濁水漂流/Drifting
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
強制的に荷物を排除されたことから政府を訴えた香港のホームレスたち。刑務所帰りのヤク中のファイを始め、様々な背景を背負った彼らの人間模様を淡々と描いている。コミュニティとしての結びつき、ソーシャルワーカーの支援あっての「市民」としての生活には、厳しい暮らしもありながらも人として生きることが大事であることが伝わる。それがあって、ファイが賠償だけでなく謝罪を政府に求める根拠となるが、それにこだわることが難しいのは現実も反映しているようで胸が痛い。 ジャーナリズムを志していたジュン・リー監督の主題に対する真摯な姿勢、ファイを演じたジャンユー(フランシス・ン)の繊細な演技、彼を取り巻くベテランから新星までのキャスト陣の好演、音楽のウォン・ヒンヤンによる切ない主題歌まで、現在の香港の姿がリアルに伝わってくる。ホームレスの問題は全世界共通であるから、足元の社会問題を考えるきっかけにもなる。