007は二度死ぬ 女は二度生まれる
神楽坂の不見転芸者の多彩な男性遍歴を描いた話で、昭和30年代の花柳界の隆盛ぶりがよく判る。通人川島雄三面目躍如の作品。カネで客と寝るわけだがけして打算的ではなく、相手はお大尽に限らず、一介のすし職人や、はては17歳の職工だったりする。多情で… 続きを読む
神楽坂の不見転芸者の多彩な男性遍歴を描いた話で、昭和30年代の花柳界の隆盛ぶりがよく判る。通人川島雄三面目躍如の作品。カネで客と寝るわけだがけして打算的ではなく、相手はお大尽に限らず、一介のすし職人や、はては17歳の職工だったりする。多情ではあるが多淫ではない。人懐っこく、優しくしたり優しされたりすることが好きなだけなのだ。囲われていた旦那の死後、復帰したお座敷で、かつて淡い思慕を抱いていた男から得意客と一夜をともにして欲しいと懇願されたとき、彼女の中で何かが変わる。演じる若尾文子がひたすら愛おしい。