LEE DANIELS' THE BUTLER
戦い方は人それぞれ、問題は戦わなければならない差別と偏見があること。 自分から逃げないことが肝心。
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綿花畑の奴隷として生まれたセシル・ゲインズはホテルのボーイとして働いているときにホワイトハウスの執事にスカウトされる。彼はそれから大統領に仕え、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争など激動の時代を執事として、夫として、父として生きる。
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戦い方は人それぞれ、問題は戦わなければならない差別と偏見があること。 自分から逃げないことが肝心。
南部州ジョージアの黒人制綿花プランテーションで給仕係の奴隷として育った少年は、やがてホワイトハウスの執事として登用されることとなる。 ◆ We got two face. 34年間ホワイトハウスで大統領に仕えてきた黒人執事Eugene Allen氏の半生を基に制作された作品。2008年にBarack Obama氏が合衆国初の黒人大統領に就任したことを機に、同氏の激動の半生がワシントン・ポスト紙に掲載されたことで当時注目されたそうです。 南北戦争後も奴隷制度が残り続けたディープサウスの奴隷制大農園で、黒人奴隷の子として生まれたCecil Gaines。幼少期に主である白人一家の一人によって彼の母親は納屋で暴行され、父親は目の前で理不尽に射殺されてしまいます。「法律は守ってくれないどころか黒人に牙を剥く。」その後もジム・クロウ法によって人種差別が合法とされていた時代を生きたCecilは、本当の顔と白人に見せる顔を使い分け、優秀な給仕として仕事に打ち込む事で自信の身を守ります。 そんな主人公のCecilを演じたのはForest Whitaker。素晴らしい演技力で素の顔と黒人執事の顔とを演じ分けています。それだけでなく、34年の歳月を経た晩年の所作にも違和感がありません。アカデミー賞をはじめ数多くの賞に輝いた名優の演技が光っています。 ◆ Darkness cannot drive out darkness. Only light can do that. 1926年にジョージア州の大農園で父を喪うショッキングなシーンから幕を開けた今作。そこから2008年にBarack Obama大統領が就任するまでの期間を描いていますが、黒人執事である主人公の視点から82年の間に合衆国で発生した主要な人種差別に関する事件やイベントが大まかに取り上げられています。実際の資料映像が作中でも使用されており、興味をそそられます。『フォレスト・ガンプ』でもそうでしたが、歴史的背景を知ることは映画を観る上で非常に有用だと痛感します。 ︎︎︎︎︎︎☑︎ エメット・ティル事件 ︎︎︎︎︎︎☑︎ リトルロック高校事件 ︎︎︎︎︎︎☑︎ ジム・クロウ法とシットイン ︎︎︎︎︎︎☑︎ フリーダム・ライドとKKK ︎︎︎︎︎︎☑︎ 血の日曜日事件 ︎︎︎︎︎︎☑︎ キング牧師とマルコムX ︎︎︎︎︎︎☑︎ ブラックパンサー党 やはり50年代から60年代にかけての時期は公民権運動の機運が高まっており、非常に見応えがありました。70年代には、当選こそ逃したものの、Cecilの長男であるLouis(David Oyelowo)が民主党下院議員候補として政治参加するに至っており、2008年時点では当選を果たしていた事が窺えました。どんなにひどい仕打ちを受けても声を上げ続けたLouisの忍耐力は、間違いなく父親譲りのものでしょう。 ◆ America has always turned a blind eye to what we done to our own. 黒人執事の視点から見た合衆国ということに加えて、本作では父子の確執という人間ドラマが物語に深みを与えています。 幼い頃に「白人の王国」を目の当たりにして育ったCecilは、執事として「二つの顔」を使い分けることで耐え忍び生き抜いてきました。そんな彼らの上品な所作や振る舞いは「ステレオタイプの黒人像を変えた戦士」としてキング牧師から評価されていました。 一方、奴隷解放宣言から百年近くが経過し、公民権運動の機運が高まる時世を生きるLouisは、耐え忍ぶのでは無く、黒人の権利を主張するために危険を顧みず積極的に声を上げて行動を起こします。 絶対的に価値観の異なる父子が衝突する時、家族であるが故に「本心の顔」をさらけ出すCecilがとても印象的でした。そんなCecilも、合衆国に対する違和感(自国の歴史の暗部から目を背けておきながら、強制収容所のような海外の歴史にはあれこれ口を出す)を覚え、次第に誇りを持っていた仕事に打ち込めなくなっていきます。老年のCecilがLouisと共にデモに参加して、共に刑務所に収監されるシーンは微笑ましくもありました。 遂に当選を果たした初の黒人大統領が演説で多用していたキャッチーなフレーズは、親しみやすさを演出し聴衆を沸かすためのパフォーマンスだと思っていましたが、今作を観てからは主語が指すイメージがガラッと変わりました。 〝Yes, we can.〟
戦いには色んな形があるんだなと 実話に基づいてというところがなんとも… 素晴らしい作品でした!
トランプが大統領に就任したこのタイミングで見れて本当によかった。 肌の色に関わらず、どこの席にも座り、バスにのり、どこにでも行けることが当たり前のこの時代が実現したのって たくさんの人達の地道な努力と想像もつかない我慢の集大成なんだ。ってひしひし感じる作品だった。 歴史の教科書ではよくない大統領も、 実際は普通に一人の人間で、 代が変わっても大統領につかえ続ける執事からはどの人も尊敬できる人達だったんだと思う。 オバマが当選するラストシーンは大好き。鳥肌。 黒人の人達にとってこの8年間はとても誇りだと思う。 具体的に何が変わったわけではないかもしれない。でも、世界の人々の意識の何かが確実に変わった8年間だったんだと思う。
とても面白かったです!