自由詩
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
なんだかよくわらなかったな わかってほしいという意図もないだろうけど 監督も考えるより感じて欲しいって言ってたので感じたままレビューを書く。 映画というより詩だな、詩に近い。 それかコンテンポラリーダンスとかエチュードにも近いもの感じる映画だった。 主演の美絽さんはじめ新進の俳優陣が多く、素朴さと力強さで作られた感じだった。 大学の卒業制作のような荒っぽさもありつつ、若手俳優のエネルギーで押し切ったような感覚。 ストーリーは霊が見えて反抗的な杏菜がキリスト教系の寄宿学校に入り、ルームメイトで親交を深めた莉花が自殺してしまい、莉花の日記と霊に影響を受けながら周囲との関係や考え方が変化していく話。 第三者委員会の調査なども行われるが、はっきりとした原因は見つからない。そんな中で莉花の死をきっかけに、莉花と仲の良かった栞と打ち解け距離が縮まっていく杏奈。栞は莉花の死が自分のせいだと考えるが、莉花の魂を宿した杏奈はそれを否定して抱擁を交わす。日記の内容からも杏奈の父親が原因だと思われるが本当の理由は最後までわからない。 栞が海外へ留学に行くこととなり、莉花の日記に挟まっていて渡せていなかった栞の写真を杏奈は渡す。莉花は天に昇り、杏奈は莉花の日記を燃やして話は幕を閉じる。 結局のところテーマがなんだったかよくわからなかったな。女学生が閉鎖的な空間の中で友情や愛情を見つけていく話なのか、友人の死を機に人生に向き合い親や友人とも融解して精神的に成熟していく話なのか、霊魂との繋がりから解き放たれて等身大の自分を受け入れる話なのか、そういうの全部なのか。 キリスト教の学校で霊が見える杏奈は居心地が悪かっただろうな。三途の川を渡った莉花も霊が見えていたから杏奈と仲良くなったのかな。宗教的な側面も無視できないくらいには映画に染み込んでいて、最後に踊って日記を燃やすことも魂の解放を意味しているのかなと思えた。 栞が莉花の父親に言ったように、莉花は誰もが望む姿を演じていて、本当の莉花は日記の中にしかいなかったのかな。ダンスが、演じることが上手かった莉花が杏奈と栞を通して成仏していく映画だったのかも。 ファンタジー要素もホラー要素もミステリー要素も盛りだくさんだったが、なんだったんだろうという感想だけが残ってしまった。 詩的な表現も散在していて、ストーリーというよりは趣を感じる作品だったんだと思う。映画の中の画に惹かれないと物足りなく感じてしまう。 杏奈に別の魂が入って身体が動いちゃう演技はすごかったけど、そもそも杏奈と栞と莉花が似て見えて、杏奈と栞はどこから莉花になったのかなっていないのかわからなかった。もしかしたら、それもまた3人の同質化なのかもしれない。 東京国際映画祭でちょっと気になって見てみたは良いものの大衆的ではなく、芸術作品に近かったという感想。 なんだかみている間はずっと、これ杏仁豆腐だなと思っていた。白くてちょっと赤くて舌触りがザラザラしてる杏仁豆腐。