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カレーライスを一から作る ポスター

カレーライスを一から作る

4.0 96分 2016/11/19 (土) 公開
ドキュメンタリー日本
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あらすじ

「グレートジャーニー」シリーズで知られる探検家・関野吉晴が武蔵野美術大学の課外ゼミとして行った活動を追ったドキュメンタリー。野菜や肉、米、スパイス、塩、、器やスプーンに至るまで、カレーライスを作るのに必要なすべての材料を一から自分たちの手でつくるという計画を発案。集まった100人以上の学生たちと、9カ月にわたる試行錯誤を経てカレーライスを完成させた。参加した学生たちが野菜づくりに苦労する姿や、食べるために飼育した家畜を殺すべきか悩む姿を通し、「食べる」「生きる」という人間にとって当たり前の営みを見つめ直していく。

場面写真

キャスト・スタッフ

監督
前田亜紀
キャスト
関野吉晴 ほか
配給
ネツゲン
公式サイト
http://www.ichikaracurry.com/

クチコミ

☆4.0

- 2年前
簡単においしいきれいな食材が手に入る、コスパ・タイパが持て囃される時代の視点から見れば、一貫した無駄と非効率の連続だ。 その上、この授業は単位にならない。9か月も休日返上で朝から田畑と鶏の世話をして、物理的に得られるものは決してグルメ的に美… 続きを読む

簡単においしいきれいな食材が手に入る、コスパ・タイパが持て囃される時代の視点から見れば、一貫した無駄と非効率の連続だ。 その上、この授業は単位にならない。9か月も休日返上で朝から田畑と鶏の世話をして、物理的に得られるものは決してグルメ的に美味しいとは言えない一杯のカレーライス。 説明会に200人以上、スタート参加者約150人で始まった課外ゼミの出席者は、テストやレポート、バイト、遊びが忙しい夏休み前に目に見えて減っていく。 しかしその一杯までの道のりで、学生たちは今まで当たり前と思っていた自分たちを生かしている食べ物がどこからどうやって作られるのか身をもってその根源を学んでいく。 何を、何月に、どうやって植えるのか、なぜジャガイモやニンジンを一種ではなく多種で育てるのか、一世代の種が流行り自家採取できる種の販売が少ないのはなぜか、化学肥料や除草剤を使わない栽培がどれだけ大変か。生き物が思い通りに育たないこと、人の意味や価値付けによって動物や植物への扱いや感情が異なること。 特別講義では芝浦屠場で働く職員に屠殺の手順や家畜とペットに対する気持ちの違い、屠殺やなめしという職業が差別される歴史を聞く。 (インドでも太鼓に使う革を加工するのは不可触民の仕事と差別される描写が映画『響け!情熱のムリダンガム』にある) その上で、本作の味付けは実に薄味だ。学生たちは特別「良いこと」を言わないし、一番のクライマックスであろう鶏の屠殺でも思ったよりリアクションが薄い。(監督曰く、過去に「なんであんなに学生たちは冷たいのか」と感想を言う観客がいたという) もっと有機農業の詳細な手順や技法を説明する「教材」にも、苦難を乗り越えた学生たちの「成長記」にも、最後に何を学んだか学生たち一人ひとりに語ってもらう「オチ」を入れることも、関野先生の語りを強調し、ナレーションや劇伴でエモーショナルに「命の大切さ」を描くこともできたはずだ。 それでも分からないことや大切なことは曖昧に、そのままに、観客にどう味わうかが委ねられている。 それを自分は滋味に富んだ、「素材」が生きた一品だと思う。 幸運にも監督に質問する機会をいただいたので、本作の「素材そのまま」な印象について聞いてみた。 Q. 前田さんの作品は、『NO選挙,NO LIFE』でも、ナレーション、劇半、効果音の少ない素材そのままに近い映画だと感じた。自分にとっては大変好みな作品である一方、万人受けしない、わかりづらい、「何だったんだこれ」と思われる危険性もあると思う。先生の語りなどウケる、為になる、感動的な部分をもっと強調しようとは思わなかったのか。 A. テレビであればそうするしやらざるを得ないが、映像作品にする以上はお客さんに委ねた、相当に削ぎ落としたものを作りたいと思った。 自分はテレビ歴が長いのだが、言わなくてもわかるような、過剰に、ぼーっと見ていれば分かるような、一つの答えに向かっていく番組を見ているともっと委ねれば良いのに、視聴者を馬鹿にしているんじゃないか、と感じることが多かった。 《余談》 監督トークショーで聞けた本作のウラ話 ①鶏の解体 「実は鶏を捌くとき男性が一切いなかった。関野先生以外は女性だけで、わいわいと『わぁ内臓が』とか言って触っていたけど、男性たちは別の階の部屋で鍋をかき回していた。なんなんだこれは、と思った。」 ちょっと男子ぃー。 そういえば女子たちは蛙やオケラを平気で素手で触って「可愛い」とか言っていたし、鶏の頭を切り落としたのも3人とも女子だった。世話をよくしていて鶏も懐いている、思い入れがあるからこそ自らの手で屠ったのだと思っていたけど、ハートの強さの差だったのかもしれない。 ちょっと男子ぃー。(2回目) ②素材としての武蔵野美大ゼミ生 「本作の一年前に京都大学の大学院生を取材していた。彼らはめちゃくちゃクレバーで、何を聞いても頭の良い回答がバンバン返ってくる。一方で、武蔵野美術大学の学生はビュアというか、カメラを向けても良いことを言わない。米の収穫の感想を求めると、『いやあ、頑張ったかいがありました』などと言わず『結構簡単にできたね』と返ってきて、おもしろいなと思っていた。 学生たちの形ばかりのものを撮ると絶対に馬鹿にされると思い、むしろ距離を置いて静かに撮っていたと思う。」 ③関野先生の教育スタンス 「関野先生はこれしろあれしろと言わず、学生と一緒に作業をする。気づく子は気づいてねというスタンス。授業自体単位にならないし、絶対参加しろともいわれない。 学生たちが途中どんどん減っていって、すわ企画倒れかと不安になり関野先生に『大丈夫ですか、カレーできあがりますか』尋ねると『大丈夫!僕が最後までいるから!』。 作物が思うようにできず悩み、それなのに誰も教えてくれないと萩原くんが怒っていても、先生は『それは自分で考えることだから』と試行錯誤を促す、ある意味放置プレイで全く動かなかった。その後、萩原くんは本屋をめぐって牛糞と米ぬかを使った有機肥料の作り方を自分で学んで実践していた。」 ④監督もやってみた 「映画の書籍化に伴い、自分も同じことを体感しようとやってみたところ、全然簡単じゃないことが分かった。ニンジンなんて何年かけてもできなかった。 有機が大事だと消費者としては思っていたが、何が大事なのかよく考えてみると、自分が食べるから、身体に良いから、ではなく土にとって良いことだと思うと腑に落ちた。」 ⑤DVD化、配信しない理由 学生たちの、特に鶏を屠ることの向き合い方を切り取られる危険性があると思った。(観客曰く、当時ポレポレ東中野で上映中だった映画『ある精肉店の話』も同じ理由だという。本作は上映会と限られた図書館、フジテレビ系NONFIXという番組でも見られる)

予想以上

- 7年前

期待してなかった分、すごくよく、そしてとても 考えさせられた。 今の子供たちやその親に観て欲しい。生きるとはどんなことなのか、なにがどうできているのか、など、色々と勉強になり考える力が出てくると思う。 ゲームもいいけど、役に立つ映画やドキュメンタリーがあること、学校の先生なんかも観て欲しい。

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