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戦雲 ポスター

戦雲

4.8 132分 2024/3/16 (土) 公開
ドキュメンタリー日本
チケット予約

あらすじ

2015年から8年かけ沖縄本島、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島などをめぐり取材を続けてきた三上智恵監督による渾身の最新レポート。映画が映し出すのは、迫り来る戦争の脅威だけではない。過酷な歴史と豊かな自然に育まれた人々の暮らしや祭りーそれらこそ、まやかしの「抑止力」の名のもとで今まさに蹂躙されようとしているかけがえのない何かであり、私たちの希望と祈りの源にほかならない。マスメディアがほとんど報じない沖縄・南西諸島の急速な軍事要塞化の現状とともに、かけがえのない島々の暮らしや祭りを鮮やかに映し出す。

場面写真

予告動画

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キャスト・スタッフ

監督
三上智恵
キャスト
【声の出演】山里節子
配給
東風
公式サイト
https://ikusafumu.jp

クチコミ

期待せずに見たらなかなかだった

- 2年前

沖縄問題を知らない人もむしろ楽しめるかも。

☆4.3

- 1年前
TBSラジオ『武田砂鉄のプレ金ナイト』2024年3月16日放送より 砂鉄:明日から公開させる映画『戦雲』の監督の三上智恵さんです。よろしくお願いします。 昨日今日新聞を見ていると、オスプレイの事故による飛行禁止が解除され、その理由を防衛大… 続きを読む

