☆4.0
starstarstarstarstar - 1年前
ノンバーバルコミュニケーションしか存在しない分、音楽が登場人物たちの心と繋がりを表す本作。ストリートドラムのリズムにこれからの胸の高鳴りを覚え、名曲セプテンバーの“Do you remember〜♪”に「覚えてるよぉ‼︎」と自分と同じく涙し… 続きを読む
ノンバーバルコミュニケーションしか存在しない分、音楽が登場人物たちの心と繋がりを表す本作。ストリートドラムのリズムにこれからの胸の高鳴りを覚え、名曲セプテンバーの“Do you remember〜♪”に「覚えてるよぉ‼︎」と自分と同じく涙した方も多いことだろう。
誰にも最悪は訪れず、誰もひとりぼっちにはならない。しかしドッグの不器用さや自分勝手な行動の根底にある孤独が、大都市NYの喧騒から見ればちっぽけな喪失をあまりにも切なく感じさせる。
互いを思ういじらしさと喪失を抱えながら日々を過ごす彼らのこれからに、せめて幸多かれと祈らずにはいられない。
《余談》
ドッグは悪人ではないが、友達がいない理由がなんとなくわかる。相手が楽しいかではなく、ひたすら自分が良かれと思った「やりたいこと」をやるのだ。そして警戒心が高い割に注意力が低く、見積もりが甘い。他人との距離感が掴めず、鈍臭い。
ドアに鍵3つ+チェーンという警戒心の高さの割に、逸る気持ちが先行して説明書の確認は疎か。初対面の人に流され着いていく。他人に協力が求められないくせに差し伸べられる手を待っている。
ハロウィンに個包装されていないゼリービーンズを準備し、子どもを楽しませることではなく自分が驚かすことを優先した挙げ句子ども相手に個人的な感情をぶつけて怖がらせる(子どもを楽しませる行事やろ)。
スキー場では目的の友達作りではなく対抗意識が優先されて痛い目を見る(ハナから仲良くする気がない奴とは早々に距離を取れ)。
アウトドアデートでは自分用のコーラと菓子しか準備していない、準備も運転もやってもらってばかり。一方的かつ頻繁に連絡を取ろうとした上に家まで訪ねる(相手の都合を考えずに距離詰め過ぎ)。
思えばロボットに対しても最初の2,3回しか会おうとトライしておらず、都度都度の確認や声かけに行ってもいない。独り善がり。ダメなところだらけ。いっそロボットの方が想像力と思いやりがある。
でも誰かを羨みこそすれ恨まず、不器用ながら徐々にトライ&エラーしていくドッグの姿は憎めない。こういう人物だからこそ、やらかしても縁が切れない、ある意味いくらでもやり直しのきく、ロボットというパートナーが必要なのかもしれない。
彼らが教えてくれたのは、「孤独を完全に癒すことはできなくても、誰かを想い続けることはできる」という優しさだった。どうか幸あれ。
《パンフレット》
A5のミニサイズ、ロボットが届いた段ボールを模した表紙が可愛い。ニューヨーカーたちや作中にないDog&ROBOTのイラスト、作中のNYやアメリカの文化の解説あり。購入推奨。
(字幕翻訳:長岡理世)
すごい。
starstarstarstarstar - 1年前
台詞が無いのに、感情がわかる。
台詞が無いから、感情がわかる。
人生に傷がある人にはとてつもなく
刺さる映画なんだと思う。
色んなことが人生にはある
出会いも別れもある。
それでも続く人生なんだなと
セプテンバーの音楽を聴いて一緒に踊っ… 続きを読む
台詞が無いのに、感情がわかる。
台詞が無いから、感情がわかる。
人生に傷がある人にはとてつもなく
刺さる映画なんだと思う。
色んなことが人生にはある
出会いも別れもある。
それでも続く人生なんだなと
セプテンバーの音楽を聴いて一緒に踊った日を
懐かしく楽しく思い出せるなら
それは良い人生なんだな、と。
人生で、どうにもならないことで
一緒にいることが出来なくなった人がいて
ふざけて笑い合ってた日の思い出がふと思い出されて、
エンディングには涙が出ました。
想像の斜め上
starstarstarstarstar - 1年前
予告と宣伝文句的にどうせこうなるんだろ?を絶妙なラインでかわしてきてハッピーエンドなはずなのに切ない良作
シンプルな作画ながら表情も大泣きや大爆笑的なアニメ映えする大袈裟な描写はほぼなく細かい目線の動きや口の動きで上手いこと表現しています
音楽や効果音の使い方ちょっとしたモブの動き等全てにおいて仕事が丁寧で観終わった後そういえば台詞なかったなと感じる位違和感がありませんでした
クライマックスのパートナーへの想い、優しさが心に染みますね
starstarstarstarstar - 1年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
記念すべき2025年の1本目は、周囲の誰もが大絶賛の『ロボット・ドリームズ』をヒューマントラストシネマ渋谷さんにて鑑賞。
(ネタバレあり)
『ロボット・ドリームズ』(2023)
第96回アカデミー賞長編アニメーション映画賞ノミネート(受賞作は宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』)はじめ海外の名だたる映画祭で高く評価された作品。
事前の予備知識ゼロ、犬とロボットのポップなポスタービジュアルから子ども向けのカートゥーンアニメと高を括っていましたが然に非ず、人間の誰も抱く、孤独、友情、恋愛、別れ、他者への想い、労わりを擬人化された動物やロボットを通じて優しく丁寧に描いた大人向けの絵本のようなハートフルな傑作でしたね。
ナレーションやセリフは一切ありませんが、キャラクターたちの表情や仕草だけで心の機微が伝わり、背景も80年代のまさにポップなニューヨークの街並みやカルチャーシーンを精巧に再現、作中に何度もかかるアース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」(September)が効果的に使われていましたね。
作品設定上は孤独な犬が友達用のロボットを購入、ロボットとの出会いと別れを描いた友情ドラマが「正解」かもしれませんが、ロボットの性別を曖昧にしているため、男女やLGBTQのラブストーリーと解釈しても全く違和感はありませんね。
互いに不運が重なり意図せず別れ別れになった二人が、別々の道を歩みながら互いに幸せをつかみ、数年後偶然再会をする機会が訪れる…普遍的なストーリーですが、二人の過ごした時間を丁寧に描いているため、クライマックスのパートナーへの想い、優しさが心に染みますね。そして流れる「セプテンバー」の「Do you remember/覚えているかい?」の歌詞。
本作が実写で映画化されたら、もっと過剰なほど激情な演出になるはずですが、カートゥーンアニメを採用することで、切なく温かな作品に仕上がったのでしょうね。
正月早々涙腺崩壊でした…。
君は覚えている?
starstarstarstarstar - 1年前
動く目線ひとつで登場人物の心情がわかってしまう
セプテンバーを聴いていたのは中学生くらいだったかな?
今回初めてどんな歌詞か調べて更に切なくなりました
離れ離れだけどハッピーエンドと言えそう
だって思い出は消えないから