小さいスクリーンだと
作品の良さが伝わりきれないかも 終始胃は痛かったので、それが狙いなら大成功だけど、ラスト直前までは間延びしてるように感じた
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砂漠で行われるレイブパーティに参加したまま失踪した娘を探すため、父ルイスと息子エステバンは、モロッコの山岳地帯から砂漠の奥深くへと車を走らせる。行き着いたのは、現実と幻覚が混濁するような野外レイブのカオス。耳をつんざく重低音、赤い照明の海、沈黙を貫く父親の背中。だがそこにはすでに娘の姿はなく、父と息子は、レイブの参加者グループを追って、娘が向かったと思われる次のレイブ会場を目指すことになるが......。
作品の良さが伝わりきれないかも 終始胃は痛かったので、それが狙いなら大成功だけど、ラスト直前までは間延びしてるように感じた
雲を掴むような手応えのない娘捜索の旅が、いつしか砂漠地帯のサバイバルに変容し、遂には軍用兵器と対峙する恐怖体験に転換する。 カンヌで話題をカッさらったこの映画は、PRのとおり予測不能の驚きの映画だった。 重低音が刻むリズム、トランス状態で踊るレイヴァーたち… 映画のオープニングシーンで積み上げられていく音響機器は、ピラミッドか太古の神殿のようでもある。 レイブパーティーとドラッグは切り離せないような気がして(勝手なイメージ)、ヒッピーとLSDの関係と変わらない印象だ。そんな意味で『イージー・ライダー』を思い出させる。 パーティー会場から強制退去させられたレイヴァーたちの一部が車で砂塵を巻き上げながら荒野に向かって走り出したその様は、『マッド・マックス』シリーズの殺戮のデスロードを彷彿させ、実際に彼らがたどる道程は死のロードだった。 大自然でのロケーションの迫力が、すなわち荒野がもたらす得も言われぬ恐怖を提示する。 砂漠地帯を突っ切ろうと進む一行は、川を横切り、車幅すれすれの崖道を行く。これには『恐怖の報酬』を想起しないではいられない。 あの映画の男たちは金のために命をかけるのだが、はたして本作の父と子は、あるいはレイヴァー仲間たちは、いったい何のために険しい道を行かねばならなかったのか。 ジワジワと染みてくる得体の知れない恐怖には、人智を超越した力さえ感じてくる。 この物語は、いったい何なのだ!! 映画でしか表現できない、これは映画による映画のための企画だと思う。 決して心地よくはなく、カタルシスも納得感も得られない。 自由への逃走、反戦メッセージ、父と娘の断絶と愛、不具者たちの疎外感、様々な観かたで様々な読み取りかたが可能ではあるが、つまりは映画でしか描けない物語を見せつけたのだ…と、思う。 登場するレイヴァーたちは、ほとんどがレイブ会場でスカウトした本物で、演技素人だということにも驚く。
レイヴの音を愉しむために劇場へ。 足の裏や腰、シートから伝わる振動を体感。 (爆音映画祭でまた観たい) 「シラート」を歩む。 覚悟を持って歩むものなのか、気づけば踏み入れているものなのか。 あまりに緩急が想像の斜め上をいく瞬間があって、久しぶりに没頭して泣いたし呼吸を忘れた。 ここまで喰らったのは久しぶり。
まず無心で見た結果、いっぱいの人と壮大な砂漠のスケール感で映画館で見る映画であることは容易に想像ができた。 しかし、この先の全く読めない展開。 真意を図りかねたが、これはもう体を委ねるタイプの映画であることも容易に想像できたのでそのまま没頭する。 急に物語の曲がり角でどデカい落とし穴。 わー、わー、と動揺しながら次々にやってくる衝撃。 これは先が読めない。想像は困難。 ラストまで気の抜けない展開だった。 不安に包まれながらも文字通り人生の無常さを感じた。 あとで調べた結果、「レイヴ」という文化がこの映画の核心でらしい。 なるほど。だいぶ根深い。 踊り狂って堕落の極致のような振る舞いでありながら、トランス状態から神に近づくという高尚な願いもある。 なんでこんな結果になってしまったのか。 反省を促す流れもありながらそれは神の仕業というような儚さもある。 はっきりとした答えはない。 白黒つけるために映画を観るわけではない。 それで良い。 (そして「レイヴ」という文化を知らなくても良い。何かわからないが確実に自分の中に残るものはある) 不穏さはそのまま家に持って帰った。 たぶんこれらは血となり肉となり人生に滲んでくるだろう。 今、「死は向こうからゆっくりとやってくるものではない。生と死は表と裏にある。急にひっくり返ることがある」というホスピスの第一人者、柏木哲夫さんの言葉を思い出した。 急にやってくる「死」は映画の中のものだけではない。日常に潜んでいる。
生と死の細い線のような道?をシラートと言う、と最初の方で説明されて、それがあったから、この映画の流れの中で描かれてる生きていられるのか死んでしまうのかの境目の細さを見て、その細さってこの映画のようなすごいことが起きてなくても、僕らの毎日のこの人生も、この映画の中のようなシラート(細くてギリギリの線のようなもの)をたどっているのだろうと思った。そう思えたから良かったけど、あと最初の説明(生と死の間の細い線をシラートと言うという説明)を見逃していたら、そのように考えることはできなかったかもしれない。主人公(お父さん役)の人は素敵な俳優だと思った。