうけている。 そして彼女が出演すべきだった映画の可能性が断たれたことが悲しい。 キャリーマリガンはあの「プロミシングヤングウーマン」から転生復活。リベンジ編と捉えると感慨深い。 今回この映画レイトショーで見たが誰も他に人はおらずオレ1人の貸し切り上映だった。いつもならラグジュアリーな気分で大満足で帰るのだが、今回に限り、この話題にあまり関心のない日本が露呈している気がして少し暗い気持ちになった。

ペンは剣よりも強し

- 3年前
1/15 109シネマズ湘南  『ミラマックスの創設者逮捕』この記事を初めて読んだ時の衝撃を思い出しながら鑑賞しました。  彼女達が行動しなければ、この醜悪な事実がずっと続いていたと思うと激しい怒りが込み上げてきます。 帰宅後、直ぐに… 続きを読む

 1/15 109シネマズ湘南  『ミラマックスの創設者逮捕』この記事を初めて読んだ時の衝撃を思い出しながら鑑賞しました。  彼女達が行動しなければ、この醜悪な事実がずっと続いていたと思うと激しい怒りが込み上げてきます。 帰宅後、直ぐに当時の記事をネットで読み返すと、これによって事実上業界から追放された俳優や作家の名前を見て感慨深い気持ちになりました。 本作はエンディング、それもスタッフロール直前の着地演出がすごく秀逸だと思います。  

終始記者側の目線が良かった

- 3年前

ミーガン役のキャリー・マリガンさんは勿論のこと、ジョディ役のゾーイ・カザンさんの演技がすごく良かった。 カザンさんは知らない女優さんだったが、これから注目していきたい。 日本でもあるんだろうな、同じような隠蔽構造が。 声をあげたり少しずつは変わってきていると思うけど、性犯罪者は厳罰を受けてほしい

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