色、音、光
最高。とにかく美しい映画だった。 ストーリーはバラバラ殺人に関するサスペンスで、筋や本自体は王道だが、この映画は本来血生臭くなりがちな雰囲気を、息をのむほど美しく綺麗な世界へと描き変えている。 まず照明と色彩が素晴らしい。街の赤いネオンや野… 続きを読む
最高。とにかく美しい映画だった。 ストーリーはバラバラ殺人に関するサスペンスで、筋や本自体は王道だが、この映画は本来血生臭くなりがちな雰囲気を、息をのむほど美しく綺麗な世界へと描き変えている。 まず照明と色彩が素晴らしい。街の赤いネオンや野外スケート場の黄色い光などのドキッとするような怪しく鮮やかに映える照明と、それとは正反対に静かに透き通るように画面を染め上げる白い雪が、本当に美しい世界を構築している。そしてその中で生きる圧倒的に完璧なまでに美しいグイ・ルンメイ、彼女がまとう赤はマフラーであり、口紅であり、そして血であるが、その美しさは画面だけでなく劇場すべてを支配する。僕個人的には、この映画のグイ・ルンメイが自分映画史上最高のヒロインかもしれない。 次に良かったのは音。この映画は生活音や環境音がその素晴らしい雰囲気を作り上げている。1999年、工場の音で始まる重々しい雰囲気は、ジャンの蹴るビンの音で緊張したテンポになり、銃声によって締め上げられる。このたまらない状態で2004年になる。そしてバイクの音は我々を映画の中心へと進み、クリーニング店の不気味な機会音がジャンとグイ・ルンメイの緊迫した関係を象徴するかのように鳴り響く。その他にもスケート靴が氷の上を走る音や、電車の音、観覧車の揺れる音など、挙げだしたらきりがないほど素晴らしい音がたくさんあった。そしてダンスシーン、そんな張り詰めて音環境を全て破壊するかのような曲に合わせて踊るジャンは、何かよくわからないがすばらしい感動(すいません説明できません)を与えてくれる。そのまま、映画はタイトルの表す”花火”の音によってエンディングを迎える。 色彩や照明・音が映画を100倍も1000倍も素晴らしいものにさせる、そんなことを心の底から実感したような映画だった。