0.5秒のさよなら
starstarstarstarstar - 1年前
タイトル「a real pain」は直訳であれば「本当の痛み」だが、「面倒くさいヤツ」という意味もあるらしい。オープニングでベンジーのアップでタイトルが出る。まさにこの通り。
まあ面倒くさい(笑)。いるいるこんなヤツ。空気を読まず自分の意見… 続きを読む
タイトル「a real pain」は直訳であれば「本当の痛み」だが、「面倒くさいヤツ」という意味もあるらしい。オープニングでベンジーのアップでタイトルが出る。まさにこの通り。
まあ面倒くさい(笑)。いるいるこんなヤツ。空気を読まず自分の意見を押し付けてやたらに絡んでくるヤツ。しかしなぜかこの人、チャーミングさを兼ね備えている。それは奥にチラチラとチラリズムで見え隠れする悲しみが人間としての奥深さを演出しているからだろうか。
その人なりにロジックがあってそれなりに納得できるものであるなら最終的に好きになるやも知れぬが、だいたいはなんとなく聞き流す程度のことしか言ってなくてそのまま終わる。タイミングが大きいのだと思います。空気が読めないことが原因。
いわゆるグレーゾーンと呼ばれる人たちは空気が読みにくいという傾向があるらしい。声の音量でその傾向がわかる。近くで会話する時でも大きい声の人。近くとか遠くとか関係なくちょっと大きめの声で一定の人。やたら声の小さい人。こういう人たちは人と人との距離感が把握できない傾向。空間把握能力が低い。音量が当てずっぽうになる。なので大きめで一定の人が多い。そしてそれが物理的な距離感がそのまま人間関係の距離感(心の距離)にスライドするのである。あくまで傾向であるが。
だいぶ話がズレてしまったが何が言いたいかというと、先天的(生まれつき)に生きづらさを抱えている。それはどうしようもなく、改善されることはあるということだが、それにしても周りの理解が必要である。ただの面倒くさいヤツではなく切り捨てることなかれと。
今回の周囲の人たちは「苦しんでいる若者」と捉え理解ある大人たちであり、さらに何からも学ぼうとする姿勢を持つ大らかな人たちでよかった。
そんな難しい人物を演じ切ったキーランカルキンは素晴らしかった。マコーレカルキンも喜んでるでしょう。
世間の話題もキーラン大注目だと思いますが、ワタクシが最も気になったのはコレ。
0.5秒のさよなら。
やはりジェシーアイゼンバーグは素晴らしかった。一見、助演に喰われてしまったかのようだがところがどっこい。ベンジーに対して1番大迷惑をかけられ殺したいほど憎みながら大好きでもあり憧れもあるという複雑な想いを見事体現していた。そしてベンジーを立てながらも空気を読んで周囲にも気を使いこの旅1番功労者である彼は全く報われない。ツアーガイドからの最後のお別れは0.5秒のさよならだけだった。この報われなさが何とも心に残った。
なんかいろいろ心の中をぐちゃぐちゃにされました。いい意味で。そんな映画です。
ユーモアとペーソス
starstarstarstarstar - 1年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
誰もが痛みを抱えてる。
ほんとにそう。
何度も電話をかけて計画的に行動しないと気が済まない強迫性障害のデヴィットも、社交的で誰とでも仲良くなれるのに寝起きはテンションが低く、感情の波が激しいおそらく双極性障害のベンジーも、それぞれ異なる痛みを抱えてる。
どちらかと言えば理性的で計画的で現実主義なデヴィットの方が一般的な感覚に近いし、私もデヴィットに感情移入して観たから彼の痛みはとてもよくわかる。
幸せな家庭を持って仕事も誇りを持って自分の世界持っているからこそ、旅に出て別の価値観に侵食されると苦しくなる。
一方で定職に就かず無計画に行動できるベンジーは、人生がいつだって旅そのものだから、一期一会を大切にできるし、楽しみも悲しみも受け入れて感動できる。
だからこそ、衝動的な希死念慮に侵されることがあるし、旅から日常へは簡単に戻ることができない。
お互いに、相手のことが大好きで成り代わりたいとさえ思うのに、殺したいくらい憎くて一緒にいるのが我慢ならない時がある。
2人とも痛みを抱えている。
互いの痛みを知る旅になった。
ホロコーストの歴史を垣間見るシーンも多くあるけど、クスッと笑えるシーンも多くあって、ユーモアとペーソスに溢れた、ジェシー・アイゼンバーグらしさを全身に感じた作品だった。
本当の痛みは
starstarstarstarstar - 1年前
わかるわけもないだろうけれどと、観に行く。監督と脚本は「ソーシャルネットワーク」のアイゼンバーグ、従兄弟の相棒に、キーラン・カルキン(マコーレンの弟)である。
以下は、ネタバレします。↓
第二次大戦の悲惨な体験を持つ祖母は、ポーランドから… 続きを読む
わかるわけもないだろうけれどと、観に行く。監督と脚本は「ソーシャルネットワーク」のアイゼンバーグ、従兄弟の相棒に、キーラン・カルキン(マコーレンの弟)である。
以下は、ネタバレします。↓
第二次大戦の悲惨な体験を持つ祖母は、ポーランドからアメリカに逃れた。その体験を語る事はなかったが、移民3世の孫達の祖国への旅の為の旅費を残した。孫達は同じ歳だが、性格は極端に違っている。ポーランドでの史跡巡りツアーのメンバーには、同様の目的を持つ、移民2世や、ユダヤ教に改宗した元ルワンダの虐殺の生き残りのアフリカンもいる。ポーランド国内に残る悲惨な傷跡を訪ねながらやがて、従兄弟達は互いに抱えていたわだかまりを解いてゆく。元FOXサーチライトピクチャーズ社作品。
しかし、コレもユダヤは酷い目にあってきた…という通底した毎年のプロパガンダであり。この映画が、現在のガザとイスラエルの休戦に水をささないことを祈るばかりである。
こんな従兄弟関係も良いのでは?!
starstarstarstarstar - 1年前
普通に考えれば、全く交わりそうも無い2人の関係性とホロコーストのツアーに参加している人全員を巻き込んで行くストーリー展開は、どんどん引き込まれる感覚を覚えました。
とても良い作品だと思います。
私には沁みました
starstarstarstarstar - 1年前
ホロコーストという重い歴史に触れながら、
現代に生きるデイビッドとベンジー2人が、それぞれの心の痛みを曝け出して、生きていくことを確かめる、そんな内容だった。
デイビッドは神経質で優等生で臆病、感情豊かなのにうまく表現できない。
ベンジー… 続きを読む
ホロコーストという重い歴史に触れながら、
現代に生きるデイビッドとベンジー2人が、それぞれの心の痛みを曝け出して、生きていくことを確かめる、そんな内容だった。
デイビッドは神経質で優等生で臆病、感情豊かなのにうまく表現できない。
ベンジーは無鉄砲で魅力的、気持ちをストレートに出すけど繊細。
2人は対照的で、お互いを大好きだけど、互いを羨ましく思っているのではないかな。
自分は自分にしかなれなくて、羨ましくても他の人にはなれない。こういう気持ち、誰でも持ってると思う。
個人的には自分の祖母のことを思い出しながら涙ぐんでしまった。
自分のことを理解してくれた人が誰か一人でもいたら、その人が今はいない人でも、その記憶を支えに生きていける。
収容所の光景を見て、生きていることの重みを感じることができた。
ベンジー役のキーラン・カルキンの演技が秀逸。