シュールレアリスム
岩波ホールはシニアの方々で満席でした。ちょっと気の毒な気がしますね。主人公と同世代の方々は多分主人公の人生に自分を重ね合わせたいでしょうし涙も流したいと思いますが、そんな期待をあざ笑うかのような映画です。 中世の断頭台に、何処ともわからぬ… 続きを読む
岩波ホールはシニアの方々で満席でした。ちょっと気の毒な気がしますね。主人公と同世代の方々は多分主人公の人生に自分を重ね合わせたいでしょうし涙も流したいと思いますが、そんな期待をあざ笑うかのような映画です。 中世の断頭台に、何処ともわからぬ戦場の戦闘と略奪行為、そしていきなり現代へ、また人物も場面も目まぐるしく交錯します。脈絡も何もあったものではなく、小さな事件の数々も笑えたりそうでなかったり。 途中からは完全にシュールレアリスムなのだなと悟ってからは、読み取るのはやめようと。なんでも意味を見出さないと納得しない観衆をあざ笑ってさえいそうな気がしましたから。 あとで監督のインタビューを読みましたけれど、この映画の通奏低音として弱者を対するいたわりと人間讃歌があるということは理解できました。 しかしこの映画の描写では、馴染みの薄い日本人としては、まさに煙に巻かれる気がしますね。 好きな人はたまらないのかもしれませんが。 以前「裸足の季節」にもコメントしましたが、日本の配給会社はもっと的確なプロモーションをしてほしいですね。この映画にもせめて“シュール”のひとことをどこかに入れてくれれば、もう少し心構えが変わったし、岩波ホールの客層も全く変わったのでは。せっかく足を運んでくれたシニアの方々がちょっと気の毒です。みんな煙に巻かれてましたから。 フランスはご本家だけあってシュールさの描き方が自然で、さりげない会話のでの脈絡のなさ、日本人のようにいちいちオチをつけないふてぶてしさというのは、観てみて感心しました。個人的にはワインをあざ笑うかのように振る舞うふたりのやりとりが気に入りました。