☆2.9
「騒動」を解説するChapter1.Historyでは「洗脳・監禁」「逃避行」「書類送検」「不起訴」「しかし」など大きな文字が何度も映し出される。集団に対する下世話さや当時の週刊誌の俗っぽさを表現するにしても安直で画面を埋めるために使ってい… 続きを読む
「騒動」を解説するChapter1.Historyでは「洗脳・監禁」「逃避行」「書類送検」「不起訴」「しかし」など大きな文字が何度も映し出される。集団に対する下世話さや当時の週刊誌の俗っぽさを表現するにしても安直で画面を埋めるために使っているのかと思った。 メンバーが歌っているわけでもない大音量の讃美歌や、暗い部屋で強い照明を当てることによる陰影を強調した鳥越俊太郎へのインタビュー手法も同様のことを感じた。 Chapter2.以降の内容もあまりにも薄い。 メンバーに行われる対面でのインタビューは一人につき一回程度、かつ淡々とした口調で「それは本当のあなたですか」など抽象的な質問。 というか、絶対女性がインタビューした方が良かったと思う。 10人もの若い女性が家出状態で集まったという成り立ちと家族などとの接触を断つ「異常さ」から、1980年当時から現在まで特に男性たちの好機の目や不快な接触に彼女たちが晒されてきたであろうことは想像に難くない。 (水商売にもかかわらず自分たちは酒を飲まない、隣に座らない、客に接触されないように設計されたカウンター、いまだに「共同生活は独身女性のみ」「一人だけで外出してはいけない」「緊急時に集まる所は決まっているが、口外しない」というルールが残っている時点でかなり男性が入り込む余地を排除している) 現在も女性のみで集団生活しているそんな彼女たちに若い男性の監督がインタビューしたら無意識でも確実に警戒されるし、その結果、彼女たちからすれば本音を出すどころか、揚げ足取りや邪推を避けた肯定的・保身的な言葉、用意された言葉、それっぽい言葉しか言えなかったのでは。 「家族や身近な女性が方舟に入りたいと言ったら背中を押せない」という監督の意見には同意するが、イエスの方舟は社会や家庭での枠組み、その根底にある男尊女卑に生きづらさを感じていた女性たちが自分らしく生き残るために作られた、互助会やデンデラ、シスターフッドのあり方の一つだったようにも感じられた。