デューーーン…
フランク・ハーバートによるカルト的SF叙事小説『デューン』を、1970年代に実写映画化しようとしたメキシコ人監督アレハンドロ・ホドロフスキー。 『ホーリー・マウンテン』の成功など彼の作品を辿りながら、映像化不可能と言われたSF作品に魅了され… 続きを読む
フランク・ハーバートによるカルト的SF叙事小説『デューン』を、1970年代に実写映画化しようとしたメキシコ人監督アレハンドロ・ホドロフスキー。 『ホーリー・マウンテン』の成功など彼の作品を辿りながら、映像化不可能と言われたSF作品に魅了された男の、そして「未完の傑作」の行く末を描いたドキュメンタリー。 実際に撮影されている映像はほぼ皆無であるものの脚本は完成しており(ものすごく見てみたい)、著名な漫画家メビウスによる詳細な絵コンテが映し出されることで映画の様相を呈している。 『エル・ポト』、『2001年宇宙の旅』、『ダーク・スター』などホドロフスキーのフィルモグラフィやそれまでSF映画の礎を築いてきた作品群の映像を挟み、『DUNE』が公開されることで示すはずだったSF映画の方向性や立ち位置が明かされていく。 このドキュメンタリーを通して、『DUNE』には不思議な魅力があることに気付かされる。ホドロフスキーは、監督することを決めた時点で原作を読んだことがなかった。SF画家のフォスは、原作を読むことなく宇宙船のデザインアートを描き上げた。 原作の複雑さや壮大なスケールのみが映像化の障壁となったわけではないことも分かる。例えば、宇宙皇帝役のサルバトーレ・ダリがとんでもない要求を突きつけたことで予算が高騰したことだ。 制作中止になったことで、ポールを演じる予定だった息子のブロンティス・ホドロフスキーが、スターになり損ねたと悔しそうに語る姿がなんとも切なく、印象に残った。