熊切監督が広げたバンドの世界
THE BACK HORNと熊切和嘉監督が、がっちりタッグを組んだ映画『光の音色』。 一切セリフのないウラジオストックで撮った物語部分と、THE BACK HORNの演奏シーンで構成されていて。お互いに響きあったり、補いあったりしていて。… 続きを読む
THE BACK HORNと熊切和嘉監督が、がっちりタッグを組んだ映画『光の音色』。 一切セリフのないウラジオストックで撮った物語部分と、THE BACK HORNの演奏シーンで構成されていて。お互いに響きあったり、補いあったりしていて。いままで体験したことのない音楽映画でした。 ウラジオストックの荒涼とした風景。そして死に近いお話。だけど、そのギリギリの中に、確かに光はあって。それが映像とTHE BACK HORNの音楽で描き出される。常々、THE BACK HORNは自分にとって光だなあと思ってる私には、すごくグッとくるものがあった。 ドラマ・パートで主役の老人役を演じているセルゲイ・ペルミノフさん。本業はミュージシャンらしいのですが、顔面力、ハンパない。深くしわが刻まれた顔の説得力よ。あと老犬を演じたキッド。どうやったら犬にこんなお芝居できるの?と思う位の名演。人生を重ねた彼らにもってかれた。 シーンに合わせた選曲がすばらしかった。セリフのない映画だからこそ、彼らの歌が、演奏が、心情や情景を担っていた。そして、熊切監督が「“どれだけ近づけるか?”っていうこと。熱を撮りたいと、レンズが曇るぐらいに迫りました」という演奏シーンの熱さ、迫力。見応えありました。 単純に大好きなバンドを大きなスクリーンで見られるっていう喜びがありましたた。そしてスクリーンで見ると、ライブでは見えてない部分まで見られるという楽しみ。おなじみの曲も、ああ、こんな風に弾いてたのかという発見があった。ライブとも、ライブDVDとも、PVとも違ってた。 ついコトバを重ねてしまったけれど、実は映画『光の音色』は説明しずらくて。でも、その分、深さ、豊かさ、痛み、闇、光、愛…なんか、いろんなものを湛えていて。THE BACK HORN好きな人も、THE BACK HORN初めましての人も、スクリーンを見て、自分でなにかを感じて欲しい。 映画『光の音色』熊切監督とTHE BACK HORNの初日舞台挨拶の回を、川崎のチネチッタで見ました。和気藹々としていて、熊切監督とメンバーの間に確かな、そして深い信頼関係があるのが伝わってきた。だからこそ、お互いに響き合うような、『光の音色』みたいな映画が生まれたんだろうなあ。