パリ・オペラ座 IN シネマ 2025/オペラ『カルメン』
あらすじ
魅惑的な音楽に彩られた自由で強い自我をもつ女性像 ジョルジュ・ビゼーが死の3カ月前に完成させた《カルメン》(初演は1875年、パリのオペラ・コミック座)は、数あるオペラのなかでも抜群の人気を誇る。スペイン南部、アンダルシアの州都セビーリャが舞台で、ロマや闘牛士、密輸業者など、この地方の印象を喚起する要素が盛り込まれている。これらは当時のパリの観客には、異国情緒をかき立てられる要素だった。むろん、異国情緒は音楽によって強調されている。有名な前奏曲に続き、馴染みやすいキャッチーな旋律が全編にあふれるが、とくにアンダルシア趣味を土台にした舞曲や行進曲がすばらしい。これは当時のフランスに、アンダルシアの女性は魅惑的に踊るというイメージがあったことに起因する。だが、なにより魅力的なのは、カルメンという自由な女性像だろう。最初に歌う「ハバネラ」で、「恋は野の鳥、だれも飼い慣らせない」と強い自我を標榜し、ドン・ホセを誘惑しては、彼の運命を左右する。男性上位の社会で、このような女性像は女性にカタルシスをあたえてくれ、男性にとっては、甘い破滅願望を叶えてくれる存在だったと思われる。その魅力は、今日の男女共同参画の社会において、ますます高まっているといえよう。
場面写真
予告動画
キャスト・スタッフ
- 監督
- 【映像監督】フランソワ=ルネ・マルタン
- キャスト
- ロベルト・アラーニャ/エリーナ・ガランチャ/イルダール・アブドラザコフ ほか
- 配給
- 東宝東和
©︎ Vincent Pontet
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