不思議な世界観
空気感がとても好きだった。どこか現実を生きていなさそうなパウラベーアが魅力的だった。ナチスと現代の移民問題を上手く取り込んでいたところが印象的。
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『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』のクリスティアン・ぺッツォルトが監督を務め、作家アンナ・ゼーガースが1942年に亡命先のマルセイユで執筆した小説「トランジット」を現代に置き換え映画化。現代のフランス。祖国ドイツで吹き荒れるファシズムを逃れてきた元レジスタンスのゲオルクは、パリから港町マルセイユにたどり着いた。偶然の成り行きからパリのホテルで自殺した亡命作家ヴァイデルに成りすまし、船でメキシコへ発とうと思い立つ。そんなときに一心不乱に人を捜している黒いコート姿の女性マリーと出会い、美しくもミステリアスな彼女に心を奪われていく。しかしそれは決して許されず、報われるはずのない恋だった。なぜなら、マリーが探していた夫は、ゲオルクが成りすましているヴァイデルだったのだ......。
© 2018 SCHRAMM FILM/NEON/ZDF/ARTE/ARTE France Cinéma
空気感がとても好きだった。どこか現実を生きていなさそうなパウラベーアが魅力的だった。ナチスと現代の移民問題を上手く取り込んでいたところが印象的。
0114武蔵野館にて 先ず大きな予算がかかっている映画ではない でも胸騒ぎを観客に残し、普遍的なテーマで勝負している 己の土地を追われ、好きな女を守る為に動く 運命の歯車に誰も贖えない 日本人は人ごとだろうか? 歴史は繰り返されるとこの映画は問いている。 しかし、あの主題歌はない 余韻も吹き飛ぶ。さてこれも 日本人よ映画人よ人ごとではない
今、ヨーロッパで起きている難民排斥問題について、いろいろと考えさせられた作品だった 1942年の第二次世界大戦下のドイツで、迫害に遭った小説家アンナ・セーガースが亡命先のマルセイユで執筆した小説「トランジット」を、現代を舞台に置き換えて映画化した作品 その「トランジット」が書かれた1942年当時、迫害と言えば、ナチスドイツがユダヤ人を迫害していたことを思い浮かべる そして、誰もが、ユダヤ人迫害なんて、二度としてはいけないことだと思うし、ナチスドイツは悪だと思うはずだ しかし、その話を現代に置き換え、迫害されているのは誰かと考えると、それはヨーロッパに入ってくる難民であり、移民なのである しかし、そのことに対して、誰もファシストだとは言わないし (言っている人がいても、大きな声にはならない) 難民や移民が連行されても、当然だと思っている人もいる この映画は、時代設定や、迫害されている対象を曖昧にし、 さらに、主人公を国を追われてフランスに逃げ込んだドイツ人にしている そうすることで 現在のヨーロッパでは、いつ、どこで、誰が迫害され、住む場所を追われるかわからない状況にあることを表している そして、その言葉通り、主人公ゲオルグが出会った人にたちは、次々と姿を消していくのだ そこで思う 国家や、国境というのは何のためにあるのか もしも、ドイツ人が、フランス人のIDを盗んでフランス人になりすますことができるなら、そもそも、そんなIDなんて必要ないのではないか フランス人になりたい人がいて、密入国をした上で、自分と近い年頃のフランス人を殺して、その人なりすますことも可能ではないのか それよりも、その国で暮らしている人たちが、そこで生活をしていられるのであれば、排斥する必要はないのではないか 生まれた国を追われたり、生活していくことが大変になってしまった人が 他の国で暮らすことに居心地の良さを感じているなら、そこで暮らせるのが一番良い しかし、今のヨーロッパでは、それが許されず 何も罪を犯していないのに、連行され、中には命を落とす人もいるのだ そんなヨーロッパの現実をヒシヒシと感じた作品だった そして、これまで「どんな人も受け入れる」と言っていたアメリカまで、その門を閉じることになれば、移民や難民は、行くあてを失ってしまう… とても抽象的な作品で、観る人によって受け取り方が変わる作品だと思うけど 「人が人を排斥する現実」について、考えずにはいられない作品だった 決して、他人ごとでなく「それが自分の身に起きたら…」という目線で観たい作品だった
1942年に書かれた小説を現代に置き換えて撮られた映画という事ですが、観ていてよくわからないところがありました。 主人公と夫を探す女性がどうなっていくのか、ハラハラしながら観ていました。
ドイツ国内で軍隊が人々を弾圧する。その弾圧から逃れてフランスに逃げるドイツ人。そのフランスにも占領軍の魔の手が伸びる。 ??? 街を走る車やファッションからすると、第二次大戦中とは思えない。現代の話だとすれば、国際情勢がわからない。 なんの情報も入れずに鑑賞した結果、途中で「パラレルワールド」の話なのかなとは気づいたけど、最後まで何だかはっきりせずに終わった感じだ。 鑑賞後、公式ホームページを見ると、 「ドイツ人の作家アンナ・ゼーガースが1942年に亡命先のマルセイユで執筆した小説『トランジット』を現代に置き換えて映画化。ユダヤ人がナチスの理不尽な迫害を受けた戦時中の悲劇と、祖国を追われた難民をめぐる問題が深刻化している21世紀の今の状況を重ね合わせるという大胆な試みを実践した野心作である」 とあった。 なら言ってよ〜。映画の中では何の説明もないんだよ。なんで逃げてんのかも、誰が追ってるのかも、わからない。観客を突き放してるな〜。設定くらい分かってから見てたら、もう少し入り込めたかも。 それから「未来を乗り換えた男」ってタイトルも映画の本質から観客をミスリードしちゃうかも。どうしても、追われる者が他人のパスポートを手に入れ、その人間と入れ替わると言えば、サスペンス風な展開を期待するが(宣伝でもそう煽っているが)、実際の本作は、逃亡先のフランスで出会った、同じ難民の人々との心の触れ合いや、なりすました男の妻との綱渡りのような恋の話。それなりに先はどうなるんだろうとは思うけれど「未来を乗り換えた男」というタイトルから想起するような大げさな展開はない。 また、主人公を「彼は〜」と語る別の一人称によるナレーションがかなりのボリュームで入る。演技してるのに「〜だと思った」的な心理描写の説明が度々入るのは演出として如何なものだろう。おそらく原作小説からの引用なのだろうが、映画の演出としてはうるさい気もした。 さらに、この「私」は誰なのか、作家本人なのかとも思って見ていたら、最後の最後に「お前かよ!」と。ナレーションが入り出した時系列から言っても納得できないな〜。 第二次大戦時の母国のユダヤ人弾圧と、現代の難民問題を重ねようとした奇抜な試みはおもしろいかもしれないけど、わかりにくし、恋愛がメインみたいになってて、作品として成功したとは言いがたい。 残念ながら試写会場では睡魔に襲われていたひとも多かった。