映画における人物描写とは
意外な所で効果を発揮する。この映画の場合母の再婚相手のジャイチが、どんな人物か、ジャイチの母親の態度と言動で、息子をどのような人間に仕立ててきたのか伺い知る事が出来る。大変得難い描写となっている。(例えばその描写がなくても映画は成立する。し… 続きを読む
意外な所で効果を発揮する。この映画の場合母の再婚相手のジャイチが、どんな人物か、ジャイチの母親の態度と言動で、息子をどのような人間に仕立ててきたのか伺い知る事が出来る。大変得難い描写となっている。(例えばその描写がなくても映画は成立する。しかしそれがある事で人物造形と物語の背景に想像以上の深みを与えている) この映画の中には、キルギスという日本から見れば地の果てと思えるほどの未開の地で、善い人と、悪い人と、どちらでもない普通の人々とが現れる。つまりは、どの国でも、どの時代でも、また、誰の人生でも変わらない人々が登場人物なのである。 しかし、やはりというか、だからこそというか、宗教家や政治家、警察官の腐敗は匂わせられており。こういう映画の役割を見ると、もし世の中の行政官や宗教家が、皆正しく行動していれば、もっと言うと、人間の行動が善だけでまわっているのであれば映画というものは、やがては役割を失う。 つまりは、そんな渡世は何処にも存在しない。その為に世の中は映画を必要としているのではないか? と、私自身改めて気付かされた映画である。