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国宝 ポスター

国宝

4.3 175分 2025/06/06 公開
ドラマPG12日本
チケット予約

あらすじ

原作の吉田修一が3年の間、歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし書き上げた渾身の作品「国宝」。数奇な運命と激動の人生を歩みながら、国の宝へ上り詰めてゆく。任侠の一門に生まれ、数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄。歌舞伎の名門に生まれ、跡取り息子として、生まれながらに将来を約束された俊介。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人はライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていく。

場面写真

予告動画

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キャスト・スタッフ

監督
李相日
キャスト
吉沢亮/横浜流星/高畑充希/寺島しのぶ/森七菜/三浦貴大/見上愛/黒川想矢/越山敬達/永瀬正敏/嶋田久作/宮澤エマ/中村鴈治郎/田中泯/渡辺謙 ほか
配給
東宝
公式サイト
https://kokuhou-movie.com/

クチコミ

どするん ネタバレ

芸道の血

- 1年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む

  待望の李監督最新作 今作も"本質を突く"そんな作品だった。 ストーリー自体は展開が読めるが、 ひとつひとつを、丁寧に、丁寧に描く。 俳優の演技にすべてが懸ってる。 細部に至るまで神経を張り巡らした所作に目が離せない。 血縁に翻弄された主人公の一生は苦々しくも綺麗だった。 組の頭であった父を目の前で失い、歌舞伎役者の半二郎に拾われた喜久雄は芸の才能を見出され血統を超えた配役を得る。一方で俊介は打ちひしがれ喜久雄の幼馴染である春江と姿をくらませる。明暗別れたように見えるが、お互い背負ってきたものから解き放たれたようにも見えた。 ただ、喜久雄の道はあくまで親の半二郎あってのもの。糖尿病で半二郎が倒れ、繋がりとしての血が絶えると後ろ盾を失う。ドサ周りをしていた俊介は春江と子どもを連れて丹波屋として復帰する一方、端役すら回ってこない喜久雄の惨状は残酷な現実を突きつける。"血"が必要だと。 大御所の娘に手を出し、血を取り入れようとするが上手くいかず、むしろ状況は不利になり立場は逆転する。ドサ周りをしながら荒んでいく姿は悪魔に魂を売ったようであり、絶望からもはや渇いた笑いしか出てこない。堕ちるところまで落ちた。 そんな喜久雄は人間国宝万菊の一声で再び復帰することとなる。半半コンビとしてまた舞台に2人で立ち、観客を魅了する。しかし、そんな時間もすぐに終わりを迎える。血とは酷なもので糖尿病もまた継がれていた。片足を失ってもなお2人で曽根崎心中を演じる。差し出された右足すらも壊死し始めており、死期を悟った喜久雄の涙に見てるこちらも震える。 人間国宝となった喜久雄は幼くして別れた娘と再会する。父と認めていない娘ですら拍手せずにいられない喜久雄の女形。 憎しみも時間も何もかも凌駕する美しさ。 酸いも甘いも経験し、芸道を突き詰めた喜久雄にしか出せない美しさがそこにある。 最後の鷺娘を演じ切った時、見たかった光景が眼前に立ち現れる。雪の中で散った父の姿が重なる。 悪魔との契約は成立していた。 すべてを捨ててでも歌舞伎が上手くなるようにと。 吉沢亮と横浜流星の演技にすべてが懸かってる映画。 渡辺謙、寺島しのぶ、田中泯ら俳優陣が脇を固め、一挙手一投足に全身全霊をかける。それがスクリーンからひしひしと伝わり、見てる側を釘付けにする。 歌舞伎の世界はよくわからない。演目もそんなに詳しくはない。それでも俳優の目線や手振りや息遣いに観客の私も息を呑む。人間としての機微を繊細に描く演技は、まさに喜久雄であり、俊介であり、一人ひとりがそこに生きている。 気迫に押され、静寂に震え、美しさに見惚れる。 凄いものを観た。

フユミ

圧倒的で壮大、美しい生き様、命を懸けた演技

- 1年前
2人分くらいの自分以外の誰かの人生を 生きたような壮大さ。 彼らの生き様は美しく人生とは楽しく残酷。 何が、どこが、誰が素晴らしかった、と 説明するのが野暮と思えるほど。 観ている三時間、 怖くて美しい何かに浸かって、 知らない場所に身… 続きを読む

2人分くらいの自分以外の誰かの人生を 生きたような壮大さ。 彼らの生き様は美しく人生とは楽しく残酷。 何が、どこが、誰が素晴らしかった、と 説明するのが野暮と思えるほど。 観ている三時間、 怖くて美しい何かに浸かって、 知らない場所に身を委ねて ひとり漂っていた感覚。 最初は一体何を見せられたのか わからないというか、飲み込めませんでした。 どのシーンもどの言葉もどの表情も 見逃したくありません。 見終わった後の余韻が凄まじく、 なかなか抜け出せません。 映画館で予告を観てから公開をずっと 楽しみにしていました、でも正直、 ここまでとはまったく思わなかったです。 才能が集まって本気出すとこんな映画が できるんだなと。 主役の2人(に私には見えました)に拍手、 2人の絆に拍手。 吉沢亮の命を懸けているような、命燃やしてる ような演技にも。こんな素晴らしい俳優だとは 知らなかった。 2人の道成寺にはなぜか涙が出ます。 2人がまた花道で向き合った時は嬉しい涙が出ます。 (実際、金曜日の初回、最後のクレジットが 終わった後自然と拍手が起きていました。) 予告編くらいで前情報なしで 観られることをおすすめします。 追記 人間国宝が忘れられなくて 観ながら誰だろうと思っていたら、 田中泯さんでした。クレジットを見るまで わからなかったほどの怪演、妖艶、 強烈な存在感、すごくすてきでした。

