完全無欠で完璧な映画。
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
こんなに完璧な映画は他に知らない。全てが計算されてバシッと嵌め込まれて完成されている。 お父さんのために練習した歌が、最後にスアンを救った。そしてそれはお父さんの1番の願いだっただろう。スアンが生き残ること。即ち、それが「お父さんのため」。 (発表会の途中で歌うのをやめた理由として途中てさらっとわかるのがまたたまらん笑) 何回見たかなあ。それでもまだ新発見がある。ちょっとなのであとは箇条書きでお願いします。 ・とどのつまり、この映画は大切なことを忘れたお父さんがそれを取り戻す話。ゾンビ(感染者を愛情を込めてゾンビと呼ぶ)はそれを思い出すための装置でしかないのかもしれない。大きな視点で見たらゾンビはマクガフィン。 ・それでもゾンビはこの映画の華。あの気持ち悪い動き。アレがこの映画の格を上げているのは間違いない。 ・人物の描き方がさりげなく端的に性格を入れ込んでいる。物語の邪魔にならないようにさりげなく。いやむしろ「キャラ」の性格が物語の推進力になっている。例えば悪者ナンバー2の車掌なんかはその立場と性格ゆえに物語の状況悪化に一役かっている。この辺がとてもうまい。本当に自然にさりげなくなんですよね。 ・父のスマホのアドレスが「スアンのママ」って表示されてたのがもう夫婦の関係性が末期であることを示してたな。 ・知性のお父さんと暴力のマドンソク。バディものとしても優れている。水と油。お互いに自分の嫌いな部分を相手に見て嫌いになる。そこからの大逆転。第一印象が悪いと恋はあとから燃え上がる笑。 ・女に弱くて力持ち。マドンソクの鉄板のキャラクターですね。着メロの設定変更がわからないエピソード笑。コンパクトだが効果絶大。 ・ゾンビのいる列車を一台ずつ突破していかなければならない設定を作りだし、それぞれに一台ずつ自然に違うやり方になっていく。ゾンビの生態を徐々にわからせてくる展開もうまい。 ・自分の安全を守るために損得勘定で人を切り捨てる人間たち。最低な行動だ。それでも気持ちはわからないことはないところが怖い。ジニが「この人たちの方が(ゾンビより)怖い」と言ったのもよくわかる。しかしそれでもこの人たちが普通の人間たちであって自分かもしれないという恐怖もある。中盤でこの展開!ここのテーマがメインでも充分可能。ここからまた派生して続くから目が離せない。 ・バス会社の社長のヒール具合が過剰でよい。最期に子供に戻るのが効いた。「幼さ」なんですね。結局、偉そうなおっさんって幼いだけ。ガキなんです。気をつけよう自分も。 ・おばあさん姉妹がやたらに響いた。優しい姉とひねくれた妹。妹の最期は、非情な社会に復讐を果たした。ここに最大のカタルシス。妹はただお姉さんの元に行きたかっただけかもしれないが。 ・恐怖の隣にはいつもエモーショナルはある。 ちょっとのつもりが長くなってしまった笑。やはり語りたくなる映画はいい映画だ。