リアルだけどフィクションな展開でワクハラ
ベースが実話だけあって、フィクションなのにリアルだし、登場人物の状況が3人それぞれ全く違う世界なのにその3人が組んで組織を立ち上げ、崩壊するストーリーが短い時間でリアルに展開する。実力のある役者が揃って、それぞれの持ち味を出しながら醸成された、素晴らしいエンタメであり社会批判でもある作品になっている。
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2017年に中部国際空港で主婦たちが【金の密輸】で逮捕されたという実際の事件から着想を得たオリジナル作品。夫の横領と借金を突然知った二児の母、借金を抱えた研究者、そして貯金ゼロの未婚の妊婦。犯罪とは無縁そうに見える3人が偶然出会い、【金の密輸】を通して仲間としての絆を深めていく。お金と自由を手にし、それぞれの人生をやり直すリベンジゲームが始まる!
ベースが実話だけあって、フィクションなのにリアルだし、登場人物の状況が3人それぞれ全く違う世界なのにその3人が組んで組織を立ち上げ、崩壊するストーリーが短い時間でリアルに展開する。実力のある役者が揃って、それぞれの持ち味を出しながら醸成された、素晴らしいエンタメであり社会批判でもある作品になっている。
意外と面白かった。 中部空港で韓国籍の主婦らが金塊の無許可輸入で逮捕され有罪判決を受けた2017年のニュースに着想を得たという本作。同じ時代設定で創作されているが、完全なフィクション。 東京税関の協力で製作されているから、ちゃんと捕まる。そして、2018年以降金の密輸に対する取締りや罰則が強化されたことが映画の最後にテロップで示される。 2017年当時から比べると金の価値は5倍くらいになっているし、消費税率も8%から10%に上がっているから、いま同じ量の金塊を密輸すれば儲けはかなり大きい。その分金の仕入れ値が高くなるし、極端な円安で渡航費や滞在費も高くなっているだろうから、元手資金がそれなりに必要にはなるが…。 金塊密輸のアルバイトに参加してシンガポールで知り合った3人の女性による犯罪物語なのだが、ピカレスクロマンというよりスラプスティック要素が強い。 3人は全く境遇が異なっていて、普通なら知り合う機会などなかっただろう3人だ。 主人公の小川和歌子(有村架純)は2児の母で専業主婦。ほとんどの場面で0歳児を抱っこひもで抱っこしている。免許はあっても運転はできない。 最年長の角田清恵(黒木華)は細胞生物学(だか何だか)の研究室に籍を置く独身の研究員。韓国(?)男性アイドル・グループの熱烈なファンで、時々踊る。 最年少の日野麻由(南沙良)はキャバ嬢で、アバズレの母親と高校生の妹がいる。妊娠しているが夫はいない。 彼女らの三者三様のやむにやまれぬ事情がちゃんと描かれているが、とことん不幸だったり、とことん不運だったりするのは本人に全く原因がないとは言いきれない。 我慢を続けているうちに、気がつくと自力では現状を打破することができなくなってしまっている…そんな人は少なくないのではないか。かく言う私も、その一人だ。 彼女らにもそんな面があったとして、それでも夫や上司や母親にほとんど原因があり、その元凶の人たちのキャラクターは極端で、かなり酷い。さらに、家族や同僚や社会の状況が彼女らを追い詰めていくのだから、世の中が悪いと彼女らが結論づけてしまうのは無理からぬところだ。 そこに一脈の説得力はあるから、我らはすっかり彼女たちの味方になってしまう。 闇バイト(2017年にはなかった言葉だと思うが)に就いてしまってからのスラプスティックが軽妙かつ危なっかしくて面白い。 そして、どこか爽快感すらあって『テルマ&ルイーズ』を想起しないでもない。 主人公の和歌子は親や兄弟、親戚などから〝決めつけ〟られて育ったようだ。 「昔からそういうところがあった」「いつでもそうだった」何気なく親しい人に対して言ってしまいがちなひと言だが、いろんな人からそんなことを言われ続けている側にとってはたまったものじゃない…と、気付かされた。 あんたに私の何がわかるのか…と言いたくても言えずに今日まで生きてきたのだろう。 和歌子の「わたしの話を聞いて!」という叫びは痛烈に私の胸を突き刺した。 我慢の人だった和歌子が遂にひらき直り一大決心をすると、ペーパードライバーなのにスポーツカーも運転できてしまう。 この火事場の馬鹿力的な大胆行動をハラハラしながら応援しないではいられない。 彼女自身がモノローグで語るとおり、「こうなることは分かっていた」結末を迎えても、まだ彼女には未来があるはずだ。 和歌子が乗ったバスの行き先は、彼女の新たな未来であってほしい。 有村架純は人気女優のトップクラスを走り続けているが、演技者としての高い評価はあまり聞かない。 同世代の女優陣をながめると、岸井ゆきの、門脇麦、趣里、吉岡里帆、のん、志田未来…なかなかの激戦区にいる。 ルックスや癒し系キャラが好感度を上げているのはよく分かるが、演技者としてももっと評価されていい女優ではないかと思う。 さて、和歌子に負けず大胆な行動を起こした清恵はどうなっていくのか、麻由は子供を産んであの母親がいる環境で無事に育てていけるのだろうか、と他の2人の未来も気にかかる。
発想、女優陣のうまさが光っていた
作品だなぁと思いました。 若くて結婚し家庭をもてても、 顔が綺麗で水商売でひっぱりだこでも、 仕事である程度成功してキャリアを詰めても お金は幸せに必要なんだな、 と基本的なこと考えさせられましたな 何かがないから 危険を顧みずとも 犯罪をやってみたくなるのかなぁと
有村架純。 ぽわ~んとした空気を持ちながら芯の強い一面も見せる。いつか何かのインタビューで、若い頃は自分軸がなくてふわふわしてた、今は思っていることや言いたいことに早く辿り着けるようになったと。 選ぶ言葉や言い回しも独特で、一見はぐらかしてるような感じに映るがそうではなく、しっかりと自分を見据えて、自分を見る「人の目」ではなく「自分の目」を意識して過ごしているような気がした。 優れた人格者はいつも逃げずに自分と向き合っている。 そんな人格者が犯罪を侵し逃げる姿はかなり貴重だったと思う。 背負ってる過去、借金、子供たちの重さは充分理解できる。それでも例えこれらが何の説明がなかったとしても、有村架純が演じることでなんか理由はあるんやろうなあと補足して見てたであろう。あ、そうか。だからきちんと説明はいったのね。順序立てて犯罪の道に走った理由を。いい意味で誤解しないように。決して美化してはいけない題材ではあるので。 全体的に結構コメディに振り切っている場面もあってとても見やすい作り。斎藤工は面白い人間性を醸し出してました。さすが。この人も何でもできますね。監督から求められてるものをきちんとお返しできる人。 あくまで徹底したドス黒い裏社会の描写は入れないバランスがとても見やすいものしてました。現実を描くとしたら甘いといえば甘い作りではあるけどポップな作りのバランスが絶妙に良かった。シリアスよりポップさを選んだ戦略が良いセンス。 学生の手柄を横から奪い取って悪びることなく開き直る大学教授を演じさせると右に出る人はいない佐野史郎(笑)。 面白いツアーです。 まさに「あなたのわがままに応えるスペシャルプラン」。楽しく非日常を味わえて激安!ならぬお金が貰えるという(笑)。 途中で新規の奥様方を雇って実施された本物のツアーのようなツアー。主婦が楽しそうにガチャガチャしてる感じを見ることで、自分の人生で抑圧された鬱屈が晴れていく気分になりました。