ディストピア
NHKスペシャルのようなテレビのドキュメンタリー番組内のドラマ作品のように感じた。 別の言い方をすると、映像表現には魅力を感じたが、セリフが説明的で会話にリアリティが感じられなかったと言うことだ。 現代の映画作品はテクノロジーの進化のお… 続きを読む
NHKスペシャルのようなテレビのドキュメンタリー番組内のドラマ作品のように感じた。 別の言い方をすると、映像表現には魅力を感じたが、セリフが説明的で会話にリアリティが感じられなかったと言うことだ。 現代の映画作品はテクノロジーの進化のお陰で映像は製作者側のスキルに関係なく美しく説得力溢れるものが作れるが、テクノロジーに頼ることができないセリフはそうはいかない。 「言葉」は正直だ。ごまかしが効かない。小説や台本などの文字で書かれたセリフでは違和感がなくても、映像の中で人間の口から出るセリフはそのひとつひとつの言葉で映画の製作者のレベルが観客に伝わってしまう。 例えば「蟻」についてのセリフがあったが私には幼稚園児のセリフのように感じてしまった。 もしかしたら、あの「蟻」についてのセリフは、作品の中の人物の精神的な幼さを表現するために、あえてあのようなセリフを言わせているのかもしれないが。もしそうであれば褒めるべき部分だ。 この作品はいわゆる「ディストピア」物だろう。この作品を観て感じたのだが、ディストピアを描きたいとか観てみたいと言う欲求は「老人の欲求」だと思う。 未来に「死」を感じて、前に進みたくないという思いがディストピアを求めてしまうのだと思う。 「大人になりたくない」思いとか「ピーター・パンシンドローム」なども同じところから出ているような気がする。 この作品の中で描かれていた性交渉を否定する若者たちにも同じように感じた。 彼らは見た目は若くても中身は「老人」なのだ。これは現代の現実世界の若者たちにも私は感じる。 ホモ・サピエンスという種が老いているのかもしれない。