夢の形はひとつじゃない
日本の長く抱える一次産業の後継者不足を始めとした農業従事者の問題をメインテーマとした種まく旅人シリーズ3作目。 人との繋がりや若者が夢に挫折しながらも新たな道を模索しながら進む姿を、とても丁寧に描いているヒューマンドラマ。 地方発信であるこ… 続きを読む
日本の長く抱える一次産業の後継者不足を始めとした農業従事者の問題をメインテーマとした種まく旅人シリーズ3作目。 人との繋がりや若者が夢に挫折しながらも新たな道を模索しながら進む姿を、とても丁寧に描いているヒューマンドラマ。 地方発信であることが徹底されていながら観光映画に落とし込まれず日本の農業の現状、岡山の特産物についてのルーツなどにも触れていて、これをひょんなことから出張でやってくることになる農産省の役人、治を通して学ぶ事が出来るため、小中高の学校教材としても広まっていって欲しい。 高梨臨さん演じる彩音だけでなく、それぞれの心の襞が押し付けがましくなく描かれており、斎藤工さん演じる「イマドキの若者」も徐々に動かされていく様と、 得てして一般的には絡めてしまいがちな恋愛エピソードもほのかな恋心に留め、そこから絆に育たせたところもとても良かった。ひとえに佐々部監督の力量ですね。 観終わった後に無性に桃と葡萄とトマトが食べたくなります(笑) 「ここはどこですか?」 「赤磐です」 このセリフの持つ意味が映画を観たあとには心にしっとりと、沁みます。 そういい場所を、土地でなくても心を耕して育てたいとも思える作品。