壮大な歴史ドラマ
列強が世界で覇権を争っていたころのお話 圧倒的な映像 これから先、こんな映画撮れないだろうな
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1916年、カイロに赴いている英国陸軍のロレンス少尉(ピーター・オトゥール)は、トルコへの反乱に意気込むアラブ民族の現状を確かめに向かった。そこで彼は反乱軍の非力を痛感し、アラブ種族をまとめ上げてゲリラ戦へ打って出ることに。やがて、トルコの一大拠点を巡って激闘を展開し、勝利する。そして、再びゲリラ戦の指揮官として新しい任務を与えられ、トルコ軍を打倒するロレンス。だが、一方でアラブ同士の争いが起こり、彼も尽力むなしく徐々に孤立していく…...。
Photo:AFLO
列強が世界で覇権を争っていたころのお話 圧倒的な映像 これから先、こんな映画撮れないだろうな
実在したイギリス人将校であるトマス・エドワード・ロレンスが率いたオスマン=トルコからのアラブ独立戦争を基にした歴史映画で、過酷な砂漠ロケを1960年代に敢行したスペクタクル作品。 1935年、バイク事故で1人の男が死亡した。 男の名はロレンス。かつて、ハウェイタット族やハリス族などアラブ部族間の争いを治め、オスマン帝国からの独立に導いた伝説のイギリス軍人だった。 時を遡った1916年、エジプトはカイロにあるアラブ局から左遷されたロレンス(『スタントマン』のピーター・オトゥール)は、イギリスの軍規に背き、アラブのファイサル王子(『スター・ウォーズ』シリーズのアレック・ギネス)の命によりアカバ陥落を海からでなく陸のルートで目指す。 英仏露が秘密裏に交わしたオスマン=トルコおよびアラビアの分割統治協定であるサイクス・ピコ条約の存在を知る前に、密約があることに勘づいていたロレンスは、失意の末に転属を申し出るが時すでに遅く、軍はダマスカス侵攻の計画を進めていたのだった。 今作の名画たる所以はそこかしこに存在するが、何と言っても劇中に流れる楽曲が印象的だ。 一癖も二癖もあるロレンスのキャラクターに冒頭から引き込まれる。 ただ、前半のマイペース全開は賛同しかねるし、ダウドを失った喪失感は分かるがコメントもなく無気力な表情をされては観客も困る。 ロレンスを崇拝する2人を、仲間として迎え入れるかと思いきや召使いにするのはやはり時代だろうか。公開時ですら1962年であるし、今でこそ感じる違和感はその当時さほどではなかったと推測する。 またアカバ進撃直前の小競り合いは、ロレンス自らが処刑する以外に手立てはなかったのか甚だ疑問である。 ロレンスの功績とされるオスマン帝国の崩壊は、現在まで続くアラブ諸国の政治的不安定の遠因となっているという指摘がある。 歴史映画である以上、モデルとなった出来事や人物の功罪は加味せざるを得ず、それゆえに時代の変化と共に映画全体への評価にまで影響する。 そういった面白味も感じつつ、やはり登場人物のキャラクターや劇中音楽は史実の功罪と切り離しても素晴らしいものだと言えると思う。