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聖地には蜘蛛が巣を張る ポスター

聖地には蜘蛛が巣を張る

4.0 118分 2023/4/14 (金) 公開
サスペンスR15+デンマークドイツスウェーデンフランス
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あらすじ

2001年、イラン。女性ジャーナリストのラヒミは、聖地マシュハドを震撼させている売春婦連続殺人事件を追うために現地に赴く。犠牲者が増え続けるなか、なぜか警察は捜査に消極的だった。性差別がまかり通る社会で、ラヒミは不条理な圧力と身の危険を感じながら、真相の追求にのめり込んでいく。そして遂に犯人にたどり着くが、意外にもその男は敬虔で家庭的な男だった。「社会の浄化」と信じて犯行を重ねていたその男・サイードは、熱狂的な一部の市民から英雄視されていくー。

場面写真

予告動画

聖地には蜘蛛が巣を張るの予告編を再生

キャスト・スタッフ

監督
アリ・アッバシ
キャスト
メフディ・バジェスタニ/ザーラ・アミール・エブラヒミ ほか
配給
ギャガ
公式サイト
https://gaga.ne.jp/seichikumo/

クチコミ

☆4.3

- 3年前
買い手がいるから売り手がいるのに、買う男は許され“買男”などと呼ばれない。売る女は罵られ命すら奪われる。妊娠した側が蔑まれても、妊娠させた側は話題にすら上がらない。独身の女なだけで同じサービスを拒まれる。売っていない者すら値踏みされる。見下… 続きを読む

買い手がいるから売り手がいるのに、買う男は許され“買男”などと呼ばれない。売る女は罵られ命すら奪われる。妊娠した側が蔑まれても、妊娠させた側は話題にすら上がらない。独身の女なだけで同じサービスを拒まれる。売っていない者すら値踏みされる。見下される。片や加害者なのに庇われ崇められ、片や被害者なのに二次加害される。この非対称性を維持し利用し行使する側の人間など、イランにとどまらず珍しい存在ではない。 鑑賞後に思い出した文がある。 「極論を投じ、勝ち負けで計測していく。計測するのは自分。こればかりやっている。(中略)とにかくなにがしかの価値を測り続けている。自分の尺度で測れば、自分の価値は上がり、それ以外の価値は下がり続ける。差別や戦争は常にこういった身勝手な比較から生まれてきた。」 (『父ではありませんが 第三者として考える(武田砂鉄,集英社)』 サイードに、彼の支持者に、いやこの世の何者にも他の誰かの価値を測る権利がどうしてあると思えるのか。なぜ下すのが自分だと思えるのか。一体何様なのか。いやまじで何様だよてめえ。 そこにあるのは勝手に属性で括り勝手に値踏みし勝手に見下す「選別する側」の奢りだ。それを許しているのは誰か、誰が中心の誰を普通と想定した社会か。身勝手に奪われ理不尽に扱われた者ではなく、奪い加害を重ねる者とそれを許す社会にこそ罵声と中指を送り続けたい。 往来で禁止されている、ましてや女性からするキスは、自由への渇望と祈りのようだった。 また、キスを贈られた彼も序盤で性被害は女性の問題ではないかと悪気なく言ってしまう。そんな“普通の”男性をラヒミが即「ダメだこいつ」と切り捨てず連帯できたという変化に希望を感じた。 《余談》 結果がわかっている上、女性の苦しむ姿を映す殺害シーンは初犯こそしても何度も詳しく描写しなくて良かったかと。むしろその方がラストの子どもですら周囲に染まって娼婦を見下し、無邪気に妹を見本にその手口の詳細を語るという、環境が齎す蔑視のグロテスクさが際立ったのでは。 その上で、ミステリの倒叙法形式で描かれるサイードのエスカレートしていく様子や世間の空気をより詳しく描いて欲しかった。サイードを擁護する群衆のシュプレヒコールではなく、構成する一人ひとりの発言、プラカードの内容、サイードを擁護しているわけではないが娼婦へ偏見を持っている“普通の人”の声、被害者の死を実直に嘆く声(最初の被害者の娘とか)、当時(2000〜2001年)の実際の映像や記事を入れるなどした方が、“女性差別が強いイランのミソジニストがたまたま起こした凶悪事件”ではなく、世界中に蔓延る女性蔑視によるありふれた現実との地続きの事件であることを描けたのでは。 (「脳内クラウド共有してんのか?」というくらい本当に万国共通で同じことを言うので) 《パンフレット》 キャストインタビュー、寄稿文、実際の連続殺人事件のきっかけと解説、イランの宗教都市マシュハド、イスラム教が法より強い社会、イスラム革命、司法(キサース法と賠償金)、イランにおける売春、社会に蔓延するミソジニー、イラン国内で規制される映画界やジャーナリズムの事情、女性が喫煙する意味、ラストのキスの意味など情報盛りだくさんの48頁。購入推奨。 (字幕翻訳:石田泰子)

宗教的だし重いが一見の価値はある

- 3年前

 どこまでが実話でどこが脚色なのかがわからないとはいえ、実在事件がベースだと思いながら観るのはつらい。暗く重く救いがなくいやになる。色々考えさせられる。  20年ほど前イランの文化や宗教観に口が出せるほどの造詣もないので安易な感想も控えたいが、そんなこんなを考える為の映画だはないだろうか。見応え十分であることは間違いない。

連続殺人事件では収まらない中東の姿

- 2年前
街を洗浄すると言って娼婦を殺す。殺人であって存在を消すことが洗浄ではない。 このヒーロー気取りの男には家族がいる。家族をクローズアップすると良い父らしい。でも人を殺めた罪は重く相応の償いへ女性ジャーナリストは奔走する。 カラダを売る奴もいれ… 続きを読む

街を洗浄すると言って娼婦を殺す。殺人であって存在を消すことが洗浄ではない。 このヒーロー気取りの男には家族がいる。家族をクローズアップすると良い父らしい。でも人を殺めた罪は重く相応の償いへ女性ジャーナリストは奔走する。 カラダを売る奴もいれば買う奴もいる。そこの社会の腐れは触れていない。イランはまだまだ男尊女卑といえよう。 最後はイランという国の闇を見ることになるがそれをもまさるショッキングなのが最後の最後に流れる一人息子の動画だ。中東で戦う戦闘員の芽吹きが匂う。 2024.5.28

Holy Spider

- 3年前
20年前にイランで実際に起こった連続殺人事件から想を得て作られた映画だが、貧困を背負う娼婦たちを蔑み、浄化と称して殺していく男の思想は宗教観や時代に関係なく、世界中どこにでも起こりうるようでおぞましく感じた。彼を追うラヒミは女性として方々で… 続きを読む

20年前にイランで実際に起こった連続殺人事件から想を得て作られた映画だが、貧困を背負う娼婦たちを蔑み、浄化と称して殺していく男の思想は宗教観や時代に関係なく、世界中どこにでも起こりうるようでおぞましく感じた。彼を追うラヒミは女性として方々で蔑まれるが、それでもタフな探偵のように事件に迫る。逮捕後の市井の人々の狂乱や、最後まで神に救われることを信じてやまなかった男の描き方等も恐ろしさを覚えた。強いメッセージ性は特にないと言われても、殺人には使命も大義もあったものじゃないし、たとえどんな身分でも死んでいい命などない、ということは伝えているように感じた。

実話を

- 3年前

実話を元にしたストーリーだとしたら かなりエグい 暗くて重い映画を好きな方は是非。

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