「なぜ女性は完璧でないと声を聴いてもらえないのか」
2014年の総選挙で「ヒンドゥー・ナショナリズム」を掲げるインド人民党が与党に返り咲いたことでモディ政権が誕生。その政権が導入を図る改正市民権法と国民登録簿に対し、無抵抗で抗議の声を上げたイスラム教徒の女性たちを記録した作品。 日常を営み… 続きを読む
2014年の総選挙で「ヒンドゥー・ナショナリズム」を掲げるインド人民党が与党に返り咲いたことでモディ政権が誕生。その政権が導入を図る改正市民権法と国民登録簿に対し、無抵抗で抗議の声を上げたイスラム教徒の女性たちを記録した作品。 日常を営みながら、100日以上、抗議の声を上げ続けたのは、ごくごく一般的な女性たち。 そもそもモディ首相は、ヒンドゥー至上主義の極右・ファシスト団体民族義勇団の元活動家で、この団体は、かつて「国父」ガンジーを暗殺したナトラム・ゴドセを輩出した過去がある。そして、改正市民権法に反対する学生たちがいる大学に警察が乱入した際、こうした団体が一緒になって無抵抗の学生たちに暴行を加えている姿は、イスラム教徒に限らず、インド国内に衝撃を与える。 その中で、イスラム教徒の女性たちが無抵抗で声を上げ続けると、同様に「生きづらさ」を感じている他のインドの人たちが、世代や文化、宗教を超えて共感していく。その一言一言は、日本に住む私たちにもとても響く。 単なる記録映画ではなく、監督が自分の生い立ちも重ねて問い続ける部分が作品に厚みを与えている。インドに多少、興味がある人は、インドの現状を知ることができるし、日本に住む私たちにとっても決して「人ごと」ではないだけに、いま見るべき大切な映画だと感じた。