TBSラジオ『武田砂鉄のプレ金ナイト』2024年3月16日放送より 砂鉄:明日から公開させる映画『戦雲』の監督の三上智恵さんです。よろしくお願いします。 昨日今日新聞を見ていると、オスプレイの事故による飛行禁止が解除され、その理由を防衛大臣に聞いても特に理由が語られないというニュースが伝わっています。いつものことのようにも見えてしまいますが、あの動きや、このコミュニケーションの取れなさをどう見ていますか。 三上:屋久島でも、軍民共用の空港や港湾が「特定重要拠点」という名前で日本中の空港と港湾が軍事優先という条件を付けながら政府のお金でどんどんリニューアルしています。国土強靭化という戦前のような言葉が出てきて、アメリカ軍も自衛隊も「いざという時は先に使いますよ」ということで日本中が改変されようとしています。 屋久島はアメリカ軍のオスプレイがSOS状態になった時に民間機がいて、瞬時の判断でもしそこに入っていたらもっとひどいことになっていたかもしれない。けれどそんな危険な日本とアメリカの軍事的な動きが、私たちの日常の荷物を運んでくる港や空港でごっちゃになってくるということが、沖縄だけでなく全国で起きています。「全国の沖縄化」が進んでいく中でオスプレイだけが危ないわけではないと言いたいです。 砂鉄:三上さんは定期的にドキュメンタリー映画を撮られていて『戦雲』は5年ぶりの作品になります。これまでは沖縄本島が中心で、今回は与那国、石垣、宮古島という南西諸島で戦力配備と要塞化が進んでいる内容です。作品を見ると「あれ、こんなに進んじゃってたの?」と驚きながらも、驚いている自分に矢印が向かってきました。 南西諸島はこれまでも撮りたかった、しかし行けなかった場所なのですか? 三上:いえいえ、先ほども言った通り私は宮古島から入っているんです。 先島諸島は沖縄本島から青森~東京くらい離れていて、東京の人が青森のことに関心がないように沖縄本島は先島に冷たいと思うんです。私は先島の目線でつい見てしまうから、那覇の放送局に19年間いても離島ネタに対する扱いが軽んじているように思えてなりませんでした。 もちろん沖縄本島にはアメリカ軍基地という大きい問題がありますが、大多数が「基地問題と言えば米軍」に割かれてしまう中で、自衛隊に反対するとか自衛隊の基地がもっと南の島にできていくことがビビットなニュースにできない那覇の体たらくがありました。私は放送局を辞めてフリーになってちょうど10年になります。放送局の中にいると自衛隊の問題をやりにくいので、だから辞めた私がやろうと思って2015年からは宮古・石垣に通って自衛隊の問題をやってきたんです。沖縄にいるとアメリカ軍と一体になって対中国戦略の防波堤に日本を使うという大枠が如実にわかる。でも「アメリカ軍に皆で反対はできるけど自衛隊にはできないよね」なんて言っていたら戦えないんです。そんな焦りから2015年からこういうことを報道して、2017年の映画は自衛隊問題を扱いました。でも、皆さんが後追いしてくれないというか、全然メディアが来ないんですよね。 砂鉄:2022年に安保三文書が明らかになって、まさに「要塞化」が見えてくるとお書きになっていました。この安保三文書にある「要塞化」とは具体的にはどういうことが示されているのでしょうか。 三上:防衛費がものすごく上がってしまうこと、敵基地攻撃能力を許してしまったこと、つまり他の国を攻撃することがあからさまになってしまった。この2つのことは随分伝えられました。でも安保三文書に書かれていることをちゃんと読み込んでいくと、現状変更をしようとしている国、つまり中国に対して日本が主体的に対応していくことが書かれているんです。日米が同盟を結んでいても、アメリカ軍やNATOが駆け付けなくても、「国土で戦わなくてはならないと覚悟した」と国際的にアナウンスしたも同然と私は読みました。 南西諸島を旅団に格上げするとかシェルターを作っていくとかありますが、あの中で一番ショックを受けなければならないのは、日本は「戦争できる国」から「戦争する国」になるぐらいの変化が岸田政権になってから起きてしまったということだと思います。 砂鉄:まさに映画の中でも周辺住民に説明がなく、なし崩し的に進んでいく姿が映し出されています。 改めて今回のタイトル『戦雲』の意味を教えていただけますか。 三上:戦の到来を告げる不吉な雲、戦国時代からあったこの世の終わりのような雲を見たときに感じる不吉な感じを表す言葉で、海外にもあるそうです。 この映画の冒頭で山里節子さんが歌うのは「とぅばらーま」という古くからある大事にしている歌の形です。