胸をうつ不朽の名作
午前十時の映画祭にて鑑賞。 今ではありえない長尺かつローテンポな物語、入り込めるだろうかと序盤心配したが、いつのまにか夢中になり、人間模様に笑い涙した。 映像や音にもクロサワのこだわりを感じることができた。
国内最大級映画チケット予約サービス アプリで開く
午前十時の映画祭にて鑑賞。 今ではありえない長尺かつローテンポな物語、入り込めるだろうかと序盤心配したが、いつのまにか夢中になり、人間模様に笑い涙した。 映像や音にもクロサワのこだわりを感じることができた。
貧民救済の養生院で医療に励む医師”赤ひげ”と、図らずもそこに勤めることになった青年の物語。出世を夢見て長崎で最先端のオランダ医学を修めた彼は、当初そこでの修行を拒んでいたが、やがて”赤ひげ”の薫陶を受け、人間的成長を遂げる。一方の主人公は患者たちで、貧困から病に至った彼らは、皆様々な因果を持つ。惨く悲しく儚いが、厳かで美しく清々しい映画。脚本・演出・演技・映像・音楽・美術すべての要素が完璧な奇跡の作品。「政治が貧困や無知に対して何かしたことがあるか」という”赤ひげ”の台詞が、今尚リアリティを持つことに驚かされる。
「不朽の名作」と思って観るからか・・ いや、確実に「不朽」がそこにある。 長編なのに、もっと観たくなるラスト。
貧困者医療を下敷きにしたヒューマンドラマであり、新米医師の保本の成長物語。 六助や佐八、おとよや長次といった弱者が救済されていく姿に心が打たれる。 同時代の黒澤作品の中では音楽の使い方がいい。あと、カメラワークがよく鋭いカットが脳裏に刻まれる。 赤ひげは、現代でも通用する理想的な医師像そのもの。 この作品を超える医療映画を作るのは難しいのでは、と思わせるほど完成度が高い。