希望、兆し
杉並の運動が全国に広がってほしい!投票率大事。
国内最大級映画チケット予約サービス アプリで開く
2022年の東京都杉並区長選挙を追ったドキュメンタリー映画。東京都杉並区。57万人が暮らす緑豊かな街で行政主導の再開発、道路拡張、施設再編計画が進んでいた。そんな状況のなか迎えた 2022年杉並区長選挙。住民たちは、ひとりの候補者を擁立する。ヨーロッパに暮らし、NGO職員として世界の自治体における「公共の再生」を調査してきた岸本聡子だ。しかし相手は3期12年続く現職区長。しかも岸本が日本に帰国したのは投票日2ヶ月前、さてどうする?
©2024 映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会
杉並の運動が全国に広がってほしい!投票率大事。
「杉並ができたことはどこでもできるんです。特別なことやったわけじゃありませんから。だから、ぜひ皆さんで観てね、何かの知恵になったら良いなと思います。(小関啓子さん)」 僅か187票差で結実した稀有な草の根運動の当事者の一人は初日舞台挨拶でこう語った。 前回区長選から投票率+5.5%、現職有利な選挙制度の下で地縁のない無名候補者の勝利という変革をもたらしたのは、一部の既得権益や経済界ばかり顧みる権力者と対局の存在だ。 しかし実に面倒くさい。何せ纏まらないのだ。個々の思いや暮らしという金で済まない問題だから尚更だ。そんなやり取りを見ていると、問題意識が高くまじめに市民運動に取り組む多くの人々や団体がいる一方で、政治的には保守が勝ち続ける杉並という町が垣間見えてくる。 密着しなければ撮れない候補者や支持者の愚痴、戸惑い、焦り、葛藤、自らの期待を実現してほしいと望む声、その要望に苛立つ姿、遅々として進まない会議…思いの強い住民たちの悪戦苦闘と工夫の数々はもちろん、区長選の後日譚まで含めて超貴重映像が満載だ。 でも特別なことはしていない。何千万円もかけなくても、パーティーを開かなくても、組織から動員しなくても、我々一人ひとりに変革を起こす力がある、本作はそれを教えてくれる。 ここから批判である。称賛は様々な方が既に述べているので、敢えてこちらを長く書く。 監督は岸本陣営のボランティアの一員としてカメラを回し始めたし、本作はジャーナリズム作品ではない。もともと『〇月〇日、区長になる女』は、岸本聡子の区長選支援動画のタイトルだ。 しかし、その点を考慮に入れても本作は公に出すひとつの映画作品としてあまりにも映像や音楽がチープ、かつ「内輪の人」のことしか考慮していない構成と言わざるをえない。 まず、パンフレットに記載されているものの本編で言及されていない、または一切触れられていない、区長選当時の杉並区政に関する情報の不足を指摘したい。 本作のきっかけとなった132号線の道路拡幅の他にも、当時の杉並区では近隣区と比較して高い公共施設利用料金及びその値上げ、児童館12館の廃止・民間委託など、「住民思いの杉並区長をつくる会」が自作チラシで指摘していた数々の問題点があった。 しかしそれらが作中で示されていない。それ故に、万歳三唱の代わりに唱和したフレーズの中にメインテーマの道路拡幅が入っていないばかりか、児童館廃止計画の見直しという政策が突如現れたように見え、終始岸本陣営の政策及び争点が何だったのか不明瞭なままの印象を与えてしまう。 次に、田中前区長の交代を求める動機の弱さである。 議会中に居眠りしている、スマホをいじっているといった田中の姿勢は当然論外であり、監督個人が区長交代を検討するきっかけとしては十分だ。 ここに必要なのは田中を代えなければならないと観客に思わせる「事実」である。 例えば緊急事態宣言下の2021年7月に群馬県のゴルフ場に公用車で入札契約指定の相手方となる事業者(田中前区長の後援者で区から仕事を受注していた造園会社社長)と出張していた報道。 例えば2016年に優先整備路線に選定された都市計画道路132号線に対して2019年5月に住民が「まず道路の拡幅ありきではなく、再考を」と署名と陳情書を区議会に提出したにも拘わらず計画が進められた事実。 例えば132号線に対する有識者の意見。 『環境政策などに詳しい明治学院大の熊本一規名誉教授は「適正な手続きがなく、憲法違反だ」と話す。この計画は、大正時代の旧都市計画法に従って作られた。しかし、現在の法律では、計画を決めるときに住民の意見書などが必要なのに、手続きが行われていないからだ。(2020年4月22日東京新聞)』 せめてネットで調べれば出るこの記事を専門家からの裏付けとして出せなかったのだろうか。 後援者への利益供与、民の意見を蔑ろにした手続きといった民主主義の根幹に関わる問題に言及しなければ、「内輪」でない者からは、それこそ「一部の住民」の問題に矮小化されてしまう恐れがあるのではないだろうか。 また、上記の問題があった田中の得票数(7万6556.724票)は、前回2018年の得票数(7万3233票)とほとんど変わらぬ微増であった。 このことから、当時現職の固定支持層の人数、岸本陣営が「+5.5%分の新たな票を掘り起こし、浮動票をまとめる」という選挙のセオリーを地道に行った結果、当初の期待以上の成果に繋がったことが分かる筈だ。選挙映画として入れてほしい情報である。 最後に「選挙もの」としての素材の不足を指摘したい。 監督が4月28日に岸本と一緒に観たという(パンフレット参照)、映画『香川一区』と比較すると、候補者三名の人柄、選対や支持者の空気などの情報があまりにも少ない。映像がなかったのか、街頭の集会がところどころ写真になる点も現場の空気を感じづらくさせている。 チラシや選対事務所の内装の出来、応援弁士が誰か、街頭演説や決起集会の様子。 これらには候補者と陣営が選挙慣れしているかどうか、候補者の口調や態度、支持者の服装・性別・年齢・男女比・個々の熱量など多くの情報が詰まっている。 例えば決起集会に集まった人が会社の名前の入ったツナギやスーツを着た人や、社名や団体名が印刷されたのぼりを持った人ばかりだったり、集会が終わった途端に雑談もせず即解散したりした場合、「組織票」がどのような繋がりの、誰によって構成されているのか推察することができる。決起集会が撮れなくてもネット上の討論会(田中がなかなかに上から目線で喋る姿勢が確認できる)でも、拮抗しているかが読める終盤の街宣でも良い。 他にも+5.5%の大躍進を遂げたとはいえ存在する6割以上の無投票者の声、批判的な住民の声など、取り上げてほしい情報はまだまだある。 繰り返すが本作は報道作品ではないし、監督はジャーナリストではなく、もともと岸本陣営のボランティアの一員である。とはいえ、2か月に及ぶ準備から選挙戦を取り上げ、「選挙は続くよどこまでも」と声を揃えるドキュメンタリー映画で、選挙全体の空気が感じ取れないのは制作側の力不足と言う他ない。奇しくも選挙戦を扱った本作で監督の選挙に対する前提知識の無さが表れてしまったように思う。
杉並区長選挙を描いた作品 監督が杉並区民で ふとした事から杉並区政に疑問を持ち始める そこから何故かビラを配り始め 映像も撮り始め応援動画を作っていた! まさか映画になるとは思っていなかったでしょう 選挙の結果も知らずに鑑賞していたので どんどんと作品に引き込まれて行く! 選挙当日はドキドキして結果が出た時には!? 涙が溢れて来ました!!! エピローグにも驚かされました! 選挙を描いているけど 希望の映画でした!!! 一票の大切さを実感しました 多くの人に観てもらいたい作品です!!
この波が広がってほしい