即興でなんでも読み込むことができて、「愛してる」や「海が輝いている」とか、恨みや悲しみ、絶望なども歌い込める深い曲なんです。2016年、於茂登岳という神様が宿る大事な山の麓に自衛隊基地が作られる前、節子さんが案内してくれた時に急に歌い出したんです。歌詞の内容は 「戦雲が湧いてくる。恐ろしくて眠ることもできない。また戦雲に巻き込まれてしまうのか」 8歳のときに沖縄線を経験した節子さんならではの言葉でした。雷に打たれたように聞いていました。 砂鉄:節子さんは石垣の駐屯地で「抗議している人たちにどいてくれと言うけど、私たちはいつでも空いているのよ。塞いでいるのはあんたたちじゃない」と。 三上:そう、「平和の道を塞いだのはあんたたちじゃない」と。 砂鉄:あの言葉・シーンが印象的で、言葉を持っている方だと感じました。 三上:与那国島が今回の映画の半分くらいを占めています。与那国島は自衛隊と7,8年、賛成反対色々あったけど現状は一緒に生きているんですよね。なので今更自衛隊がどうのこうの言いづらい。 でも節子さんが自衛隊の基地が初めてできた日にゲートの前で語りかけるシーンは、初めて「異物」として来た日なんです。「あんたたちが平和を塞いでるじゃない」という言葉は私も少しきつく感じました。 でもその前に節子さんが「自衛隊基地ができるということがどれだけ自衛隊員の命すらも危うくするか」「奄美から与那国までミサイル基地を持ってくるのは誰から誰を守るためなのか」「アメリカの作戦の一部としてなぜ日本の兵隊さんが死ぬ作戦を立てられているのか」「なぜこんな小さな島が使われるのか」そういう矛盾を、ずっと説明会を求めたり調べたり勉強したりしながら反対してきた日々があるからあの言葉が出てくるんです。 砂鉄:与那国島の1700人の島民の中で200人くらい自衛官がいます。当初は自衛隊が入ってくることによる経済効果があると謳われていましたが、作中登場する畜産農家の方が「どこに?」とユーモラスに言っていました。 三上:「疲弊してるよ」ってね。与那国は保守の方も多くて、あの方は保守の町議会議員もやっていた方なんですけど自衛隊だけは反対だったんですね。「保守なのに自衛隊に反対するのか」って彼も10年間つらい思いをしていたんです。でも、経済のために、人口のためにって考える人たちのことも分かっている人なんですよ。だから私みたいなリポーターが行って「ミサイル基地ができちゃいますけど」「PAC3来ましたけど」というインタビューされるのが嫌なんですね。それで彼は彼なりにギャグでいつも返すんです。 映画の最後の方では「与那国島の人たちの命は日本で一番軽んじられている、ということを政府の人たちに突きつけたいんじゃない。僕は与那国の人に知ってほしいんだよ」と言うんです。 それが耐えられない、編集しながらも耐えられないシーンでした。 砂鉄:与那国に「島外避難実施要項」というのがあって、もし何かあった時は1700人の島民がその日のうちに出ていくプランができているというんです。そのプランの蓋を開けてみたら「九州各県によろしく」みたいになっている。どういうことだと。 三上:子牛が彼から直接ミルクを貰っているシーンを2回入れています。育児放棄してしまう牛が一定数いるから人間が一日にミルクを何回もあげないといけないんです。避難するって政府がどのタイミングで「武力攻撃事態の予測事態」だと言ったと同時に1700人が船と飛行機に分かれて集合場所まで一人リュックひとつまでで…なんですかそれというシミュレーションが進んでしまっている。 一方で九州各県の知事は去年の秋まで何も聞いていない。政府から打診もなかった。なのに九州各県のどこかにまとまって住んでもらうという本当にいい加減な計画が発表されたのは去年の春。 砂鉄:九州のどこに行くんですか?決まってないってすごいですね。 三上:各県に打診していて、一回福岡に集合して、空港のそばに移民センターを作るとかいうことが書かれているのに博多の人たちも福岡の県知事も何も知らないということが去年の7月くらいに分かるんですよね。 私、自分の住んでいる島を、ある日突然出ていかなければいけないというシミュレーションがどれだけ悲しくてショックで悔しくてやりきれないか、硫黄島みたいに二度と帰れない島になるかもしれないと悲しんでいる地域があることがニュースにならなくて何が一体ニュースかと思うんです。報道が目詰まりを起こして久しいと思いますが、特に自衛隊や国防をめぐる問題の実情が全然伝わらない。書ける記者が本当に少なくなってしまったと思います。 