猫好きたちの愛が満ち溢れるマルタ
人口45万人に対し、猫10万匹。数だけで言ってもマルタは猫の楽園と言えるのかもしれない。 外猫さんたちのお世話をする人々の明るく楽しげな屈託ない雰囲気、怪我で体か不自由になりながらも17歳でまだ元気に暮らしている猫さんの様子、猫の村があっ… 続きを読む
人口45万人に対し、猫10万匹。数だけで言ってもマルタは猫の楽園と言えるのかもしれない。 外猫さんたちのお世話をする人々の明るく楽しげな屈託ない雰囲気、怪我で体か不自由になりながらも17歳でまだ元気に暮らしている猫さんの様子、猫の村があったり、猫公園があったり、そして何よりも外猫さんたちのその数の多さ(=それだけ多くの猫の生存が許され、見守られている)、などから、日本よりははるかに猫の楽園に見える。(数の多さは、不妊去勢手術が追いついていないせいもあるかもしれないけれど、今の日本の都市部であれだけの数の猫の生存は到底許されないだろうから、あれだけ多数の猫が生存できているということ自体、マルタの人々の懐が深いということになるだろう。) とは言え、人間優先のこの世界。楽園らしからぬ事情をマルタが免れているわけではないようだ。車に轢かれる猫もいれば、登場する愛猫家のうち元教員の女性が語る日本と似た苦い現実もある。去勢不妊手術のための公的補助は殆どなく、公的保護シェルターもなく、不妊去勢手術費用もフード代も、怪我や病気の病院代も、見守りも保護も、全てボランティア任せなのは、日本と同じだ。が、猫のお世話をする人々のあの突き抜けた明るさは、動物排除の傾向強い日本では得られないものという気がする。 この作品にはマルタのいろんな猫さんたちが沢山登場するので、猫好きの方ならそれだけでも充分楽しめ癒されると思います。後半に登場する、交通事故に遭い里親さんにひきとられた、胴体部分だけ焦げ茶の長毛に覆われた黒猫ブラッキー君、可愛いいぬいぐるみのようなあんな猫さん、初めて眼にしました! 猫のように可愛くて美しい生き物が人間のそばにいるというのは、奇跡のような天からの贈り物。日本でもキャット・ラヴァーがもっと増えるといいのにと願ってやみません。