とても素晴らしい作品
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
三浦春馬さんが子役を演じていることでそこまで昔の映画ではないことを思い出させてくれるが、もっとずっと前、携帯電話すら身近に無い昭和の時代の作品だったかな、とふと思わせてしまう程、時代の中で俳優陣が生きて見えた。 2002年の映画とは思えない古典的な演出も混ぜながら、飽きさせない適度な速度感とストーリーの展開に序盤から引き込まれる。 優しさに溢れていて、子どもなりの男気に感動したり笑ったり、ホロリとさせられて、こんなに素晴らしい作品が円盤化されていないことに衝撃を受ける。 セリフでの無粋な説明ではなく、映像の中でしっかり語られる美しさ。食べ物や作業の描写はまるでジブリ映画のそれの様で、食欲を湧かせ、動作のひとつひとつが魅力的に見える。 決して子どもの為の子どもの映画には留まらず、どの世代がどの視点から見ても楽しめる映画だ。 私なぞは自身が子どもの頃に見た『少年時代』(主題歌は井上陽水さんの「少年時代」)、少し大きくなってから見た『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』などを見た時に感じたノスタルジックさを、この映画にも感じた。 きっと子どもであっても 子どもなりに何か感じることが出来るし、大人であれば、大人になった自分が今感じる良さに似たものを感じるのではないだろうか。コロナ禍の今、このお想いをみんなと分かち合いたい気持ちでいっぱいだ。 既に8頭身の春馬少年演じる雅雄の外見のみならず、子どもなりの生き様の格好良さを是非見てほしい。 脚本も演出も素晴らしいのだが、更にそれを押し上げているのは春馬少年の非凡な演技力だ。あの時代にあの時代の感覚を持ってそこに生きている様に見える。もしかしたら彼の演技無くば、あれだけ素晴らしい脚本・演出でも凡庸な作品になっていた可能性があるのではと思ってしまう程、少年春馬の演技は群を抜いている。 心から全ての年代の方に見て欲しい作品だ。 公式さんが2021年1月にTwitterでも仰っていた様に、世界観が大スクリーンでないと伝えられない為にDVD化の予定は無いとのこと。 スクリーンでしか見ることの出来ない貴重な作品なのだ。 多くの方の目に触れ、現在決定している公開の後も長く愛され続けること、また自らも再び目にする日が来ることを心より願っている。