常人には想像も出来ない世界
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
キム・ギドク監督の作品を観た後、自分なりの感想を頭の中でいつも考えます。色々考えるんだけど作品に対して何を感じ取って欲しいのか作り手の明確な答えが見つからない。 それは僕自身が知識として持っている許容範囲を超えた行動を登場人物が起こすからだと思ってます。 現在の韓国の情勢や状況に翻弄される人々。 追い詰められ逃げ場を失う人々。 今回の作品もいつものキム・ギドク作品同様そういった人達を描いた作品ではありますが、今までの作品と違いスポットライトを当たる登場人物がとても多いです。 娘を殺され、事件に関わった容疑者を次々と復讐する父親。それに加担するメンバー。組織の指示に逆らえず殺人を犯す加害者たち。 2時間の上映時間の中でよくここまで詳細にそれぞれの背景や葛藤を描けたもんだ。 そんな細かさとはうらはらに、娘が殺された理由やどんな組織なのか、そんな事はどうでも良いんだよと言わんばかりに全く説明がありません。 賛否両論あると思いますが、だからこそ各登場人物の心の動きや行動の一つ一つに集中して考えながら鑑賞出来ました。 序盤から立て続けに行われる拷問シーンは素人のやる事だからという部分をあえてわかりやすくするためなのかワンパターンで嘘くさい感じに見えたのは僕としてはイマイチだった部分ではありますが、次第に復讐に対し疑問を感じるメンバーや加害者として拷問を受けた人の行き着く最終的な行動は背筋が凍るような怖さでした。 クライマックスの展開はそこらのミステリーなんかより全然想像を超えた展開だと思います。 毎回極限まで追い詰められた人々が取る行動に驚かされ、考えさせられ、脳裏に焼きつくこんな作品を作り続けるキム・ギドク監督は凄い人です。 次回作も本当に楽しみです。