アニメ映画史に燦然と輝く傑作
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傑作だった。 Netflixで一回見て内容わかってたはずなのに映画館で見るとこんなにも映えるものなのか。 アニメ、ゲーム、声優、ボカロ、JPOPなどなど日本の文化の粋を集めた傑作。今この時だからこそ輝く作品。 ネット上に減点方式で見ると大したことないが、加点方式でみると100億点と言っている人がいたが、まさに言い得て妙だと思う。 ストーリーで繋がり見えにくいところとか、ちょっと胃もたれするような演出もちょこちょこあるけど、そんなもの微塵も気にならないくらいの総合点叩き出してる。 ゲーミング色に輝く電柱からかぐや姫が出てきて、すぐさま育ち、竹取物語の新しいエンディングを手に入れようとする導入はテンポもよくてワクワクする。 主人公のいろはが非凡な高校生ながら一人暮らしをしている設定は本来変だがそれを気にさせないキャッチーな演出と、かぐやがライバーとしてお金を稼ぐという展開も今っぽいていい。 ライバルになる黒鬼もキャラクターが立ってて、バトルシーンも見応えがすごい。兄妹対決にする構図も最後に月からの使者に立ち向かう展開も何回見ても味がするような厚みがある。 ライブシーンも3人が本当に楽しそうで、ヤチヨのことを知ってから見るとまた意味合いが変わってくる。楽曲もワールドイズマインとかrayとかボカロやJPOPにリスペクトを感じる楽曲でニヤニヤしながらも感動した。過去の楽曲が再解釈できるような作りになってるのはもはや恐ろしい。 ヤチヨの8000年を思うと胸にくるものがある。 犬DOGEを撫でるところも泣ける。 かぐやがずっと明るく振る舞ってるからしんみりするシーンも全然無いし、最後にはかぐやとまた2人暮らしできるハッピーエンドなの泣ける。素晴らしい。 竹取物語を現代に合わせて再構築した世界観は見事で、男女の安い恋愛物語にしないところとか、電脳空間に日本文化をこれでもかと盛り込んだところとか、LGBTという言葉すらないような登場人物の振る舞いとか、日本のサブカルが凝縮されたこれぞ日本アニメだと世界に誇れる作品だと思う。 アニメ史は全く明るくないが、これまでの日本アニメ作品のなかでもターニングポイントになると思えるほど異彩を放っている。劇中で披露される楽曲もボカロ文化の延長線上にあるだろうし、起用された声優やゲーミング要素もそれぞれのファンにとって魅力的な要素だったと思う。 2000年代から現代にかけて日本のオタク文化を作ってきた、関わってきたすべての人が好きだと思えるそんな作品な気がする。古の先人たちが過去を懐かしんで感動してることにも感動する。Netflixで公開されてから劇場公開が決まり20館に満たない劇場数から100を超えるスクリーンにまで拡大したのは、映画本作はもちろん、これまでの連綿と続くアニメ文化やオタク文化に本作が合流したことも大きい。作品に散らばった要素を本作で描かれていない物語として現在進行形で鑑賞した人が拡大させて、作品を見終わった後も作品が続いているような空気を生み出している。 他の国々では決して出来ない物語性が日本アニメにはあると思い知らされた傑作だった。日本の昔話があるからこそ数千年単位の奥行きが自然と生まれて、フォーマットに載せるだけで構造がすぐわかる効果つき。サブカル好きなオタクがメインターゲットなのは間違いないけど、話自体はかぐや姫だからストーリーもわかりやすく大衆にもウケる。どこをとっても太鼓判を押せる作品。 逆にツクヨミというメタバースやライバーを応援するシステムもライブ配信みたりして見知らぬ誰かとコンテンツを共有消費したことがないと何が楽しいのかわからないと思う。ヤチヨの言う"やおよろ〜" "いとかわゆし" "日々の努力の玉藻前"みたいな言葉遊びは隠キャ特有の言葉遣いだと思う。学校で習ったことを文字ってニヤニヤクスクスしたことがないと冷めて見えると思う。でも私からすればむしろ自然でキャラクターの一部として機能してる。見る人は選ぶかもしれないけど、日本の一億総オタク社会ではブッ刺さる人が多い。 劇場でエンドロールの後に後日譚としての映像があるとは知らず、Netflixで見逃したのかと思ってすぐ確認してしまった。これがYouTubeで見れるのもありがたい。(しかも追加上映からだった!) Netflix初出だったが劇場公開されて連日満席になっている現象もこれまで無いように思う。この作品について論文が書けるくらい価値あるひと作なのは間違いない。 あぁ、今のこの盛り上がりを、この空気感をずっと大事にとっておきたい。また何年、何十年経ってからも、良かったよなあって思い返したい。 今年ベストが出てしまった。