時代が悪かった
「インスペクション」は「立入検査」のことで広義ではある基準に合うか否か試すこと。劇中では銃の検査でこの言葉が使われていたが、ある基準がストレートかどうかで人間の資質を問われているような気にもなるという仕掛け。 時代が悪かった。 これに尽き… 続きを読む
「インスペクション」は「立入検査」のことで広義ではある基準に合うか否か試すこと。劇中では銃の検査でこの言葉が使われていたが、ある基準がストレートかどうかで人間の資質を問われているような気にもなるという仕掛け。 時代が悪かった。 これに尽きるのではないだろうか。「ある基準」が自分の納得できないものは認めない風潮であった。 いろんな考え方がある。 現在ではそれが認められる世の中になってきている。そのために差別されてきた人たちにとって物凄い苦労があっただろうと思う。この監督のような方たちが勇気を持って発言、発信することによって時代が変わってきたのだ。本当にそれは想像の及ばない、簡単には言葉にしてはいけない苦労だっただろうということは忘れてはならない。 かくいうワタクシも周囲にはそんな実例もないのでおそらく映画を見ていなければ未だにピンとこなかったのではないかという懸念がある。やっぱりそうだろうなあ。そういう意味でも映画でやることには大変意義があると思います(周囲にはないとは言い切れない。見えていないだけ、表に出せないだけなのかもしれない。日本は特に)。 思えば「ストレート」という言葉がどうなのか。大多数なものがまっすぐなのかと。そこから外れたものはまっすぐとは言えないのか。たぶんこの言葉も差別を受けられている方には苦しみを与えているのだろう。 こんな意義のある映画なのだが、その他にも単純に戦争もののカタルシスも満載。「フルメタルジャケット」の味わいや「ハートブレイクリッジ勝利の戦場」ばりの高揚感をも味わわしてもらいました。 そしてまたこれは監督の実録路線映画であるため生々しいしさが真に迫り現実的にリアルに脈打つような経験を我々もまた疑似体験するのである。