小さな復讐を果たす
一回の恋で幸せを掴むのは稀である。 初恋の実る確率はどれくらいだろうか。 なので、多かれ少なかれきっと誰もがしてる経験なんだろうと思う。 もしもの話はキリがないし考えたところで戻すことはできない。マルチバースはない(あるかもしれないが自由に… 続きを読む
一回の恋で幸せを掴むのは稀である。 初恋の実る確率はどれくらいだろうか。 なので、多かれ少なかれきっと誰もがしてる経験なんだろうと思う。 もしもの話はキリがないし考えたところで戻すことはできない。マルチバースはない(あるかもしれないが自由に行き来はできない)。 たぶんこの映画を見ることで誰もが自分の痛みと向き合うことになるんだと思う。時間の経過という恩恵を得て思い出に変わっている痛みに(なので、別れた直後に見るのはお勧めしない)。 わたくしは男性です。基本的に男性目線で見てました。やはり自分の過去の思い出を想起します。そしてその挙げ句、どうしようもなく胸が痛い。思い出に変わっているはずの痛みが容赦なく襲ってきます(あれ、おかしいなあマイルドになってるはずなのに笑)。 自己中心的で相手の気持ちを考えず話を聞かないで自分だけがしんどいと思っていてただイライラをぶつける。 全てが自分に返ってきます。 今ならある程度わかる。 あの時、優しさのつもりで彼女の判断に従い全て言う通りにして自分を押し殺して我慢していると思っていた自分は、実はその判断が間違った時に彼女のせいと責任を転嫁して自分を守るための保険であったのだと。 (「転嫁」の漢字が「嫁」になってるのは本当に嫁のせいにするという意味なのかもしれないなあと思ってしまったが語源とは関係ないでしょう笑) 結局はジコチューの塊。最低の人間だった。 数年後に偶然出会った2人がお互いに過去の話をする。「もしも」の話を振り続けて答えを求めるウノ。そんなことジョンウンにわかるはずがない。なのに執拗に聞いてくるウノに対して、ジョンウンは小さな復讐を果たす(ウノの変わらなさを感じたのだと思う)。 絶望。 しかしその後すぐに後悔しそれを否定してカバーをしたジョンウンは本当に優しい人だ。 そしてこの映画自体が最低の人間だった私に対する過去からの小さな復讐でもある。 映画は、現実がモノクロ映像、過去がカラー映像で描かれる。時系列がコロコロ変わるのでわかりやすくする効果はあると思うが、その他にも映画内でも示唆されるが色のない世界は何かを無くしている世界、間違っている世界という意味。 映画が進むと同時に現実がカラーに戻ってくれることを祈りながら見ました。なかなかないですね、祈りながら映画を見ることは。 「ララランド」に似てる。 最終的な結論やお互いの夢を追いかけた結果も。そしてそれはハッピーエンドであるということも。「ララランド」はラスト2人の笑顔で全て回収されるのに対して、この映画は2人の笑顔から始まる。真逆の構成になってるのが面白い。 見終えて家に帰ってきたけどまだ心は戻って来れない。しかし、それでいい。しばらくこのままでいたい。