やはり代表作
「の・ようなもの」から、二年。今思うと、数多いる一本つくって消えてしまう新人監督のように森田芳光が消えなかったのは、この作品のおかげ。松田優作のおかげである。優作にしても、これまで一度も演じた事のない、大学7年生にして、家庭教師。宮川、辻田… 続きを読む
「の・ようなもの」から、二年。今思うと、数多いる一本つくって消えてしまう新人監督のように森田芳光が消えなかったのは、この作品のおかげ。松田優作のおかげである。優作にしても、これまで一度も演じた事のない、大学7年生にして、家庭教師。宮川、辻田の兄弟も良いが、何といっても、伊丹十三と由紀さほりの夫婦の演技が傑出している。伊丹はこの出演を契機として、自身初めての監督作品「お葬式」を2年後に発表する。由紀さほりは、歌手なのにバラエティも芝居も上手い。ドリフのコントとは、一線を画すお芝居で、不安定な家族のギリギリの重心を真面目にまともな感性で演じきった。 森田芳光自身が語るように、暴力といじめだけが理由ではない、壊れた受験生の再生を請け負う異色の家庭家庭教師と、家族の物語を挑戦的に描いた作品である