当時の時代背景は
なかなか再現されない時代なので、とても参考になる。1952年は戦後まだ7年。旅館の仲居さんだが、事務をしていると子どもに嘘をつく戦争未亡人。子どもは「靴磨きしてでもお母ちゃんと暮らしたい」と叫ぶが嘘くさい。映画冒頭では、いい加減な印象の池部… 続きを読む
なかなか再現されない時代なので、とても参考になる。1952年は戦後まだ7年。旅館の仲居さんだが、事務をしていると子どもに嘘をつく戦争未亡人。子どもは「靴磨きしてでもお母ちゃんと暮らしたい」と叫ぶが嘘くさい。映画冒頭では、いい加減な印象の池部良が、だんだんと主役としての実像を浮かび上がらせてゆく。一方誠実な感じだった、岡田英次が最後は強引な態度に出て、女心を理解しない遺物扱い。(岡田英次はBSで放送中のテレビ版犬神家の一族では犬神佐兵衛翁役)で懐かしく見たばかり。その他上原謙の申し訳程度の出演と、香川京子の新人ぽい添え物の出番がワザとらしい。 劇中に「どじょう屋」が良く出てきて比較的ぜいたく食扱い。タバコもぜいたく品扱いで頻繁に女性にタバコを勧めたり、高峰さんも、スパーっと煙を吐く。酔っ払いも人のタバコを吸いたがったり…現在では考えにくいタバコの存在感も感じる(戦後と女性の社会進出を意識した演出なんだろう)高峰秀子のおそらくは演技だけではない、新時代を生きる働く女性の感性に溢れた映画だった。