もめん

邦画の最高峰

- 1年前
原作ファンなのだが、映像化による改変が気にならないほど、監督の、脚本家の、観せたい伝えたい世界を受け取ることができた。 映画を観て、物語としての繋がりに疑問を持った人は原作を読めばいい。 歌舞伎ファンは一家言あるかもしれないが、まずこの作品… 続きを読む

原作ファンなのだが、映像化による改変が気にならないほど、監督の、脚本家の、観せたい伝えたい世界を受け取ることができた。 映画を観て、物語としての繋がりに疑問を持った人は原作を読めばいい。 歌舞伎ファンは一家言あるかもしれないが、まずこの作品はフィクションであり、おそらく歌舞伎に対して興味を持つ人が増えるだろうから、そこは落ち着いて欲しい。何より原作の吉田修一が歌舞伎の黒衣として3年通ったほど、この世界をリスペクトしているのだから。 そして吉沢亮。映画国宝の吉沢亮を超えるものがこの先の私の人生で現れるだろうか。それほどの当たり役。 その血筋に生まれた設定である横浜流星のプレッシャーも凄まじかったと想像するが、その才能を上回るという設定である喜久ちゃん、冷静に考えると並の精神ではこなせない。役者人生をかけたというのは、大袈裟ではない本人の言葉だろう。見事としか言いようのない姿だった。 また、すでに人間国宝である伝説の女形万菊を演じた田中泯。その手の動き一つで、この世と、美しき化け物の棲むあの世界のあわいを行き来する様に驚愕。 映画の中の歳月は飛ぶが如く流れていくが、その間にどんな喜び、どんな苦しみがあったのかが、役者の表情で読み取ることのできた。よくありがちな月日の流れに観る側が置いてけぼりにされるということがなかった。 神田伯山もラジオで言っていたが、実につまらない出来事でお蔵入りにしては絶対にいけない、そういう映画だった。封切られて本当に良かった。 3時間、たっぷりとこの映画に身を委ねて欲しい。

粉おやじ ネタバレ

期待が大きかったかも

- 1年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む

普段余り邦画は観ないけど、予告をみてコレだけ観たい!と観た作品。 少し期待を大きくし過ぎたかと… 一番思ったのが、圧倒的なカメラの美!カメラワーク!いや〜日本のカメラマンで、こんな映像が撮れる人がいるんだ!とエンドロールを観たら、外国の方でした…そうですよね、あの美は今の日本カメラマンには無理でしょう… カメラワークが凄くて、ついつい話に引き込まれるのですが、ストーリーが少し投げやりで残念でした。 幼児期から国宝になるまでを描くには仕方のない事ですが、突然話が途切れるのが気になった。 わかりやすく言うと、3代目を襲名する理由がわかりにくい…もちろん芸なんでしょうが、感動するほどの芸じゃない。 また俊介が蒸発するのはわかる。役者の土佐周りもわかる。だからこそ喜久雄のその間の修行が後々の国宝への道なんじゃないの? また俊介が糖尿病で足が壊死になり、片足になり、もちろん右足にも壊死が始まってる。その後サラッと死んだ事になってるけど、残された子供の事はとても重要じゃないの?どうなったの? また彰子との事も投げやり、もちろん結局妻になってるけど、梨園としての場面が欲しかった。 もちろん上映時間もあるので、全てが描けないのはわかるけど、もう少し起承転結の割合もうまく割いてくれたら、もっといい作品になったと思う。 折角あの素晴らしい映像なんだから、もう少しストーリーをまとめて欲しかった。結論に急ぎ過ぎてる感じがいなめない。

p

執念の映画

- 1年前
何よりもまず、役者陣の演技に対して、労いと惜しみない賛辞の言葉を送りたい。彼らの素晴らしい演技によって成立していた映画だった。とりわけ吉沢亮は、あらゆる賞を総なめにして欲しいと思わせるほどの存在感を放っていた。 その一方で、脚本にはやや丁… 続きを読む

何よりもまず、役者陣の演技に対して、労いと惜しみない賛辞の言葉を送りたい。彼らの素晴らしい演技によって成立していた映画だった。とりわけ吉沢亮は、あらゆる賞を総なめにして欲しいと思わせるほどの存在感を放っていた。 その一方で、脚本にはやや丁寧さを欠いた印象も受けた。特に、主人公・喜久雄と俊介の関係性の構築(最初、俊介は喜久雄を拒絶しているように見えた)や、女性の扱い、主人公が歌舞伎界へ戻るまでのやりとりについては、もっとじっくりと描いて欲しかった。とはいえ、一人の人間の濃密な舞台人生、そして個人としての生涯を描くには、尺が足りなかったのだろうとも思う。 この監督は、負の側面や過激な表現の描写に定評があるが、人が何かを取り戻そうとする時の決意や葛藤、歩み寄り、そして人と人とが理解し合う過程についての描写も見てみたかった。 「歌舞伎役者の物語なのだから、舞台上で役を通じて語り合う姿だけを見せればよい」という解釈なのだとすれば、それはそれで一つの答えとして受け入れられる。 実際に歌舞伎を観たとき、頭に浮かんだ言葉は「執念」だった。伝統を継承する執念、歴史を絶やすまいとする執念、役を生きるという執念、美を追求する執念。そして、歌舞伎役者として生きていくという執念。 それは時に残酷な道にも見えるが、物語を紡ぎ進化してきた人類が生み出した、盲目的なまでの美しさの最高到達点なのかもしれない、と感じさせる映画だった。

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