善悪の彼岸
第二次世界大戦におけるナチス占領下のオランダを舞台にした傑作戦争サスペンス。 第二次世界大戦下、ナチスドイツから占領されているオランダで暮らすユダヤ人のラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、ある日、ドイツ軍によって隠れ家を爆撃され、弟や両… 続きを読む
第二次世界大戦におけるナチス占領下のオランダを舞台にした傑作戦争サスペンス。 第二次世界大戦下、ナチスドイツから占領されているオランダで暮らすユダヤ人のラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、ある日、ドイツ軍によって隠れ家を爆撃され、弟や両親ら家族と共に逃避行することになる。 密航している間にまたも襲撃を受け、家族の中で一人だけ生き延びて天涯孤独となってしまう。 失うものがなくなったラヘルは、その美貌と機転を買われ、ナチス将校のムンツェ大尉の愛人としてスパイを行うことになるのだが…。 史実を基にしているにもかかわらず、ここまでハラハラさせられるのは嬉しい驚きだ。 主演は、『ワルキューレ』のオランダ人女優カリス・ファン・ハウテン。美しくも危うく、それでいて逞しいラヘルの波瀾万丈な半生を見事に体現した。 ちなみにカリスは、ムンツェ大尉役のセバスチャン・コッホと本当の恋仲になったものの破局し、現在は『メメント』のガイ・ピアースと交際して子をもうけている。 ラヘルの仇相手でありムンツェ大尉のライバルでもあるフランケン中尉を演じたヴァルデマー・コブスのキャラクターがなんとも味わい深い。ラヘルの家族を皆殺しにした残忍さ、ムンツェを陥れる狡猾さや、パーティーでのピアノの伴奏やハモりまでこなすお茶目さ、女性に目がないすけべな一面など一人で数役分を果たしているかのような活躍ぶりだ。 ユダヤジョーク…ではないが、普通なら冷めてしまうような「俺のマグナム」的シーンをさらりと入れてくるセンスはすごい。