中国のゴッホ
複製画製作を生業とする中国人男性の生活と転機に迫ったドキュメンタリー映画。 ゴッホ好きとしてはマストと思い鑑賞。 世界最大の「油絵村」として有名な中国は深圳市大芬(ダーフェン)で、20年もの間、孤高の天才オランダ人画家ヴィンセント・ファン… 続きを読む
複製画製作を生業とする中国人男性の生活と転機に迫ったドキュメンタリー映画。 ゴッホ好きとしてはマストと思い鑑賞。 世界最大の「油絵村」として有名な中国は深圳市大芬(ダーフェン)で、20年もの間、孤高の天才オランダ人画家ヴィンセント・ファン・ゴッホの複製画を描き続ける男、趙小勇(チャオ・シャオヨン)がいた。しかし、その男は本物のゴッホ作品を見たことがなかった。 彼のヨーロッパ旅行は、アムステルダムに住む長年の得意先と会うばかりでなく、ゴッホ美術館で原画を実際に見て、またゴッホの母国オランダや晩年過ごし著名な作品が描かれる地となったフランスの空気を肌で感じることが目的であった。 大芬とアムステルダム、そしてフランス。3ヶ所を結びつけるのは雨、雨、雨。 「止まない雨はない」と自己の芸術を追及することに没頭したゴッホを象徴するかのよう。 複製画職人である自分は芸術家と言えるのか、この旅を通して彼の中で葛藤が生まれ、複製画を続けるかオリジナル製作の道に進むか悩むこととなる。 それ以外にも興味深いシーンはいくつかあり、例えば、アムステルダムの顧客と対面したシーン。高級な画廊で売られていると思っていた自分の複製画は、土産物屋で、しかも卸値の8倍もの値段で売られていたショッキングな事実を知ったときである。また、大芬の都市戸籍がないため、子どもが田舎の高校に通わざるを得ない中国特有の問題を学ぶことができる。 複製画の職人は「画工」と呼ばれ、「画家」となり住宅などの優遇を受けるためには公募展に3度入選しなければならないそうだ。