犬たちの戦災
ウクライナ侵攻後の動物愛護団体の活動、特に犬の救援保護活動について、監督が3度に渡りウクライナに足を運んで制作したキュメンタリー。(ただし作品紹介の記述とは異なり、カメラを回しているのは監督ではなくカメラマン)。ブリジット・バルドー財団、ポ… 続きを読む
ウクライナ侵攻後の動物愛護団体の活動、特に犬の救援保護活動について、監督が3度に渡りウクライナに足を運んで制作したキュメンタリー。(ただし作品紹介の記述とは異なり、カメラを回しているのは監督ではなくカメラマン)。ブリジット・バルドー財団、ポーランドのケンタウルス財団、イギリス軍の退役軍人が戦争によるPTSDを犬に救ってもらったことをきっかけに立ち上げた、力強い動物救援組織breaking the chains等々が登場する。 ウクライナには公営シェルターがあること、ウクライナの街には不妊去勢手術をされた犬たちが何匹も地域犬として街の中で暮らしていること、そのように街中で暮らすことを許されていることに、驚き感動した。日本なら苦情噴出となって、街の中で犬が暮らすことなど到底不可能だろう。(昔は日本にも野良犬がたくさんいたものだが、それらの犬たちは皆、捕獲され殺処分となったのだ。) 先日観た『ねこしま』のマルタといい、この映画のウクライナといい、日本よりヨーロッパのほうが動物たちに寛容なのだな…と改めて感じた。 人間が起こした戦争の被害を受ける犬たちを取材した映画ではあるものの、戦禍のなかにあっても、(痛ましい戦争被害+人災?であるボロディアンカの悲劇は別にして)動物を取り巻く状況は、日本よりウクライナのほうがずっと良好に思えるのは皮肉なことだった。