Fire in Water 永田康祐映像作品集
あらすじ
写真、パフォーマンス、インスタレーションなど複数の領域を横断しながら独自の表現を展開してきたアーティスト・永田康祐の映像作品を映画館で集中的に紹介する初の特集上映。表題作『Fire in Water』を中心に、初期作から最新作まで、永田康祐の映像表現の軌跡を総覧する。 『Fire in Water』日本でも人気のクラフト・マッコリ。その一杯には、知られざる歴史が発酵している。韓国語で酒を意味する「スル」は、「水(ス)」と「火(プル)」に由来するという説がある。泡立つ発酵の様子が、まるで水の中に火が宿るように見えたからだ。永田はこの「水の中の火」というイメージから、日本統治下の朝鮮半島における稲作と酒造の歴史へと分け入っていく。食料増産と税収確保のために導入された技術や制度、米品種、日本式の麹や酵母──。発酵という現象をひとつのメディアとして、遺伝子や微生物、法制度といった目に見えない存在に今なお宿る植民地主義の残響を映し出す。 『Fish of Empire』日本の南進政策とタイの開発政策を背景に東南アジアへ広がった魚、ティラピア。一匹の魚の移動から、生態系の変容と政治権力が交差する歴史の水脈をたどる。 『Suddenly This Overview』第二次世界大戦中、大規模な捕虜脱走事件の現場となったオーストラリア・カウラ。日本人戦争墓地と日本庭園を往還しながら、戦争、植民地主義、和解と、幾層にも堆積した記憶を静かに掘り起こす。 『Purée』17世紀フランスで生まれた「ピュレ」は、かつて富と権力を示す料理だった。だが今日では、乳幼児や高齢者を支えるケアの食でもある。その対照的な歴史を手がかりに、「食べる」という営みに潜む政治性を見つめ直す。食器や調理器具、作法、他者との関係のなかで絶えず形を変える「主体」と、人間の共同性について思索を巡らせる。 『鮭になる』サーモン養殖場で寄生虫に感染した鮭と、老いた労働者が静かに時間を共にする。資本主義的な価値と生の尊厳のあいだに横たわる緊張をやわらかな手描きアニメーションで見つめる。 『Translation Zone』「チャーハン」をめぐる各言語の呼称の違いや機械翻訳の限界、分子ガストロノミーを手がかりに、翻訳と文化生成の関係を探る。他国の料理を手持ちの食材で再現したり、異なる言語へと訳するときに生じる「ズレ」を、新たな創造の契機として鮮やかに描き出す。
場面写真
予告動画
キャスト・スタッフ
- 監督
- 永田康祐
- 配給
- アギィ
クチコミ
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