風の中の牝鷄
あらすじ
間借り生活の時子(田中絹子)は小さい浩をかかえ、まだ復員してこない夫・修一(佐野周二)の帰りを待ちわびていた。時子は頼りにしている友達・秋子(三宅邦子)を時折訪ねては、一枚、二枚の着物を託し、それを同じアパートの織江(村田知英子)を買ってもらうのだった。今日も時子は秋子を訪れた。織江はそうした時に「時子さん、きれいだからその気になりゃ、こんなことしなくてもいいのに......」と言うのだ。その日家に帰った時子は、突然の浩の発熱に驚きうろたえて近所の病院へ走った。浩は急性大腸カタルであった。何本も注射が打たれ、なんとか命だけはとりとめることが出来たが、次に時子の上にふりかかって来たものは病院の支払いであった。彼女はどうすることも出来なかった。迷った時子の足は織江を訪ね、そして月島のいかがわしい家に、知らぬ男との一時を過ごしてしまった。数日後、浩は無事に退院した。秋子は織江の口から時子のことを知って驚き、時子をなじった。「何故私にいってくれなかったの?」だが時子にしてみれば、貧しい秋子に相談して秋子を困らせたくなかったのだ。それにしても何という馬鹿なことをしてしまったのだろう。時子は、犯した過ちの大きいことに、今更胸をしめられる思いであった。そうしたある日、突然夫・修一が帰ってきた。修一はつい最近浩が病気をしたことを知り、病院の支払いをどうしたかと尋ねるのに、時子は胸がつまって答えることが出来ない。何か疑問を感じた修一に強く問い詰められ、ついに時子は何もかも言ってしまうのだった。
キャスト・スタッフ
- 監督
- 小津安二郎
- キャスト
- 田中絹代/佐野周二/笠知衆/村田知英子 ほか
- 配給
- 松竹
©︎ 1948松竹株式会社
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