ヒプノシスとは、ストーム・トーガソン、オーブリー・“ポー”・パウエルが共同で創立したイギリスのデザイン・アート集団。斬新・奇抜・洗練......あらゆる言葉が相応しいその独創的なデザインは、今話題のバンド T シャツやレコード蒐集ブームにも繋がるほど、色褪せず今もなお輝き続けている。本作では、ヒプノシス創業者のストーム・トーガソンとオーブリー・パウエル、ふたりを支えたカメラマンやグラフィックのスタッフ達に加え、ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーらアーティスト本人によるジャケット制作秘話や、その当時の貴重なインタビューや写真・映像の数々が収められている。また、ヒプノシスを敬愛するオアシスのノエル・ギャラガーが語るレコード文化やジャケット愛も必見。
ヒプノシス レコードジャケットの美学
Squaring the Circle (The Story of Hipgnosis)
(2022 / UK)
少し前に観た映画備忘録
『Wish You We Here』の、握手を交わす2人… 続きを読む
ヒプノシス レコードジャケットの美学
Squaring the Circle (The Story of Hipgnosis)
(2022 / UK)
少し前に観た映画備忘録
『Wish You We Here』の、握手を交わす2人の男から、僕たちはストーリーを嗅ぎ取ってもいいし、バレットを想う歌詞と結びつけてもいい。単なる一枚の心象風景としてぼんやり眺めてもいい。
ヒプノシスの凄まじさは、そのナンセンスさも含めて、音楽そのものの世界観を壊さず、それでいて深遠さと幽玄の神秘性をもたらすという、奇跡的なバランス感覚にあると思う。
原題は「円に正方形を描く」転じて、不可能を試みるという意味らしいが、円盤型のレコードと、正方形のアートワークという意味も掛けているのだろう
よくある単なるインタビューの羅列のようなドキュメンタリーに陥らず、適度に演出も交えて平板な作りになっていなかったのは、さすがアート集団ヒプノシスを題材にしただけのことはあると感じた。
とはいえ、レコードジャケット界で双璧をなすロジャー・ディーンや、数多くのミュージシャンがほぼ説明なく出てくるので、ある程度の前提知識がない人には辛い映画かもしれない。
ところで、ストーム・トーガソンの人柄についてはみんなして好き放題言ってたのがよかった。
芸術家たるものかくあるべしという見本みたいな人だ。