父依存ホラー
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新作のインド映画を端から端まで追うほどの熱狂的ファンではないが、一般よりは観ている方だと思う。それでも200分超えという尺はさすがに体力を使った。 本作は同じような出来事や感情の衝突を何度も繰り返す。その反復こそが疲労の正体だろう。しかしその疲れは決してネガティブなものではない。進歩のない反復――それこそがランヴィジャイという男の本質だからだ。 父に愛されず、承認を得られないまま大人になってしまった男。父もまた感情表現が不器用で支配的な存在であり、息子に十分な愛情を与えられなかった。 ランヴィジャイは父を超えようとしながら、結果的には同じ道を辿る。妻や子への態度にも父の影が重なり、悲劇の連鎖が生まれていく。父に認められることだけに執着し、自身の中身は空洞のまま。精神は成熟せず、子供のまま止まっている。その停滞を200分かけて徹底的に描いた作品だった。 終盤、父は病に倒れ死が示唆され、物語は続編へと委ねられる。一見すればこの死は本作内で描けたようにも思える。しかしもし父の死を物語の途中で描いてしまえば、本作は「喪失の物語」へと変質してしまう。監督はそれを避け、あくまで“父の承認への執着”を描き切ることを選んだのだろう。 本作はバイオレンス映画の装いをしているが、本質は父への異常な執着を描いたホラーである。観ていて疲れるのは、その執着を疑似体験させられるからだ。 200分という長尺ではあるが、常に肩に力を入れて観るタイプの作品ではない。時間の長さを理由に避けるには惜しい一本である。