ハチャメチャが押し寄せてくる物語
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
この映画、全体的に様子がおかしい。 奥深いテーマやメッセージ、作り手の想い・・・そういうものは感じないのに、何らかの異様な質量で、見ているこちらをずっと圧迫してくる 主人公:メイベルはナチュラルボーン環境保護テロリストで、触れるもの何もかも全てを破壊する怒りの化身。 うっかり動物達を扇動して道路開発を推進する市長を襲撃する流れになるのは正直面白い。 種族を超えた動物たちのチェイスシーンはとても楽しいし、クライマックスではついに登場する空飛ぶサメ! サメをまいた所で蒸し返す道路開発問題! 「今ここで?!」とは、市長も観客も思った事だろう。 妥協点を見つけようと言ってくれる市長は相当立派である。 そんな市長の態度に怒りの化身メイベルがブチ切れて、 「市長がいたぞーーー!!!!」 コイツやった!やりやがった!!! この辺りがメイベルの狂気のピークで、本当に最高に面白い。 善きこと、善きテーマ、善き物語。 あらゆる善性を求められるのはピクサーブランドの宿命と言えるが、今作はそういった要求に対する悲鳴のようにも見えた。 この作品は雨の中でピクサーが傘もささずに奇声を上げながら全力疾走して踊っているような映画だった。 そんな自由があってもいい。 ・・・いや、そうか? でもまぁ、楽しい作品ではある。 こういうハチャメチャが押し寄せてどうしようもない、というような作品も、たまには見たいのだ。