砂鉄:自衛隊や配備の問題を語るときに抑止力という言葉や台湾有事という言葉がある種便利に、議論を封じるために使われているここ数年の状況は思うところもあったと思います。 三上:私は2023年を象徴する音だと思うんですが、映画の冒頭にJアラートが鳴るんです。実際に与那国で流れている音を知り合いに取ってもらって流していて、あれが流れたら軍事費が集まってくる音がするような、本当に色んなものが迫ってきてしまったような、生活は苦しいけど軍事費を上げて安心しないといけないような…。効果は絶大ですよね。 でも台湾有事って本当にあるのか、報道しているのは日本とアメリカのメディアだけと言う人もいます。実際に沖縄の戦争を止めたいと市民団体レベルで活発に動いている人たちが台湾や中国に行っているんですね。「日本と事を構える?何の話ですか?」という人が多い。今すぐ中国が台湾を攻めてくると肌で感じている人たちもとても少ないのに、日本国民だけが焦らされていると感じています。 砂鉄:ウクライナやガザの状況を見ていれば、当然弾薬庫などが狙われるわけですよね。その周りに生活がある。私たちはこれで安全なんだろうかという疑問に答えてくれないという状況では、今日本の中で一番命のリスクがあるかとすればそこの周りに住んでいる人たちですよね。 三上:そうですね。例えば宮古島の弾薬庫は保良に作られましたが、ミサイル基地は島の真ん中の野原、千代田あたりに作られていて市内に近いんです。宮古島でも人口が密集しているところから一番離れた保良で、実は沖縄戦の前にも弾薬庫が置かれていて暴発して兵隊さんや子どもが亡くなっているんです。結局人口が少なくて何かあっても良いところに弾薬庫を作る残酷さがある。そして弾薬庫だけでなく射撃訓練場まで作られてしまった。「射撃訓練場の中で訓練するから音はしません」「外ではやらない」という説明だったのに映画の通り約束は全て破られる。そこで若いお母さんが「防衛省の皆さんは“多少の犠牲は仕方ないよね”って思ってるよね。その“多少の犠牲”の中に私たちは入ってるよね。私たちは守られない運命なんだよね。守る命は別の命なんだよね」って言うシーンがあるんです。どう思いますかこの言葉を聞いて。 砂鉄:去年、この作品にコメントもしている上間陽子さんと沖縄で対談したことを思い出しました。「沖縄でいろいろな活動をしていると東京から来た人から励ましや労いの言葉を貰ってありがたいのだが、本当はこの国を動かしているのは沖縄より東京で、東京もまた現場として考えなければならないのではないか。沖縄から抗議の石を投げようとしたときに東京で声を上げている人たちの背中に当たってしまう嫌な感覚があるが、それは東京にいる人間が“沖縄も大変だね”と当事者性を外していくことが繰り返されているからじゃないか」という言葉が印象に残っています。 三上:まさにそうだと思います。でも人間って哺乳動物の群れなので、「自分たちの群れの99%生き残れば1%の犠牲は仕方ないんじゃないか」って思う残酷さが潜在意識の中にあると思うんです。でも常に1%に入れらてしまう地域からすると群れの生き物の残酷さに気づいてほしい。 戦雲は戦雲を呼ぶ人と晴らす人がいると思うんです。沖縄は日本全体を覆う平和を作っている側だと思う。でも、「北朝鮮が怖い」「中国が怖い」「アメリカ軍に守られたいのに沖縄の人たちは何を言ってるんだ。まず占領されてみろ」といったバッシングで戦争を呼んでいる人、指先一つで平和を消費するだけの人がいると、沖縄がいくら平和を作ろう、皆に考えてもらいたいと思っても黒い雲に覆われてしまう。でも黒い雲に覆われているのは日本列島全体なんです。沖縄が最初に攻撃されるというけど、何を根拠にそう思っているのか、アメリカとかのシミュレーションでは台湾有事があったら中国が真っ先に攻撃するのは関東地方ですよ。アメリカと事を構えるなら点でしかない沖縄より直接横須賀を狙いますよ。私は2015年から「このミサイル網が完成したら沖縄ではなく日本が戦場になるんですよ」と言い続けているんですが、映画を見ればどこまで日本が本気で戦争する気だと海外に知らしめているのか分かると思います。 砂鉄:三上さんが『標的の島』という映画を作られたときに、「島は沖縄だけでなく日本列島全体だ」と言っていました。 三上:2017年に出したその映画は、映画としてそこそこヒットしたものの、ことごとくジャーナリストたちが同意をしてくれず、結局高江も辺野古も南西諸島の軍事要塞化も止められなかった。フリーになって財政的に厳しい中で一生懸命「映画の方が見てくれる」「動いてくれる人が多い」と期待して4作目まで作ってきたのに、何も変えられないじゃないかと思ったときに「よし次作ろう」と思えなかったんですよ。