憎しみを捨てて
妻を殺され、何もわからずママを呼び続ける幼い子供の世話。過失による交通事故でさえ加害者を恨み続ける人のほうが多い中、テロリストを憎まない、憎しみを広げないと宣言する主人公は立派。自分の不幸が明らかに誰かのせいなのに、それでも、人のせいにしないと決意する。難しいことではあるが見習いたいものだ。
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幸せな人生を選ぶ決意の手紙を20万人以上がシェア。フランスから発信された感動の世界的ベストセラーが映画化!2015年11月13日金曜日の朝。ジャーナリストのアントワーヌ・レリスは息子のメルヴィルと一緒に、仕事に急ぐ妻のエレーヌを送り出した。息子のために健康的な朝食を手作りして体調管理に気を配り、おしゃれでユーモアのセンスもある。最高の母であり、最愛の妻が、突然、天国へ行ってしまった。そんな時でも息子はお腹を空かせ、砂で遊び、絵本の読み聞かせをねだる。誰とも悲しみを共有できない苦しみと、これから続くワンオペ育児への不安をはねのけるように、アントワーヌは手紙を書き始めた。妻の命を奪ったテロリストへの手紙は、息子と二人でも「今まで通りの生活を続ける」との決意表明であり、亡き妻への誓いのメッセージ。一晩で20万人以上がシェアし、新聞の一面を飾ったアントワーヌの「憎しみを贈らない」詩的な宣言は、動揺するパリの人々をクールダウンさせ、テロに屈しない団結力を芽生えさせていく。
©︎ 2022 Komplizen Film Haut et Court Frakas Productions TOBIS / Erfttal Film und Fernsehproduktion nikumanai.com
妻を殺され、何もわからずママを呼び続ける幼い子供の世話。過失による交通事故でさえ加害者を恨み続ける人のほうが多い中、テロリストを憎まない、憎しみを広げないと宣言する主人公は立派。自分の不幸が明らかに誰かのせいなのに、それでも、人のせいにしないと決意する。難しいことではあるが見習いたいものだ。
2015年パリで起きたバタクラン劇場テロ事件が題材。残された被害者遺族の実話が興味をひく。テロで妻を亡くしなかなか現実受け止められない夫と現実を知らない幼い子供。子供のママを求める無邪気さが涙を誘う。 夫は引きずり過ぎて子供の世話をないがしろにするシーンがある。非難したいが現実は喪失感でそうなってしまうのであろう。 今起きている国同士の紛争は大抵、報復だ。邦題はそんな馬鹿げた争いを自ら断ち切る思いが込められていると思う。感情からすれば勇気のある宣言ぞ。 2024.8.25
大切な人が不運で亡くなった時。 1番辛いのは誰? 1番悲しいのは誰? 1番悔しいのは誰? 1番可哀想なのは誰? 子供?夫?妻?父?母?兄弟?親友? 答えは、亡くなった方です。 1番辛くて1番悲しくて1番悔しくて1番可哀想なのは間違いなく亡くなった方です。もう何も感じることができません。悲しみすら感じられません。後悔しても何も取り戻すことはできません。後悔すらできないのです。 この事実を周囲の人間が忘れてしまうと行動が歪んでいきます。劇中もだんだんと歪んでいく様がリアルでした。 天国なんでない方がいいのではないかと思ってしまう。現実を受け止めなければならないかもしれないが、もし天国が存在するのならば亡くなった先で味わうことになるだろう自分が死んだ事実を。どんな思いだろうか。絶望。ああすればよかった、こうすれば良かったと取り戻せない後悔。それをずっと味わうことになる。それはもう天国ではなく地獄です。 その地獄から、自分を殺した人間を憎まないと言えるだろうか。自分を殺した人間を憎まないことにしたと言う家族をどう思うだろうか。子供のためという理屈は理解できるがその心情はどうだろうか。 複雑な想いがよぎり簡単には答えを出せない。 人間にとってとてもたいせつな映画だと思いました。
でも映画にはメッセージがあるから最期まで観ました。演技だろうけど、事実。すごい映画。
なかなかにきっついテーマでありました。 喪失の過程は様々だけれど、それを本当に受け入れるためには、歩まなくてはいけないプロセスが結構ある。 アントワーヌは、まず(タイトルの)宣言をしてしまったことで、喪失のプロセスとゴールが逆転してしまった。 意図せずテロの被害者遺族の英雄とされてしまい、泣けない、恨めない、本心を吐露出来なくなってしまう。 残された現状を理解出来ない長男の「ママ」「ママがいい」と父を拒絶するシーンに胸がいっぱいになる。 殺された妻と行くはずだったコルシカ島旅行を長男と2人でやっと行くことが出来、息子の成長を感じた時、ほんのちょっとだけ時が進み始める。 心から笑い、ようやく喪失をほんの少し受け入れることが出来たラストの涙のシーンに未来と希望を感じたい。 止まっていたプロセスが進み出す。