アイデア商品を開発・販売する会社を立ち上げたLarry(Ben Stiller)は、次々とヒット商品を打ち出して忙しい日々を送っていた。かつて夜警として勤めていた自然史博物館へふらりと足を運んだLarryは、思い入れのある展示物たちの一部がスミソニアン博物館の地下倉庫で保管されることが決まったという報せを受ける。
◆ That brazen little monkey stole the tablet.
古代エジプトのファラオAhkmenrah(Raimi Malek)の石版が持つ魔力によって命を宿された展示物たちが、夜な夜な館内を動き回るアメリカ自然史博物館の裏側を描いたファンタジーコメディ作品の続編。
今作はワシントンDCにある合衆国最大の国立博物館であるスミソニアン博物館が物語の舞台。悪戯好きのオマキザルの剥製Dexterがマンハッタンから移送される際、魔法の石版をこっそりと持ち出してしまったことで大騒動が勃発します。
今作もBen Stillerによるコミカルな演技が見物。ミニチュア模型のカウボーイJedediah(Owen Willson)と、同じくミニチュア模型のローマ皇帝Octavius(Steve Coogan)の凸凹コンビも健在でした。
前作の主要キャラクターの一人であるRobin Williams演じる元合衆国大統領の蝋人形があまり登場しなかった部分には少し寂しさを感じましたが、同氏の胸像がスミソニアン博物館に展示されていた点は遊び心があって良かったと思います。
◆ You're not evil, you're asthmatic.
今作から登場するニューカマーも大変に個性的な面々。石版の所有者であるAhkmenrahの兄Kahmunrah(Hank Azaria)は、石版の真の力(強力な死者の軍団を召喚すること)で世界征服を目論みます。
そんな彼の取り巻きは、「雷帝」の異名をもつロシア帝国の専制君主Ivan the Terrible(Christopher Guest)。「コルシカの怪物」とヨーロッパで広く恐れられた帝政フランスの皇帝Napoleon(Alain Chabat)。「暗黒街の顔役」として禁酒法時代のシカゴを牛耳ったギャングのAl Capone(Jon Bernthal)。錚々たる面々が名を連ねています。
歴史上の大悪党が顔を揃える中、フィクションの世界から『セサミストリート』に登場する捻くれ者のOscarと、『スター・ウォーズ』サーガに登場するシスの暗黒卿Darth Vaderが並んで部下に志願してくるシーンがコミカルで面白い。素気無く却下されてしまうだけでなく、コーホーと鳴る独特な呼吸音を「喘息だ!」と一蹴された上に、フォースチョークのポーズまでいじられてしまうベイダー卿が非常にシュールでチャーミングでした。
◆ Sorry, I don't mean to stare.
You just look very familiar.
今作は前作にはなかったロマンス要素が入っています。ヒロインの座を射止めたのは、東京ディズニーシーの人気アトラクション『ソアリン:ファンタスティック・フライト』の元ネタにもなっているAmelia Earhart(Amy Adams)。初めて大西洋の単独飛行横断に成功した女性です。
社会の常識に囚われず、自分の夢に真っ直ぐ突き進む彼女は、起業して仕事に忙殺されていたLarryにポジティブな影響を与える存在でした。色恋沙汰への展開は唐突で強引に感じましたが、最後の演出(展示物のAmeliaに瓜二つの女性が博物館に現れる)は小洒落ています。
石板を巡るシンプルな対立構図を軸に、展示物の個性を活かして物語にアクセントをつけるという前作を踏襲した骨子でしたが、前作を遥かに上回る出品数と新しいアイデア(絵画の中に入り込む、航空機を乗り回す など)は見応え十分でした。
〝For the fun of it.
Why else would anyone do anything?〟
〝I was going to say diet and exercise,
but the love thing’s good too.〟