どうやってこの悲しい映像たちを二千円も払って皆が見に来てくれる映画に仕立てられるだろうと年々項垂れていく様子が同名の本に書いてあります。 砂鉄:項垂れとともに怒りのエネルギーを感じる本でもありました。この本の中に「私は27年間放送局で報道の仕事をしてきた。“公正中立”という言葉は耳タコで聞いている。沖縄で公正とは何かをずっと考え続けていた。しかし、特に最近思うことは、こと沖縄基地問題については視聴者・読者の側がどんどん中立ではなくなってきているということだ。基地をめぐるニュースを素直に受け止めなくなった。常にバイアスがかかったような言説がまとわりついて10年前と比べても大衆の側に色がついてしまっていると感じる」とお書きになっています。 三上:キツいこと書いてますねー。 砂鉄:中立公正という言葉によって「じゃあこういうことは言わない方が良いのかな」「バランスを取った方が良いのかな」という、伝える側として無責任な判断をする行為がいろんなところで広がっていますよね。 三上:二項対立じゃないですよね物事って。そんな単純じゃない。例えば基地の問題って言ったら賛成反対って問題じゃない。「沖縄の中で賛成している人もいる」とよく言われるけど、それは本土と伝えるジャーナリスト側の逃げでしかない。アメリカ軍が作りたいのか、日本政府が作りたいのか、日本人全体が無意識に安心したくて作りたいのか、いろんな構図が想定できるのに、つい先日も記者クラブで見ていただいたときに「敵がわからない」「敵を描いていない」みたいなことを言われたんです。そういうことを言うジャーナリストに私はいつも「あなたの考える敵、つまり“南西諸島で生活が奪われるかもしれないとドキドキしている人たちを苦しめているもの”をあなたはどう規定しますか」と聞き返すんですが、もごもご言いますよね。「この人が犯人です」みたいなインスタントな答えを求め過ぎだと思います。今のエンターテインメントを見る側が「用意してるんでしょ。答えを」って。推理小説じゃないんだから「ダミーがABCでDが犯人だった」って話じゃない。矛盾を見て、なんとかしなきゃいけないと「誰が一体悪いの」「誰が苦しめているの」とモヤモヤする時間しか正解を引き寄せてこないと思うんです。それを用意して「実はこれですよ」っていう単純な話ではないし、私が見ている敵よりももっと的確な敵をあなたが見つけてくれるかもしれない。だからモヤモヤしてくださいと思います。私は敵を描かないから。 砂鉄:この作品の中にも自衛隊の人たちが島にやってきて馴染もうとしたり、馴染めなかったり、地元の祭りに参加したり、ようやく参加できるようになりましたと言ったり、あるいは反対する声を上げる人が「あなたに今声を掛けているけど、私たちはあなたを排除しようとしているわけじゃなくて、その奥にいる人たちに声を掛けたいんだ」と言ったりしていました。当然そこで暮らしていて、ものすごく怒りを抱えている人も、その怒りに非常に色んなグラデーションがあって日々変わっていく。 三上:そう、揺れ動くんですよね。だから賛成反対も自衛隊に対する気持ちも同じ島の同じ人であっても揺れ動く。その中で私は自衛隊の人たちを全く否定的に描いていないし、彼らが人間として見えるように彼らの命も大事にしている人たちをちゃんと描こうと思っています。彼らが最後の方に「島の人たちを守らないって言うけど、守ります」って誠心誠意叫ぶ場面がありますが、とても私にはつらいシーンなんですよ。その前に作った『沖縄スパイ戦史』という映画での積み重ね―日本の軍隊が沖縄戦で住民を守ることができず、それがどれだけ彼らを苦しめたのか―という積み重ねが私の中にあるので、同じ思いを自衛隊員にさせることはありえないと思います。 砂鉄:僕は作品へのコメントで「杖をついた老婆が銃を持った若き隊員に話しかけている。そのどちら側も平和を望んでいる。でもなぜここに矛盾が生まれているんだろうか」と書きました。僕らが見なければいけない対象は、もしかしたら沖縄ではなくて、この東京の近くにあるのかもしれない。主体的に考えなくてはならないと思います。 三上:そう。本土で「怖い怖い戦争が怖い」と言っていることが直接的な力となって宮古・石垣・与那国の生活が脅かしているというこの構図がおかしいんですよね。正しく恐れるのも国防について考えるのも当たり前のことだけど、その結果彼らを苦しめている構図を壊して違う方法で考え直さないといけないのは確かだと思います。

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